親ロのハンガリーも物価高、インフレ対策に抗議広がる

親ロのハンガリーも物価高、インフレ対策に抗議広がる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CUO0X10C22A8000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】中欧ハンガリーでオルバン政権が導入した森林保護の規制緩和に抗議するデモが断続的に起きている。燃料のまきを確保するために導入した措置だが、環境問題に敏感な国民からの反発がとまらない。親密な関係のロシアから天然ガスの供給を受け続けてはいるが、エネルギー価格の上昇に悩まされている。

ハンガリーメディアによると、17日に首都ブダペストなど複数の都市でデモがあった。12日に続いて2回目で、ブダペストでは数百人以上が参加し「環境破壊を引き起こす」などと声をあげた。世界自然保護基金(WWF)は同国の規制緩和が野生生物など「取り返しのつかない喪失につながる恐れがある」と非難している。

ハンガリー政府は8月上旬、暖房用の需要が高まる冬に備えてまきの供給を増やすため、森林伐採の制限を緩和する措置を承認した。同国のオルバン首相は強権的な政治手法をとるリーダーとして知られる。ロイター通信によると、1回目のデモの後に政府は内容を一部変更して火消しに動いたが、環境活動家らの怒りは収まっていない。

4月の議会選でオルバン氏が率いる与党は圧勝したものの、物価高に直面する国民の不満は高まる一方だ。同国の7月のインフレ率は13.7%と24年ぶりの高水準を記録した。通貨フォリント安の影響などから輸入コストが押し上げられ、ガスや電気、食料品価格の上昇を招いている。政府は光熱費補助などの対応をしてきたが、予算の限度もあって補助を縮小せざるを得ない状況だ。

ハンガリーは欧州連合(EU)に加盟しているが、オルバン氏はロシアのプーチン大統領とは親密な関係で、ウクライナ侵攻に伴うEUの対ロシア制裁には反対の立場だ。ロシア国営ガスプロムがEU加盟国へのガス供給の削減や停止に踏み切るなか、ハンガリーには輸送を続けている。ハンガリーは天然ガスの8割超をロシア産に依存する。

ただ、EUとロシアの対立が深まるなかで、ロシアからエネルギーを継続的に安定確保できるかは不透明だ。ハンガリーは7月に非常事態宣言を発令し、燃料の輸出禁止や、国内でのガス生産量の拡大を決めた。』