徴用工問題、「代位弁済」実行は難航も 原告反発強く

徴用工問題、「代位弁済」実行は難航も 原告反発強く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1755H0X10C22A8000000/

 ※ 19日が、一つの時間的な山場か…。

 ※ 注目しておこう…。

『【ソウル=甲原潤之介】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が17日の記者会見で元徴用工問題の解決案に踏み込んだ。日本企業に実害が及ぶ資産の現金化を回避する姿勢を明確にした。韓国政府などが賠償を肩代わりする「代位弁済」を念頭に置くが原告の反発が強く、実現にはハードルがある。

尹氏は記者会見で「安全保障の状況に照らしても、サプライチェーン(供給網)と経済安保の次元で見ても、韓日は緊密に協力しなければならない」と強調した。「早急に関係改善をめざす」と対日関係の強化に意欲を示した。

尹氏が現金化の回避に踏み込んだのは、日本企業が韓国内に持つ資産の売却をめぐる最終的な司法判断が近づいていることが背景にある。韓国最高裁への三菱重工業の再抗告が19日で受理から4カ月となる。最高裁は4カ月以内に事件の審理を続行するか、棄却するかの判断をすることになっている。

もし再抗告を棄却した場合、日本側としては資産の現金化を止める司法の手段が尽き、原告が日本企業の資産を売却する具体的な手続きを始められるようになる。日本は企業に実害が及んだ場合は対抗措置を辞さない構えで、日韓関係の一層の悪化が避けられない状態に陥る。

最高裁が今回の棄却を見送ったとしても、審理を経ていつでも棄却できる状況は続く。韓国政府が解決を急ぐ必要があることは変わらない。

尹氏は最高裁の判断に先手を打つ形で「日本の主権問題」との衝突が生じない形式による原告への補償を検討すると表明した。これ以上の言及は避けたが、企業や個人がつくる基金や韓国政府が賠償金を支払う代位弁済を示唆したとの見方が有力だ。

実現すれば、日韓関係の悪化の引き金となった元徴用工問題が解決に向けて大きく前進することになる。日本による輸出管理の厳格化措置や、安全保障問題など他の懸案解決への道も開かれる可能性が出てくる。

ただ、代位弁済の決定は容易ではない。まず原告の説得というハードルが待ち構える。すでに一部の原告は日本企業による賠償が必要との立場から代位弁済への反対を表明している。

韓国政府内には、原告を説得するためには日本政府や企業による歴史問題への謝罪表明が必要だとの見方がある。朴振(パク・ジン)外相は7月の林芳正外相との会談で「日本側の誠意ある呼応」を求めた。これに対し日本側は明確に返答していないとみられる。

日本政府内にも安全保障の観点から韓国と関係を改善すべきだとの意見が増えているが、韓国側への歩み寄りに対する慎重論も根強い。尹氏の求心力にもすでに陰りがみられる。韓国ギャラップによると尹政権の支持率は9~11日の調査で25%で、6月のピーク時から30ポイント近く低下した。元徴用工問題をめぐり今後、日韓の外交当局が国内の慎重論を押し切って協議を加速できるか注目される。』