イスラエル・トルコが外交関係正常化 大使復帰へ

イスラエル・トルコが外交関係正常化 大使復帰へ
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『【イスタンブール=共同】イスラエル首相府は17日、パレスチナ問題を巡り対立してきた同国とトルコは外交関係を完全に回復させると発表した。4年ぶりに互いに大使を復帰させ、関係を正常化する。両国は最近、関係改善を進めていた。

イスラエル首相府は、ラピド首相とトルコのエルドアン大統領の対話などを経て決定したと説明。「両国の外交関係の格上げは経済、貿易、文化の拡大と地域の安定強化に寄与する」とした。

トルコのチャブシオール外相はトルコ首都アンカラで記者団に、大使復帰は「関係正常化の一環」と説明し、「私たちはパレスチナ人の権利を守り続ける」と強調した。

トルコはイスラエルと外交関係を持つが、パレスチナを支援する立場から、たびたび対立。2018年に互いに大使を呼び戻したほか、エルドアン氏は、20年にイスラエルと国交正常化したアラブ首長国連邦(UAE)などを批判していた。

ただ、トルコ国内は深刻なインフレと経済危機に直面しており、UAEやエジプトなど中東各国との関係改善に乗り出している。イスラエルとの関係正常化も、貿易拡大につなげたいとの考えが背景にある。

今年に入って要人の相互訪問も相次いでいた。イスラエルのヘルツォグ大統領が3月にトルコを訪問し、エルドアン氏と会談。5月にチャブシオール氏がイスラエルを訪問した。

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

トルコはウクライナとロシアの仲介役をやりながら、コーカサスではアゼルバイジャンを支援し、その向こうでカタールやイランと連携して湾岸諸国をけん制しつつ、イスラエルとは対立し、ギリシャとは宿敵関係を続けるという外交無双ぶりを発揮している。トルコとイスラエルの関係は単にパレスチナ問題だけでなく(そもそもトルコはアラブではないので、「アラブの大義」もない)、東地中海における権益をめぐる問題で対立していた。エルドアンの不可思議な経済政策で国内経済が滅茶苦茶になっているトルコが結果としてイスラエルと手打ちをした、というのが、今回の状況だろう。
2022年8月18日 1:26 』