[FT]熱波があぶり出す労働格差

[FT]熱波があぶり出す労働格差
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 ※ 『英国で観測史上最高の気温を記録した7月、スーパーの配送車はいつも通り一軒一軒、顧客に注文商品を届けていた。保冷機能が荷室にはあっても運転席にない配送車が多いのには驚く。』…。

 ※ それじゃ、運転席にも「エアコン」つければ、問題解決かと言えば、そうもいかない…。

 ※ 燃料(ガソリン、軽油)余計に消費するし、排ガス(二酸化炭素、NOx)も余計に排出される…。

 ※ それじゃ、EVに置き換えれば、問題解決かと言えば、そうもいかない…。

 ※ 今度は、その「電気」をどうやって作り出すのか、廃電池のリサイクルをどうするのかなどと言う問題が生じる…。

 ※ 事程左様に、この世の中、「彼方(あちら)立てれば此方(こちら)が立たぬ」という関係になっている…。

 ※ まあ、みんなが覚悟を決めて、「江戸の昔」の生活に戻るという手もあるにはあるが…。葦簀(よしず)、打ち水で涼を取り、朝夕の「涼しい時間帯」のみに、活動するという「原始的な生活」だ…。

 ※ しかし、そうすると、必ず「抜け駆けするヤツ」が出てくる…。

 ※ 金(かね)や、地位のあるヤカラだな…。

 ※ そうすると、「ビンボー人は、暑さで死ねと言うのか!」とか叫ぶヤカラも、生じてくる…。

 ※ どこまで行っても、そういうモンだ…。

『英国で観測史上最高の気温を記録した7月、スーパーの配送車はいつも通り一軒一軒、顧客に注文商品を届けていた。保冷機能が荷室にはあっても運転席にない配送車が多いのには驚く。

地球温暖化で熱波が起こりやすくなるにつれ、影響を受ける国や労働者、企業は増えていく=ロイター

暑い地域では以前から高温が建設作業員などの命取りになってきた。ところが地球温暖化が進んで熱波が起こりやすくなるにつれ、影響を受ける国や労働者、企業は増えていく。英気象庁によると、20世紀半ばに英国で最高気温が35度を超える確率は15年に1度だったが、今や5年に1度になった。

つまり、もっと多くの企業が安全・健康面だけでなく、生産性に関しても意識する必要がある。オランダの大手スーパー、アルバートハインは熱波のさなか「こんな時に配達員を働かせるのは無責任だ」と判断し、国内の宅配サービスをすべて一時停止した。

気温が高くなると手に汗をかいたり集中力が低下したりする。仕事場で事故が起こりやすくなるのも、おそらくそのせいだろう。米カリフォルニア大学がカリフォルニア州内の1100万件余りの労災申請について、現地の気象データと照合したところ、カ氏90度(セ氏約32度)を超えれば労働者がけがをする確率は6~9%高くなった。カ氏100度超なら10~15%も高い。

長期的な健康リスクもある。中米などでは、炎天下の農園で働く若年労働者の慢性腎臓病による死亡が異常な数に上っている。原因は特定されていないが、高温下での作業と脱水症が、どうやら農薬の影響も相まって要因ではないかと考えられている。

時給より出来高払いは熱中症リスクを高める危険

生産性の問題も忘れてはならない。国際労働機関(ILO)では気温が33~34度になると、労働強度が中程度で働いている人は能力が50%失われるとみる。暑すぎて仕事がはかどらず、2030年には世界の総労働時間の2%以上が毎年浪費されるようになるとも予想している。南アジアや西アフリカでは5%に達する恐れがあるという。

エアコンの設置といった単純な対策もあるが、簡単には解決できない問題もある。米国の農業労働者を対象にした研究では、休憩時間を増やし空調付きの休憩所を用意すれば一定の効果があるが「農場の生産性や労働者の報酬、もしくは人件費に悪影響」が及びかねないこともわかった。

英国や欧州連合(EU)の労働組合は、労働条件として働ける気温の上限を法律で定めるよう要求している。欧州では現在、ほんの数カ国しか法定上限を設定していない。それも28度から36度まで開きがある。ただ最も大きな危険にさらされているのは、雇用が不安定で労組とも縁遠い労働者たちだ。

気温の上昇が著しい地域では非正規雇用が中心で、雇用の安全網も弱い場合が多い。たとえ高所得国でも、働いた時間より作業の進捗に応じて報酬が支払われる農業労働者は熱中症にかかりやすいという調査結果がある。単発で短期の仕事に従事する「ギグワーカー」にも出来高制が浸透している。

感染症のまん延によって、仕事の世界は在宅勤務が可能な人とそうでない人に二分されたとよくいわれる。実際は既に存在していた格差が浮き彫りになった面が大きい。地球温暖化でも同じことが起きるだろう。

By Sarah O’Connor

(2022年8月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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