米国に「超酷暑帯」出現か 南部から中西部に、米調査

米国に「超酷暑帯」出現か 南部から中西部に、米調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15AW20V10C22A8000000/

『【ニューヨーク=西邨紘子】米国で温暖化の問題が深刻になっている。熱波の多発などにより、夏季に体感温度がカ氏125度(セ氏51.7度)を超える地域が今後30年間で国土の4分の1にまで広がる見通しだ。穀倉地帯を中心に甚大な影響が及びかねない。

米非営利団体のファースト・ストリート財団(FSF)が15日、報告書をまとめた。南部テキサス州からカナダ国境に近い中西部ウィスコンシン州にかけての一帯では特に影響が大きく、米国内を南北に貫く「超酷暑帯(エクストリーム・ヒート・ベルト)」が形成されつつあると指摘した。

米国各地の地表温度や湿度、水辺からの距離データ、温暖化ガス排出の予測シナリオを組み合わせ、酷暑地帯の広がり具合を予測した。人体が感じる温度でセ氏51.7度を超し、熱中症誘発など極度の危険と判断される日を「超酷暑日」とし、各地域でどれだけ発生するかを調べた。

分析によると、米国内で「超酷暑日」が年間1日以上発生する恐れがある地域の居住人口は、2023年の800万人から53年には約1億800万人に増える見通しだ。中でも体感気温の上昇が著しい超酷暑帯は南部テキサス州から米国を南北に貫くように広がる可能性があり、セントルイス(ミズーリ州)やシカゴ(イリノイ州)など中西部地域の主要都市も含む。米国の農業地帯とも重なりが大きく、関連産業にも大きな影響が出そうだ。

東海岸のサウスカロライナやノースカロライナ、バージニアなどの各州でも、53年には「超酷暑日」が発生する可能性が高まっている。

米海洋大気庁がこのほど発表したデータによると、2022年7月は過去 130 年の記録中、3 番目に暑い7月となった。FSF創業者のマシュー・イービー最高経営責任者は報告書について「わが国の4分の1が超酷暑に直面するという、避けられない事態に向けた備えを進めるべきだ」と警鐘を鳴らした。
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志田富雄
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

異常気象が天然ガスなどの相場を押し上げる構図は欧州だけではありません。米国の天然ガス先物は液化天然ガス(LNG)の拠点が火災事故を起こした影響で輸出が減り、国内需給が緩和するとの見方で6月末には一時100万BTU(英国熱量単位)あたり5ドル台まで下落しました。
しかし、そこから酷暑で電力需要が増え、7月下旬には9ドルを超えて14年ぶりの高値を記録。足元でも9ドル近い水準を維持しています。
ラニーニャ現象の長期化もあり、世界的な天候異変が天然ガスや石炭相場の波乱を拡大する可能性があります。今冬の厳冬リスクもちらつきます。
2022年8月16日 8:01 』