プーチン氏「友好国に先端兵器提供」 欧米と対決姿勢

プーチン氏「友好国に先端兵器提供」 欧米と対決姿勢
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『【テヘラン=福冨隼太郎】ロシアのプーチン大統領は15日、モスクワ近郊で開かれた軍事技術展示会で、友好国に先端兵器を提供し軍事協力を進める考えを示した。ロシア軍がウクライナで「任務を遂行している」とも強調した。同国のショイグ国防相とグテレス国連事務総長は同日、攻撃が続くザポロジエ原子力発電所を巡り電話協議した。

展示会の開会式で演説したプーチン氏は「異なる大陸にある多くの同盟国の存在を高く評価している」と表明した。これらの国々に「装甲車や無人機などの最先端兵器を提供する用意がある」と述べた。友好国との軍事協力を進める姿勢を示し、ウクライナ侵攻などを巡って対立する欧米との対決姿勢を鮮明にするねらいとみられる。

ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州を指すドンバス地方についても言及した。ロシア兵が「立派に任務を果たし、ドンバスを徐々に解放している」と主張した。ロシアが制圧を目指すドンバスでは、7月にルガンスク州がロシアにほぼ制圧された。隣接するドネツク州でもロシア軍とウクライナ軍の攻防が続いている。

ロシアのタス通信は15日、砲撃に伴う爆発で原子炉が停止するなどの被害が出ているザポロジエ原発を巡ってショイグ氏とグテレス氏が電話協議したと伝えた。同原発の安全について議論したとしている。

ロシアが占拠する同原発では8月に入って攻撃が相次いでおり、国際社会の懸念が強まっている。ロシアとウクライナの双方が、攻撃は相手によるものだと非難している。ウクライナ国営のエネルゴアトムは14日、ロシアが原発の立地するエネルホダル市を砲撃し同原発の職員1人が死亡したと発表した。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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強気を崩さないロシアのプーチン大統領。自国領土の問題では一歩も引かない構えを維持するウクライナのゼレンスキー大統領。両指導者の姿勢に変化がない中、戦況には膠着感があり、両国の戦争はこのまま秋から冬に向けて長期化する様相である。ロシアは、天然ガスの供給を絞ることなどを通じて欧州をけん制しつつ、クリミア半島につながる回廊の実効支配を画策している。一方のウクライナは、米欧から供与されたハイマースなどの高性能兵器を効果的に活用してロシア軍の攻勢を止めつつ、仲介役として中国が動きを見せることにも、一定の期待をしているようである。

2022年8月16日 7:31

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

プーチンは自国民を人質にとって侵略戦争を展開している。大きな国だから簡単には負けられない。でも、かつてアフガンで敗戦を喫したように、プーチンもいかに戦争を終わらせるかについて悩んでいるに違いない。国際社会としては、戦争を起こした者に代償を払わせないといけない

2022年8月16日 7:15』