円一時132円台、数分で2円上昇 米消費者物価伸び鈍化

円一時132円台、数分で2円上昇 米消費者物価伸び鈍化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB10CEV0Q2A810C2000000/

『10日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場が数分で2円以上急騰し、一時1ドル=132円台後半を付けた。10日発表した7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、物価がピークアウトしたとの見方から米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が急速に後退。幅広い通貨に対してドル売りが膨らんだ。

CPIの発表前は134円台後半で推移していた。米長期金利はCPIの発表を受けて一時2.6%台に急低下した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊氏は「利上げの鈍化が視野に入り始めた」と指摘している。

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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分析・考察

もともと年初来の円安は米国の10年金利との相関が大きかった。しかし、国際コモディティ価格は下落しており、しかも米国の10年金利の上昇は一服しており、大幅な円安ドル高にはなりにくい状況にはなっていた。予想されていたとはいえ米国の7月CPI上昇率が市場予想を下回ったことが、米国の10年金利の一段の低下につながっており幾分円高ドル安へつながっている。これまでの米国のインフレ率が市場予想よりも上回る傾向が続いていただけに、市場の反応は敏感になっており今回は強く好感された。ただ年末までのFRBの利上げ見通しが変わったわけではない。今後もインフレが市場予想を下回る状況が続けば株価には追い風となるであろう。
2022年8月10日 23:31
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

CPIショック。今月もこの言葉がピッタリくる展開でした。7月の米消費者物価は前月比でなんと横ばいだったことに、驚きが走りました。FRBによる9月の利上げ幅が0.5%で済むのではとの期待から、米長期金利が急低下し、円相場も対ドルで132円台まで急反発したわけです。
ただ先週発表の7月の米雇用統計が、市場予想よりずっと堅調だったことを、忘れたふりをしてはいけません。7月の平均時給は前年同月比で5.2%上昇しています。賃金インフレの圧力は依然根強い。その一方で、原油価格がこのところ下落基調にあるのは、インフレ抑制には朗報となります。マーケットはしばし右往左往の局面が続くでしょう。
2022年8月10日 22:19 (2022年8月10日 23:13更新) 』