ハリボテ社会が経済を壊す

ハリボテ社会が経済を壊す
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29373825.html

『以前のブログの記事で、中国のマンションを買った人民が、ローンの支払いを止める運動が広がっているという話を書きました。原因は、物件が完成前に、模型や見取り図の段階で買った建物が、近年の不動産不況で完成せず、ローンは残っていて、物件の引き渡しが期待できない状態にあり、生活が圧迫された購入者が、ローンの支払いを集団で止めているという事です。

マンションの計画段階で、販売を始めるというのは、不動産の販売方法としては、日本では珍しいですが、海外では特別な売り方ではありません。この方法は、売る方と買う方の両方にメリットがあります。まず、工事を始める前に、現金が不動産会社に入るので、建物が完成するまでの銀行からの借り入れを減らす事ができます。つまり、順当にいけば、全額借り入れてから工事をするより安く建てる事が可能です。

その分を還元すると考えると、購入者も安く買えるわけで、まさにウィン-ウィンの関係です。しかし、これは、約束がまともに履行された場合です。中国人は、基本的に商業民族が多いので、手元に現金が入ってくれば、それを増やそうとします。建物の完成まで、時間がかかるので、その間に理財商品とかに、購入者から集めた金を突っ込んで、増やそうとするわけですね。それが、うまくいけば、問題は起きませんが、経済がうまくいっていない最近の中国では、投資が失敗して、工事を続ける資金がショートしたりしています。その為、建設業者に払う金が無くなって、工事がストップし、購入者は、いつまで待っても、物件が手に入らないというケースが出ています。

例え、物件の引き渡しが無くても、マンション購入の為のローンは、返済を待ってくれないので、これに対して、今の生活を防衛する為に、ローンの不払い運動が起きているわけです。銀行側は、政府に働きかけて、もし、ローンの返済を拒否するなら、個人単位で国が管理している信用スコアを下げるぞと脅してローン返済を続けさせようとしています。
信用スコアというのは、人民の共産党に対しての貢献度を個人単位でスコアとして管理しているもので、共産党に対して反抗的な行動を取ると、原点されて、社会生活で様々な不利益を被ります。まず、飛行機や高速鉄道での遠出の移動が不可能になりますし、公務員には採用されなくなります。特定の施設の入場を断られたり、家族の誰かが大学受験をした時に不合格になったり、著しい場合は、現在の勤め先を突然解雇されたりします。

しかし、住宅ローンを抱えた状態で、現在住んでいる借家の家賃も払う事が、何十年も続く上に、物件が引き渡されないとなれば、生活で不利益を受けようが、生きる為に住宅ローンの返済を止めるという人が出ても不思議ではありません。そして、住宅ローンは、堅い貸し出し案件と考えられていたので、銀行の貸し出しに占める割合が、異常に高いのです。それには、中国人の持ち家信仰が強いという文化的な側面もあります。

この住宅ローンの返済が、大規模に滞ると、今度は銀行の財務が危なくなります。その為、銀行は、資金を融資した不動産会社に対して、「工事を再開しろ」と圧力をかけているのですが、手元に現金の無い不動産会社は、工事を再開できません。すると、何をするかと言うと、俳優を雇って、1日とか2日だけ、「工事再開祝賀イベント」みたいのを、大々的に開くわけです。当然、これは、偽装です。返済を止めた住宅購入者に、工事が再開されたと錯覚させる為の騙しをやるわけです。これも、既に手口がバレていて、さらに購入者の不信を煽っています。

また、工事現場で、一日中、鉄パイプをカンカン叩いて、あたかも中で工事をしているかのように偽装する事もやっているようです。やっているのは、日当で雇われたアルバイトです。これも、工事現場の囲いの中を、ドローンを飛ばして観察した物件購入者によって、偽装している実態が暴露されています。撮影した映像がSNSにも流れています。

これだけ、相互不信が広がると、不動産取引自体が、今後は人生のリスクになると考えられるようになるでしょう。そして、実は、不動産の問題は、これだけでは無いのです。完成したとしても、建物自体の耐用年数が、恐らく設計通りには無い事が、将来の社会問題として出て来る事が、今から予想されています。

中国の高層マンションは、遠くから見た目は立派なのですが、実は外壁に外壁材を貼ったりして、見栄えだけ良くした建物がたくさんあります。なので、強風や台風、竜巻などで、「高層マンションの外壁が剥がれて落下」という、世にも珍しい現象が起きます。火災などが起きると、なぜか外壁を伝わって、炎が上層階に燃え移るという事も起きます。いわゆるお化粧した建築物なのです。

外壁で、こうなのですから、支柱や鉄筋など、完成したら外部から確認できない部分で、どれだけ手抜きをしているか判りません。よって、築30年も経過したら、自然崩壊する建物が出てきても不思議ではありません。また、増築やら何やらで、建築時の設計を無視した違法建築も多いので、行政指導の行き届かない地方では、ビルの自然崩壊事故も起きています。つまり、買った物件に、いつまで住めるか判らない問題も出ています。ローンを払い終わって、人生の終盤を過ごそうと思ったら、自宅が崩れて無くなっている可能性もあります。

酷い話では、高層マンションの35階の売り出されていた部屋を買ったら、マンションが完成した後に、33階までしか無く、存在しない部屋を買わされた人もいます。恐らく、建築中に資金が足らなくなって、計画より階数を減らして建物を完成させたのでしょねえ。

中国の多くの建物は、未だ完成してから日が浅いので、問題が表面化していませんが、今後、建物がひしめいている状態で、老朽化が急速に進み、構造上の問題から、崩壊する危険が表面化する可能性があります。建物が建っていても、設計上で必要な処置が、ちゃんとなされているか信用ができないからです。

確かに見栄えは良いですし、夜の中国の大都会は、綺羅びやかで美しいです。しかし、それが、維持できるのかが、おおきな社会問題になるのは、恐らく遠い未来ではありません。 』