主要戦線、ウクライナ南部に移動か 外出禁止や原発砲撃

主要戦線、ウクライナ南部に移動か 外出禁止や原発砲撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR062O90W2A800C2000000/

『【パリ=白石透冴】ウクライナ南部ミコライウ州のキム知事は5日、州都ミコライウで同日夜から8日朝までの外出禁止令を出したと発表した。ロシア軍による攻撃が続くなか、内通者をあぶり出すのが目的だとしている。南部では原発も砲撃を受けるなど交戦が激化しており、戦線の中心が、膠着状態の東部から移りつつある。

キム氏はSNS(交流サイト)で市民に対し、「落ち着いて、週末用の買い物を済ませてほしい」などと呼びかけた。ロシア軍による包囲などの差し迫った危険はないとしている。
ただ、ウクライナ軍の位置情報などをロシア軍に漏らす人物がいるとみている。キム氏は7月に内通者特定につながる情報に報奨金100ドル(約1万3千円)を出すと発表している。
英国防省は6日、戦況について「(南部の)ザポロジエからヘルソンにかけての前線で戦いが激しくなっている」と分析。「戦争は新たな局面に入ろうとしている」として、南部が主要戦地になっていることを指摘した。

ロシア軍がへルソンの占領を維持すべく部隊を集める一方、ウクライナ軍は橋や弾薬庫などを攻撃し、補給経路を乱す作戦を取っているという。

ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは6日、南部ザポロジエ原子力発電所が5日に砲撃を受けたことで「安全な操業に重大な危険が出ている」と発表した。発電は続いているものの、火災や水漏れ、放射性物質の拡散の恐れがあるという。

同社はロシア軍のロケットシステムによる砲撃だったと主張し、同原発を占拠するロシア軍に撤退を求めた。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はツイッターで6日「欧州が今日朝を迎えられたのは、同原発が奇跡的にも爆発しなかったからだ。ロシアは危険な挑発を繰り広げている」と批判した。ロシア側はウクライナが砲撃したと訴えている。

米シンクタンクの戦争研究所は5日、ウクライナ政府の情報として、ロシアがイランから受け取ったドローン46機を既に戦線で使っていることを明らかにした。旧式の攻撃型ドローンも含まれており、ウクライナ軍が使用する米軍提供の高機動ロケット砲「ハイマース」の破壊を狙う可能性があるとしている。』