[FT]米中間選挙、トランプ氏支持候補が資金集めに苦戦

[FT]米中間選挙、トランプ氏支持候補が資金集めに苦戦
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 ※ 『「共和党は常軌を逸した候補者ばかりそろえ、その過激さを有権者の目に焼き付けている」とローゼンバーグ氏は語った。「こうした状況を考えると、MAGAに批判的で直近2回の選挙で投票したかなりの有権者が、共和党に投票しなかった理由を改めて思い出すかもしれない」』…。

 ※ ヤレヤレな話しだ…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

『米民主党は最近まで11月の中間選挙で厳しい結果が出ても仕方ないと諦めていた。インフレの高進、迫り来る景気後退入りの足音、バイデン大統領の支持率低迷などで連邦議会でのギリギリの過半数維持が危うくなっていた。
共和党の予備選ではトランプ氏の支持がおおむね有利に働いたが、中間選挙では障害になる可能性も指摘されている=ロイター

だが意外なことに、ここにきて少なくとも上院では希望の光が見えてきた。最も激しい接戦州の一部で、トランプ前大統領の後ろ盾を得た共和党候補が選挙資金集めに苦戦しているのだ。

両党がしのぎを削るオハイオ、ペンシルベニア、ジョージア、アリゾナの4州で22年上半期に各候補者が集めた選挙資金を総計すると、民主党が共和党を計6000万ドル(約81億円)ほど上回った。
主流からはずれた候補を擁立

民主党で有権者のフォーカスグループ調査を担当するストラテジストのサラ・ロングウェル氏は、親トランプ派の極端な意見に同調する共和党候補者に対する幅広い懸念が献金額に反映されたとの見方を示した。共和党候補のうち少なくとも2人は2020年の大統領選で不正行為があったというトランプ氏の主張を支持している。

ロングウェル氏は「民主党が苦境にある中で、共和党は十分に勝算を見込める主流からやや外れた候補を擁立したため大接戦になっている。上院選だけでなく州知事選でも同じだ」と話した。

オハイオ州では、民主党のティム・ライアン候補が共和党のライバルであるJ.D.バンス候補の6倍もの選挙資金を集めた。バンス氏は米国の白人労働者階級の窮状を描いた「ヒルビリー・エレジー」の著者で、最近になってトランプ氏から推薦を取りつけたほか、著名投資家のピーター・ティール氏から資金支援を受けている。

ペンシルベニア州では、脳卒中で約2カ月間選挙運動を休止していた民主党のジョン・フェッターマン候補が、共和党から出馬するTVタレントのメメット・オズ候補の4倍に上る選挙資金をかき集めた。米政治サイト「リアルクリアポリティクス」がまとめた世論調査の平均支持率では、フェッターマン氏がオズ氏を8.7ポイント差でリードしている。フェッターマン氏は選挙運動の遅れを挽回するため、オズ氏が最近までペンシルベニア州の東隣のニュージャージー州に住んでいたという情報をSNS(交流サイト)で拡散して成果を上げた。

ジョージア州では、民主党のラファエル・ウォーノック上院議員が集めた選挙資金が、現職の追い落としを狙うハーシェル・ウォーカー候補の3倍余りに達した。かつてプロアメリカンフットボール(NFL)のスター選手だったウォーカー氏は、全米での人工妊娠中絶の禁止を唱えたほか隠し子が発覚し評判を落とした。

アリゾナ州では、トランプ氏の後押しを受けたブレイク・マスターズ氏がティール氏から献金を受けたにもかかわらず、民主党現職候補のマーク・ケリー上院議員の選挙資金を下回った。8月2日に同州の共和党予備選を勝ち抜いたマスターズ氏が7月13日までに集めた献金額は790万ドルだったのに対し、ケリー氏は2730万ドルに達した。

ロングウェル氏はトランプ氏からの支持が中間選挙では障害になる可能性があるものの、共和党の予備選ではおおむね有利に働いたとみる。

同氏はトランプ氏のスローガン「MAGA(米国を再び偉大に)」に言及し、「今やMAGA支持層が共和党を支配している」と分析する。「前回の大統領選が自由かつ公平に行われたと言えば、予備選では戦えない」

11月の投票日までまだ3カ月あるうえ、景気の悪化やバイデン氏肝いりの法案の不成立など、4州の上院選を再び共和党優位に傾けそうな要因は多い。
人工中絶の是非が投票行動を左右

しかし民主党関係者は自分たちに有利に働く政治要因もたくさんあると主張する。その最たるものが人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を約50年ぶりに覆した6月の連邦最高裁判決だ。

人工中絶に反対する候補の多い共和党にとっては不吉なことに、カンザス州で2日に行われた住民投票では中絶手術の禁止または制限につながる州憲法修正案が明確に否決された。1964年以降の大統領選で民主党候補が負け続けている同州で中絶禁止が否決されたことで、中絶の権利擁護の機運が両党間で高まり、中間選挙での投票行動を左右する可能性が出てきた。

民主党の世論調査員を務めるセリンダ・レイク氏は「(カンザス州の住民投票の結果が)人々の認識を改めるきっかけになった」と語る。「これが中間選挙の指針もになった。まさに中絶権の是非が接戦州での投票行動を左右する最重要の決め手になり得ることを示した」

これに対し、共和党のストラテジストのアンディ・スラビアン氏は上下両院で過半数を制した14年の中間選挙を例に挙げ、これまで夏場の支持率が振るわなかった年でも結局は共和党が勝利してきたと指摘する。

同氏は接戦州で集めた選挙資金の差や、20年の大統領選が不正操作されたかどうかに関する共和党候補の見解が中間選挙での重要な決め手にはならないと見ている。

「無党派層が20年の大統領選に対する主張を基に投票するとは思わない。彼らは明らかにインフレや経済問題を最も気に掛けている」。こう話すスラビアン氏はオハイオ州のバンス候補のキャンペーンや、アリゾナ州のマスターズ候補の政治資金管理団体「スーパーPAC」に関わっている。


草の根レベルの献金額は2倍以上の差

一方、ペンシルベニア州のフェッターマン氏をはじめ民主党候補が資金集めで優位に立っている効果は党全体に波及しつつある。

3月までは共和党全国委員会、全国共和党上院委員会、全国共和党議会委員会の集めた選挙資金が民主党のライバル組織をやや上回ったものの、民主党側は6月までに追い付いた。

草の根レベルでの献金額に目を向けると、民主党の小口献金サイト「アクトブルー」が共和党の「ウィンレッド」との差を広げ、2倍以上集めている。特にペンシルベニア州では民主党への献金が多く、6月下旬には1日で約47万ドルと過去最高を記録した。

民主党のストラテジスト、サイモン・ローゼンバーグ氏によると、上院選の見通しに明るさが増すにつれて下院でも同様の展開を期待する関係者が党内で徐々に増えつつある。

ミシガン州で2日行われた共和党の予備選では、現職のピーター・マイヤー下院議員が、20年の大統領選で不正があったと繰り返し主張する元トランプ政権スタッフのジョン・ギブス氏に敗れた。

「共和党は常軌を逸した候補者ばかりそろえ、その過激さを有権者の目に焼き付けている」とローゼンバーグ氏は語った。「こうした状況を考えると、MAGAに批判的で直近2回の選挙で投票したかなりの有権者が、共和党に投票しなかった理由を改めて思い出すかもしれない」

By Courtney Weaver and Caitlin Gilbert

(2022年8月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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