[FT]「中国軍事演習は航空・海上封鎖に等しい」台湾高官

[FT]「中国軍事演習は航空・海上封鎖に等しい」台湾高官
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 ※ 『演習は、ペロシ氏が台湾を離れた後、4日から7日まで展開する予定とし、南部の都市で台湾最大の港を擁する高雄や北部の都市で第三の港がある基隆の沖合など、台湾の領空・空域に一部重なる区域で実施すると発表した。』…。

 ※ と言うことなんで、次の注目点は、「予定通り、7日までで撤収する」のかどうかだ…。

『歴史的な台湾訪問を実施したペロシ米下院議長は3日、台湾に対する米国の「断固とした」支援を表明した。これに激怒した中国が対抗措置として打ち出した台湾周辺地域での軍事演習に対し、台湾の封鎖に等しいとの警戒感が強まっている。

蔡英文総統(右)と会談に向かうペロシ米下院議長(左)=AP

台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との会談におけるペロシ氏の発言は、米国からのより強力な支援を望む台湾の人々を勇気づけたが、中国との間で緊張が高まるのは必至だ。

ペロシ氏は3日、台北の総統府を訪れ、「米国は常に台湾を支持するという固い約束をした。この訪問はそれを改めて示すためのものだ」と述べた。「本日、我々米国代表団が台湾を訪問したのは、米国が台湾を見捨てないということを明確にするためだ」

ペロシ氏の台湾訪問はアジア歴訪の一環で、米中間の摩擦が強まる中で実施された。他の国が台湾への支援を表明しようとすれば、中国がそれを阻止するためにいかに強い行動を取る用意があるのかを試すことにもなった。ペロシ氏は3日に台湾から韓国へ向かい、日本を訪問して6日に今回の旅程を終了する。

ペロシ氏は、過去25年で、中国が自国の一部と見なす台湾を訪問した最高位の米国高官となった。中国は同氏の台湾訪問を、米国の「一つの中国」政策に反すると糾弾している。これは、米国が北京政府を中国の唯一の政府だと承認する一方、中国の台湾に対する領有権を、受け入れるわけではないが、認識するというものだ。

ペロシ氏が2日に台湾に到着すると、中国の人民解放軍は、台湾を包囲する六つの空・海域で、大規模な遠距離実弾射撃訓練を実施すると表明した。演習は、ペロシ氏が台湾を離れた後、4日から7日まで展開する予定とし、南部の都市で台湾最大の港を擁する高雄や北部の都市で第三の港がある基隆の沖合など、台湾の領空・空域に一部重なる区域で実施すると発表した。

人民解放軍の機関紙「解放軍報」の社説は、ペロシ氏の訪問は、台湾の「分離主義者」に「間違ったメッセージ」を送ったと述べた。「中国が取るいかなる対抗措置も正当で、妥当で、必要である」と主張した。

演習について台湾国防部(国防省)は、「台湾の領海および接続水域を侵害し、国際航路および航空路を脅かす」と非難した。

「台湾の主権を著しく侵害」

国防部で法務を担当する于健昌上校は、演習は「台湾に対する航空および海上封鎖に等しい」と述べた。演習の区域は「台湾の領海や空域と重なっており、台湾の主権を著しく侵害するものだ」と語った。

主要7カ国(G7)の外相は3日に発表した共同声明で、人民解放軍の演習計画を批判し、台湾海峡の現状を力で変更しようとしないように中国に求めた。

声明は「我々は、不要なエスカレーションを招く危険がある、中華人民共和国による最近の及び発表された威嚇的な行動、特に実弾射撃演習及び経済的威圧を懸念する」と述べた。

「台湾海峡における攻撃的な軍事活動の口実として訪問を利用することは正当化できない」とした。

台湾の国防部は3日、中国軍機27機が防空識別圏(ADIZ)に侵入し、うち22機が台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」を、台北に近い北側で越えたと発表した。「中間線」は、米国が中国と台湾との紛争のリスクを下げるために何十年も前に引いた線で、両者とも長年にわたり暗黙のラインとして意識してきた。しかし中国は、最近2年間、緊張が高まる度にこの線を越えるという行為を繰り返してきた。

3日に中間線を越えた人民解放軍機の数は、2年前の米政府高官の訪台など、これまでの米要人の台湾訪問の際よりも相当に多い。今回、中国軍機は北西方向から台湾に接近した。この経路は、首都台北に数分で到達できるため、台湾にとっての脅威度が高い。

総統府における発言で、ペロシ氏は、米国の台湾関係法に言及した。同法は、1979年に米国が台湾と断交し、中国との国交を樹立した後にも米政府が台湾の国防を支援することを求めている。

台湾関係法では、中国の攻撃から台湾を防衛するための米国の軍事介入は義務ではなく、米軍による台湾の防衛を保障するものではない。米政府は、この問題について「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を維持してきた。しかし、バイデン大統領が台湾の有事の際には軍事的に関与すると繰り返し発言したことで、この方針が崩れつつあるという見方も出ている。

ペロシ氏は、「我々は現状を支持する。台湾に対する武力の行使は容認できない」と述べた。さらに、他の米議員が台湾を訪問した際には、中国は「騒ぎ立てなかった」と指摘した。

「人々が台湾を訪問するのを妨害することはできない」

「中国は台湾が特定の(国際)会議に参加することを妨害しているが、人々が台湾を訪問するのを妨害することはできないということを明確に理解することを期待する」とペロシ氏は発言した。

専門家によると、中国がペロシ氏の訪台に特に強く反発している理由は、同氏が、下院議長として、米国の大統領職継承順位で副大統領に次ぐ2位にあり、バイデン大統領と同じ民主党に所属し、これまでに、チベットや新疆や香港における人権侵害と民主主義の弾圧について中国を繰り返し非難してきたからだ。

台湾は、人民解放軍の演習に伴い、安全確保のため航路や空路に変更を加える必要があるかを検討しているという。これまでのところ、航空便や貨物船の欠航の発表はない。

蔡総統は、「このような困難な状況下」におけるペロシ氏らの訪問が「台湾に対する揺るがぬ支持を示している」と歓迎した。さらに、今回の訪問で台湾の民主主義の強さに対する市民の信頼が高まったと述べた。

3日午前の蔡総統との会談に先立ち、ペロシ氏は、台湾立法院(国会)の蔡其昌副院長ら議員団と会談した。その中でペロシ氏は、米国と台湾の議員間の交流を拡大し、台湾と協力して、中国をにらんだバイデン政権のインド太平洋戦略を推進したいと述べた。

総統府でペロシ氏は、「米国が台湾の人々に連帯を示すことは、かつてなく重要だ」と強調した。「世界は民主主義と専制政治との間で選択を迫られている。台湾の民主主義を守るアメリカの決意は鉄のように固い」

By Kathrin Hille in Taipei and Demetri Sevastopulo in Washington

(2022年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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