[FT]米中間選挙、トランプ氏支持候補が資金集めに苦戦

[FT]米中間選挙、トランプ氏支持候補が資金集めに苦戦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB050KN0V00C22A8000000/

 ※ 『「共和党は常軌を逸した候補者ばかりそろえ、その過激さを有権者の目に焼き付けている」とローゼンバーグ氏は語った。「こうした状況を考えると、MAGAに批判的で直近2回の選挙で投票したかなりの有権者が、共和党に投票しなかった理由を改めて思い出すかもしれない」』…。

 ※ ヤレヤレな話しだ…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

『米民主党は最近まで11月の中間選挙で厳しい結果が出ても仕方ないと諦めていた。インフレの高進、迫り来る景気後退入りの足音、バイデン大統領の支持率低迷などで連邦議会でのギリギリの過半数維持が危うくなっていた。
共和党の予備選ではトランプ氏の支持がおおむね有利に働いたが、中間選挙では障害になる可能性も指摘されている=ロイター

だが意外なことに、ここにきて少なくとも上院では希望の光が見えてきた。最も激しい接戦州の一部で、トランプ前大統領の後ろ盾を得た共和党候補が選挙資金集めに苦戦しているのだ。

両党がしのぎを削るオハイオ、ペンシルベニア、ジョージア、アリゾナの4州で22年上半期に各候補者が集めた選挙資金を総計すると、民主党が共和党を計6000万ドル(約81億円)ほど上回った。
主流からはずれた候補を擁立

民主党で有権者のフォーカスグループ調査を担当するストラテジストのサラ・ロングウェル氏は、親トランプ派の極端な意見に同調する共和党候補者に対する幅広い懸念が献金額に反映されたとの見方を示した。共和党候補のうち少なくとも2人は2020年の大統領選で不正行為があったというトランプ氏の主張を支持している。

ロングウェル氏は「民主党が苦境にある中で、共和党は十分に勝算を見込める主流からやや外れた候補を擁立したため大接戦になっている。上院選だけでなく州知事選でも同じだ」と話した。

オハイオ州では、民主党のティム・ライアン候補が共和党のライバルであるJ.D.バンス候補の6倍もの選挙資金を集めた。バンス氏は米国の白人労働者階級の窮状を描いた「ヒルビリー・エレジー」の著者で、最近になってトランプ氏から推薦を取りつけたほか、著名投資家のピーター・ティール氏から資金支援を受けている。

ペンシルベニア州では、脳卒中で約2カ月間選挙運動を休止していた民主党のジョン・フェッターマン候補が、共和党から出馬するTVタレントのメメット・オズ候補の4倍に上る選挙資金をかき集めた。米政治サイト「リアルクリアポリティクス」がまとめた世論調査の平均支持率では、フェッターマン氏がオズ氏を8.7ポイント差でリードしている。フェッターマン氏は選挙運動の遅れを挽回するため、オズ氏が最近までペンシルベニア州の東隣のニュージャージー州に住んでいたという情報をSNS(交流サイト)で拡散して成果を上げた。

ジョージア州では、民主党のラファエル・ウォーノック上院議員が集めた選挙資金が、現職の追い落としを狙うハーシェル・ウォーカー候補の3倍余りに達した。かつてプロアメリカンフットボール(NFL)のスター選手だったウォーカー氏は、全米での人工妊娠中絶の禁止を唱えたほか隠し子が発覚し評判を落とした。

アリゾナ州では、トランプ氏の後押しを受けたブレイク・マスターズ氏がティール氏から献金を受けたにもかかわらず、民主党現職候補のマーク・ケリー上院議員の選挙資金を下回った。8月2日に同州の共和党予備選を勝ち抜いたマスターズ氏が7月13日までに集めた献金額は790万ドルだったのに対し、ケリー氏は2730万ドルに達した。

ロングウェル氏はトランプ氏からの支持が中間選挙では障害になる可能性があるものの、共和党の予備選ではおおむね有利に働いたとみる。

同氏はトランプ氏のスローガン「MAGA(米国を再び偉大に)」に言及し、「今やMAGA支持層が共和党を支配している」と分析する。「前回の大統領選が自由かつ公平に行われたと言えば、予備選では戦えない」

11月の投票日までまだ3カ月あるうえ、景気の悪化やバイデン氏肝いりの法案の不成立など、4州の上院選を再び共和党優位に傾けそうな要因は多い。
人工中絶の是非が投票行動を左右

しかし民主党関係者は自分たちに有利に働く政治要因もたくさんあると主張する。その最たるものが人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を約50年ぶりに覆した6月の連邦最高裁判決だ。

人工中絶に反対する候補の多い共和党にとっては不吉なことに、カンザス州で2日に行われた住民投票では中絶手術の禁止または制限につながる州憲法修正案が明確に否決された。1964年以降の大統領選で民主党候補が負け続けている同州で中絶禁止が否決されたことで、中絶の権利擁護の機運が両党間で高まり、中間選挙での投票行動を左右する可能性が出てきた。

民主党の世論調査員を務めるセリンダ・レイク氏は「(カンザス州の住民投票の結果が)人々の認識を改めるきっかけになった」と語る。「これが中間選挙の指針もになった。まさに中絶権の是非が接戦州での投票行動を左右する最重要の決め手になり得ることを示した」

これに対し、共和党のストラテジストのアンディ・スラビアン氏は上下両院で過半数を制した14年の中間選挙を例に挙げ、これまで夏場の支持率が振るわなかった年でも結局は共和党が勝利してきたと指摘する。

同氏は接戦州で集めた選挙資金の差や、20年の大統領選が不正操作されたかどうかに関する共和党候補の見解が中間選挙での重要な決め手にはならないと見ている。

「無党派層が20年の大統領選に対する主張を基に投票するとは思わない。彼らは明らかにインフレや経済問題を最も気に掛けている」。こう話すスラビアン氏はオハイオ州のバンス候補のキャンペーンや、アリゾナ州のマスターズ候補の政治資金管理団体「スーパーPAC」に関わっている。


草の根レベルの献金額は2倍以上の差

一方、ペンシルベニア州のフェッターマン氏をはじめ民主党候補が資金集めで優位に立っている効果は党全体に波及しつつある。

3月までは共和党全国委員会、全国共和党上院委員会、全国共和党議会委員会の集めた選挙資金が民主党のライバル組織をやや上回ったものの、民主党側は6月までに追い付いた。

草の根レベルでの献金額に目を向けると、民主党の小口献金サイト「アクトブルー」が共和党の「ウィンレッド」との差を広げ、2倍以上集めている。特にペンシルベニア州では民主党への献金が多く、6月下旬には1日で約47万ドルと過去最高を記録した。

民主党のストラテジスト、サイモン・ローゼンバーグ氏によると、上院選の見通しに明るさが増すにつれて下院でも同様の展開を期待する関係者が党内で徐々に増えつつある。

ミシガン州で2日行われた共和党の予備選では、現職のピーター・マイヤー下院議員が、20年の大統領選で不正があったと繰り返し主張する元トランプ政権スタッフのジョン・ギブス氏に敗れた。

「共和党は常軌を逸した候補者ばかりそろえ、その過激さを有権者の目に焼き付けている」とローゼンバーグ氏は語った。「こうした状況を考えると、MAGAに批判的で直近2回の選挙で投票したかなりの有権者が、共和党に投票しなかった理由を改めて思い出すかもしれない」

By Courtney Weaver and Caitlin Gilbert

(2022年8月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

韓国外相、北朝鮮大使と接触 ASEAN会議で

韓国外相、北朝鮮大使と接触 ASEAN会議で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM052FG0V00C22A8000000/

『【ソウル=甲原潤之介】韓国の朴振(パク・ジン)外相は4日、訪問先のカンボジアで北朝鮮の安光日(アン・グァンイル)駐インドネシア大使と接触した。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議の夕食会の席で会話を交わした。韓国外務省が5日、明らかにした。

韓国の聯合ニュースによると、朴氏は夕食会の会場に入った際、事前に会場入りしていた安氏に「会えてうれしい。ASEANの専門家として合理的な方だと聞いた」とあいさつした。「(6月に任命された)崔善姫(チェ・ソンヒ)外相に就任の祝意を伝えてほしい」とも述べた。

韓国外務省の関係者は5日、ソウルで記者団に「短時間会ったということで特別な中身があったわけではなく、あいさつだけ交わしたと理解している」と話した。

北朝鮮はASEAN地域フォーラム(ARF)参加国の一つで、5日の会議にあわせて安氏を派遣した。外相の派遣は見送った。』

ASEAN外相声明、ミャンマーの「長引く政治危機に懸念」南シナ海での「土地の埋め立てに一部が懸念表明」、中国念頭に

ASEAN外相声明、ミャンマーの「長引く政治危機に懸念」
南シナ海での「土地の埋め立てに一部が懸念表明」、中国念頭に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM048FC0U2A800C2000000/

『【プノンペン=大西智也】東南アジア諸国連合(ASEAN)は5日、3日にカンボジアの首都プノンペンで開いた外相会議の共同声明を公表した。国軍が全権を掌握し、7月に民主派活動家ら4人の死刑を執行したミャンマー情勢について「長引く政治危機に対する懸念を表明した」との表現を盛り込んだ。

ASEANは2021年4月、臨時の首脳会議で暴力の即時停止など5項目の履行を国軍に求めることで合意した。ただ国軍は合意の大半を履行しておらず、共同声明では「5項目の完全実施に向け、進展が限られていることに深く失望している」として、国軍の対応を強く批判した。

ASEANは3日の会議でミャンマー問題について積極的に関与し、国軍に対し5項目の履行を引き続き国軍に求めることを確認した。その上で11月に開かれるASEAN首脳会議で「進捗を評価する」方針を決めた。

3日の会議にはミャンマーの代表者は欠席し、各国の外相から市民弾圧が続く国軍の対応を非難する声が相次いだ。議長国カンボジアのフン・セン首相は同日の開幕式で「状況は以前より悪化している」と指摘し、死刑執行が今後も続けば、ミャンマーへの関わり方を見直す考えを示している。

ASEANの一部の加盟国が中国と領有権を争う南シナ海問題については、中国を念頭に「土地の埋め立てや様々な活動、深刻な事案に関して、何人かの閣僚が懸念を表明した」と明記した。

ASEANと中国が策定中の南シナ海での紛争防止を目的とした行動規範(COC)については交渉が難航している。「早期締結に向けた実質的な交渉の進捗に勇気づけられている」としたが、具体的な交渉妥結期限を明記しなかった。

ASEANは4日、共同声明とは別に、緊張が高まっている台湾情勢に関する声明も公表している。ペロシ米下院議長の台湾訪問に対する中国の反発を念頭に「懸念」を表明し、米中双方に最大限の自制を求めている。』

「北朝鮮で核爆発装置の実験確認」 国連報告書案

「北朝鮮で核爆発装置の実験確認」 国連報告書案
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04EH40U2A800C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織、白岩ひおな】国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁の履行状況を調べる専門家パネルが9月にも公表する中間報告書案の全容が明らかになった。豊渓里(プンゲリ)核実験場での地下トンネルの掘削再開や核実験に使われる爆発装置の実験が確認されたと明記し「追加の核兵器開発に向けた核実験に道を開くものだ」と指摘した。

3日に安保理の北朝鮮制裁委員会に提出された報告書案の全文を日本経済新聞が入手した。理事国の議論や修正を経て公表する。法的拘束力はないが、報告を受けて安保理や加盟国などが違反する団体や個人に新たな制裁を科すことがある。報告書案は2022年1月から7月の対北朝鮮制裁の履行状況をまとめており、制裁逃れの手口を詳述している。

報告書案によると、北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)の核施設で核分裂性物質の生産能力を高め、18年に非核化交渉の過程で爆破した豊渓里の核実験場の地下トンネルの掘削も再開した。ある加盟国によると、核実験に使われる爆発装置の実験も確認された。2カ国の加盟国の分析によると、6月上旬時点で核実験の準備は最終段階に入った。

北朝鮮系のハッカー集団「ラザルスグループ」などがサイバー攻撃活動を続けており、イーサリアムやUSDコイン(USDC)など数億ドル相当の暗号資産(仮想通貨)を盗み取ったと明らかにした。北朝鮮は防衛企業を含む47の企業・機関にサイバー攻撃を実行したという。

北朝鮮がNFT(非代替性トークン)を資金調達とマネーロンダリング(資金洗浄)の手口として使う例が増えていると指摘した。3月下旬にはラザルスが、フィリピンなどで人気のNFTゲーム「アクシー・インフィニティ」の関連サービスから仮想通貨を盗んだとされる。

ラザルスは1月、偽の求人情報を使ってマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染させる「オペレーション・ドリーム・ジョブ」を通じて、複数の化学やIT(情報技術)分野に関わる組織から情報を盗み取ろうとした。「ビッシング」と呼ばれる電話を使ったフィッシング詐欺の手法なども使われた。

北朝鮮による石油精製品の輸入などの制裁逃れも続いた。7月27日までに加盟国が制裁委員会に報告した北朝鮮による石油精製品の輸入量は、年間供給上限50万バレルの8.15%にとどまった。一方、ある加盟国はすでに年間供給上限に迫る45万8898バレルもの石油精製品が輸入された可能性があると推計する。

北朝鮮は石炭の輸出も継続した。専門家パネルと加盟国による調査では、北朝鮮は制裁をかいくぐり、中国領海で石炭の荷下ろしを続けた。具体的な数量は明らかにしていない。
報告書案で北朝鮮による制裁逃れを指摘する一方で、北朝鮮における新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり「国連による制裁が意図せずして人道状況に影響を及ぼしたことに疑いの余地はない」との文言が盛り込まれた。

【関連記事】

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

「ある加盟国によると、核実験に使われる爆発装置の実験も確認された」というのは国連の専門家パネルの報告書でよくみられる記述だが、こういう書き方をする裏には様々な文言のやり取りがあり、いろんなフィルターを通じた結果出てくる文言。なので、こうやって表現する時は、それなりに信憑性の高い情報であり、北朝鮮が核爆弾の起爆装置を作っていることはおよそ確かなのだろう。北朝鮮が次の核実験に向けての準備を着々と進めていることは間違いないが、問題はそのタイミング。恐らく中国の共産党党大会の後となるだろう。

2022年8月5日 14:04

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峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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ひとこと解説

核爆発装置の作動試験について、韓国政府はバイデン米大統領による日韓歴訪直後の5月下旬に北朝鮮が複数回行ったと探知・分析しています。この実験は7回目の核実験がすでに最終準備段階に入っていることを意味します。それから2カ月以上がたちました。「朝鮮半島の非核化」を唱える中国に配慮してきた北朝鮮が、秋の中国共産党大会以降に核実験に踏み切るかどうか。核実験の有無やそのタイミングを考える際に、北朝鮮が依存を強める中国との力学に注目しています。

2022年8月5日 11:51 』

米政権、中国のミサイル発射非難 緊張拡大望まず

米政権、中国のミサイル発射非難 緊張拡大望まず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN050070V00C22A8000000/

『【ワシントン=中村亮、北京=羽田野主】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は4日の記者会見で、中国による台湾周辺での弾道ミサイル発射を伴う軍事演習について「無責任だ」と非難した。米軍が予定していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を延期し、中国と緊張拡大を望まない考えも示した。

【関連記事】中国が台湾沖にミサイル、日本EEZ内に5発 外相会談中止

米国のペロシ下院議長は3日、訪問先の台湾で蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談した。カービー氏は「中国は過剰反応し、下院議長の訪問を台湾海峡やその周辺で攻撃的な軍事活動を増やす口実に使うことを選んだ」と断じた。中国軍が台湾周辺に11発の弾道ミサイルを発射したと指摘し「こうした行動が数日は続く」と話した。

カービー氏は「我々が国際法に沿った西太平洋の海や空での活動を自制することはなく、台湾を支持して自由で開かれたインド太平洋を守る」と言及した。米軍が数週間以内に台湾海峡を航行したり、上空を飛行したりすると明らかにした。

オースティン国防長官が原子力空母ロナルド・レーガンを中心とする打撃群についてインド太平洋地域での任務を継続するよう指示したとも説明した。米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とするロナルド・レーガンは現時点でフィリピン海の周辺に展開しているとみられ、当面は同海域にとどまるよう指示したもようだ。

カービー氏は日本を含む同盟国への防衛に関与する姿勢を示すために追加措置をとるとも言明したが、具体策には触れなかった。

カービー氏は「我々も危機を模索したり、望んだりしない」とも訴えた。具体策として米軍が今週予定していたICBMの発射実験は延期したと指摘した。中国との対話ルートを維持していくと述べた。

米国で下院議長は、大統領継承順位で副大統領に次ぐ立場にある。ペロシ氏の台湾訪問は米国の強い支持を示すものだ。中国は激しく反発し、台湾を取り囲むように6カ所の地域を指定して軍事演習を実施している。

中国外務省の華春瑩報道局長は4日の記者会見で軍事演習について「中国の国家主権と領土を守るためであり、台湾独立の分裂勢力と外部干渉勢力に対抗するためだ」と強調した。「台湾海峡の緊張は米国側の手によってもたらされた。ペロシ米下院議長の台湾訪問がなかったら、今日のような状況にはならなかった」との見解を示した。

華氏は日本の排他的経済水域(EEZ)内へのミサイル落下に関しては「日中は関係海域の境界線を画定していないため、中国側の軍事行動が日本のEEZ内に入っているという話はない」と主張した。

中国の孔鉉佑駐日大使も、4日のオンライン会見で軍事演習は「完全に正当で合法的であり、慣例に基づいて(日本を含めて)事前に警告を出している」と述べた。
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益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 准教授
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別の視点

中国は昨日発射したミサイルに、極超音速の東風17号が含まれていたとしています。米国もまだ開発しきれていない技術とのことです。
今回の中国の軍事演習区域は3ヶ所で台湾の領海に大きく食い込んでいます。台湾の「主権」に実際に手をつけ始めたということです。演習区域を台湾海峡に限定せず、台湾を包囲し、台湾島を飛び越えてミサイルを飛ばすという演習は、中国側も「初めて」と喜びを込めて伝えていますが、逆に言えば明らかな現状変更です。
米国の下院議長の訪台でエスカレートした緊張。米国はその結果に責任を持って対処するのでしょうか。それとも座視するだけでしょうか。それによって日本がとりうる政策も大きく変わります。
2022年8月5日 8:30 (2022年8月5日 12:44更新)

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

すぐに戦争になるとは思えない。吠える犬は人を咬まない。黙っている犬のほうが怖い。ただし、米中の対立が先鋭化して、東アジアの地政学リスクは一段と高まっていく可能性が高い。とくに企業にとってこれからのグローバルビジネスを展開するうえで、これまで以上に地政学リスクをきちんと管理しないといけない。
2022年8月5日 9:43 』

日経平均株価(5日、14:28、円)

日経平均株価(5日、14:28、円)
https://www.nikkei.com/markets/kabu/

東証14時 高値圏で小動き 米雇用統計控え様子見強まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZASS0ISS15_V00C22A8000000/

『5日後場中ごろの東京株式市場で、日経平均株価は前日比240円ほど高い2万8100円台後半と高値圏で小動きとなっている。グロース(成長)を中心に買いが続いてきたが、日本時間の今晩に7月の米雇用統計の公表を控えて次第に様子見ムードも強まり、一段と持ち高を傾けようとする動きは限定的だ。週末で持ち高調整の売りが出やすいことも、相場の上値を抑えているようだ。

14時現在の東証プライムの売買代金は概算で2兆591億円、売買高は8億6793万株だった。

キッコマンやネクソン、三井化学など高い。神戸鋼や日立建機も上昇。半面、三菱自やオリンパス、IHIが売られている。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕』

[FT]「中国軍事演習は航空・海上封鎖に等しい」台湾高官

[FT]「中国軍事演習は航空・海上封鎖に等しい」台湾高官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB050H20V00C22A8000000/

 ※ 『演習は、ペロシ氏が台湾を離れた後、4日から7日まで展開する予定とし、南部の都市で台湾最大の港を擁する高雄や北部の都市で第三の港がある基隆の沖合など、台湾の領空・空域に一部重なる区域で実施すると発表した。』…。

 ※ と言うことなんで、次の注目点は、「予定通り、7日までで撤収する」のかどうかだ…。

『歴史的な台湾訪問を実施したペロシ米下院議長は3日、台湾に対する米国の「断固とした」支援を表明した。これに激怒した中国が対抗措置として打ち出した台湾周辺地域での軍事演習に対し、台湾の封鎖に等しいとの警戒感が強まっている。

蔡英文総統(右)と会談に向かうペロシ米下院議長(左)=AP

台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との会談におけるペロシ氏の発言は、米国からのより強力な支援を望む台湾の人々を勇気づけたが、中国との間で緊張が高まるのは必至だ。

ペロシ氏は3日、台北の総統府を訪れ、「米国は常に台湾を支持するという固い約束をした。この訪問はそれを改めて示すためのものだ」と述べた。「本日、我々米国代表団が台湾を訪問したのは、米国が台湾を見捨てないということを明確にするためだ」

ペロシ氏の台湾訪問はアジア歴訪の一環で、米中間の摩擦が強まる中で実施された。他の国が台湾への支援を表明しようとすれば、中国がそれを阻止するためにいかに強い行動を取る用意があるのかを試すことにもなった。ペロシ氏は3日に台湾から韓国へ向かい、日本を訪問して6日に今回の旅程を終了する。

ペロシ氏は、過去25年で、中国が自国の一部と見なす台湾を訪問した最高位の米国高官となった。中国は同氏の台湾訪問を、米国の「一つの中国」政策に反すると糾弾している。これは、米国が北京政府を中国の唯一の政府だと承認する一方、中国の台湾に対する領有権を、受け入れるわけではないが、認識するというものだ。

ペロシ氏が2日に台湾に到着すると、中国の人民解放軍は、台湾を包囲する六つの空・海域で、大規模な遠距離実弾射撃訓練を実施すると表明した。演習は、ペロシ氏が台湾を離れた後、4日から7日まで展開する予定とし、南部の都市で台湾最大の港を擁する高雄や北部の都市で第三の港がある基隆の沖合など、台湾の領空・空域に一部重なる区域で実施すると発表した。

人民解放軍の機関紙「解放軍報」の社説は、ペロシ氏の訪問は、台湾の「分離主義者」に「間違ったメッセージ」を送ったと述べた。「中国が取るいかなる対抗措置も正当で、妥当で、必要である」と主張した。

演習について台湾国防部(国防省)は、「台湾の領海および接続水域を侵害し、国際航路および航空路を脅かす」と非難した。

「台湾の主権を著しく侵害」

国防部で法務を担当する于健昌上校は、演習は「台湾に対する航空および海上封鎖に等しい」と述べた。演習の区域は「台湾の領海や空域と重なっており、台湾の主権を著しく侵害するものだ」と語った。

主要7カ国(G7)の外相は3日に発表した共同声明で、人民解放軍の演習計画を批判し、台湾海峡の現状を力で変更しようとしないように中国に求めた。

声明は「我々は、不要なエスカレーションを招く危険がある、中華人民共和国による最近の及び発表された威嚇的な行動、特に実弾射撃演習及び経済的威圧を懸念する」と述べた。

「台湾海峡における攻撃的な軍事活動の口実として訪問を利用することは正当化できない」とした。

台湾の国防部は3日、中国軍機27機が防空識別圏(ADIZ)に侵入し、うち22機が台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」を、台北に近い北側で越えたと発表した。「中間線」は、米国が中国と台湾との紛争のリスクを下げるために何十年も前に引いた線で、両者とも長年にわたり暗黙のラインとして意識してきた。しかし中国は、最近2年間、緊張が高まる度にこの線を越えるという行為を繰り返してきた。

3日に中間線を越えた人民解放軍機の数は、2年前の米政府高官の訪台など、これまでの米要人の台湾訪問の際よりも相当に多い。今回、中国軍機は北西方向から台湾に接近した。この経路は、首都台北に数分で到達できるため、台湾にとっての脅威度が高い。

総統府における発言で、ペロシ氏は、米国の台湾関係法に言及した。同法は、1979年に米国が台湾と断交し、中国との国交を樹立した後にも米政府が台湾の国防を支援することを求めている。

台湾関係法では、中国の攻撃から台湾を防衛するための米国の軍事介入は義務ではなく、米軍による台湾の防衛を保障するものではない。米政府は、この問題について「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を維持してきた。しかし、バイデン大統領が台湾の有事の際には軍事的に関与すると繰り返し発言したことで、この方針が崩れつつあるという見方も出ている。

ペロシ氏は、「我々は現状を支持する。台湾に対する武力の行使は容認できない」と述べた。さらに、他の米議員が台湾を訪問した際には、中国は「騒ぎ立てなかった」と指摘した。

「人々が台湾を訪問するのを妨害することはできない」

「中国は台湾が特定の(国際)会議に参加することを妨害しているが、人々が台湾を訪問するのを妨害することはできないということを明確に理解することを期待する」とペロシ氏は発言した。

専門家によると、中国がペロシ氏の訪台に特に強く反発している理由は、同氏が、下院議長として、米国の大統領職継承順位で副大統領に次ぐ2位にあり、バイデン大統領と同じ民主党に所属し、これまでに、チベットや新疆や香港における人権侵害と民主主義の弾圧について中国を繰り返し非難してきたからだ。

台湾は、人民解放軍の演習に伴い、安全確保のため航路や空路に変更を加える必要があるかを検討しているという。これまでのところ、航空便や貨物船の欠航の発表はない。

蔡総統は、「このような困難な状況下」におけるペロシ氏らの訪問が「台湾に対する揺るがぬ支持を示している」と歓迎した。さらに、今回の訪問で台湾の民主主義の強さに対する市民の信頼が高まったと述べた。

3日午前の蔡総統との会談に先立ち、ペロシ氏は、台湾立法院(国会)の蔡其昌副院長ら議員団と会談した。その中でペロシ氏は、米国と台湾の議員間の交流を拡大し、台湾と協力して、中国をにらんだバイデン政権のインド太平洋戦略を推進したいと述べた。

総統府でペロシ氏は、「米国が台湾の人々に連帯を示すことは、かつてなく重要だ」と強調した。「世界は民主主義と専制政治との間で選択を迫られている。台湾の民主主義を守るアメリカの決意は鉄のように固い」

By Kathrin Hille in Taipei and Demetri Sevastopulo in Washington

(2022年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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岸田首相と米ペロシ下院議長 会談 台湾海峡平和維持で連携確認

岸田首相と米ペロシ下院議長 会談 台湾海峡平和維持で連携確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220805/k10013754861000.html

『岸田総理大臣は、アメリカのペロシ下院議長と会談し、台湾情勢をめぐって、中国が発射した弾道ミサイルが日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したことを強く非難し、両氏は、台湾海峡の平和と安定を維持するため、日米両国で緊密に連携していくことを確認しました。

岸田総理大臣とペロシ下院議長は総理大臣公邸でそろって記念撮影に臨んだあと、5日8時からおよそ1時間、朝食を交えながら会談しました。
この中で岸田総理大臣は、安倍元総理大臣が銃撃され、亡くなったことを受けて、アメリカ側から弔意が示されたことに対し、謝意を伝えました。

そして、日米同盟の強化や自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取り組みなどをめぐって意見が交わされ、岸田総理大臣は、ペロシ議長のリーダーシップとアメリカ議会の支援に期待を示しました。

また両氏は、中国や北朝鮮、そしてロシアによるウクライナ侵攻などの地域情勢や「核兵器のない世界」の実現などについても意見を交わしました。

このうち台湾情勢をめぐって岸田総理大臣は、中国が軍事演習で発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したことは、日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題だとして、中国を強く非難し、抗議したと説明しました。

そのうえで、地域や国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものだとして中国側に軍事演習を
即刻中止するよう求めたことを伝えました。そして両氏は、台湾海峡の平和と安定を維持するため、引き続き、日米両国で緊密に連携していくことを確認しました。』

ペロシ訪台、メンツ潰された習近平の報復は?

ペロシ訪台、メンツ潰された習近平の報復は?
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220803-00308655

『ペロシ下院議長の訪台可能性に対して自滅行為だと豪語していた習近平は、その発言ゆえにメンツはつぶされたが、しかし複数の報復措置を準備し、結果的に台湾領空領海にジリジリとにじり寄る戦術を実行している。

◆多くの政府機関が発した抗議文

 寸前まで訪台を明らかにしなかったアメリカのペロシ下院議長は、結局のところ8月2日夜10時43分に台北の松山空港に着いた。

 すると中国の外交部、全人代常務委員会、中共中央台湾工作弁公室、政協外事委員会、国防部、外交部長、国家台湾弁公室など、数多くの政府機関が激しい抗議文を発布した。駐米中国大使館なども、その中に入っている。抗議文は非常に長いので、詳細は省く。

 注目すべきはロシア、イラン、シリア、北朝鮮、パキスタン、ニカラグァなどの政府機関も、中国政府機関と類似の抗議文を発布したことだ。

◆習近平はメンツをつぶされた

 7月30日のコラム<米中首脳電話会談――勝敗は「ペロシ下院議長の訪台」次第>に書いたように、ペロシ下院議長が訪台するかもしれないという状況の中で習近平国家主席はバイデン大統領との電話会談に応じ、その会談で「台湾問題に関する中国政府と中国人民の立場は一貫しており、中国の主権と領土の一体性を断固として守ることは、14億人以上の中国人の確固たる意志である。もし中国の民意に逆らって火遊びをすれば、大やけどを負うことになるだろう」とまで言っているのだから、それでもなおペロシは訪台したのだから、はっきり言って、「習近平の負け」である。

 習近平のメンツは丸つぶれだ。

 しかし拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』の「第三章 ウクライナ軍事侵攻は台湾武力攻撃を招くか?」で詳述したように、台湾が「中華民国政府」として「独立を宣言」することさえしなければ、習近平としては台湾を武力攻撃はしたくない。

 かと言って、こんなメンツ丸つぶれのことをされながら、抗議声明だけを発していたのでは、権威が失墜する。もちろん秋に控えている第20回党大会にも影響するだろう。

 そこで、どのような報復措置を講じているか、そのいくつかを拾って考察してみたい。

 
◆報復その1:2日夜、「スホイ35」が台湾海峡を横断

 最初に挙げられるのは、中国の戦闘機「スホイ35」が台湾海峡を横断したことだ。中国政府のメディアが一斉に報道した。ただし、台湾政府の国防部は否定している。「スホイ35」ははロシアから輸入した最新鋭の戦闘機で、2019年4月に、ロシアから中国に24機の引き渡しが完了している。

 2019年3月31日にも、二機の殲-11(J-11)が台湾海峡の中間線を超えている。

◆報復その2:中国軍機21機が台湾の防空識別圏に侵入

 2日夜、ペロシの台湾到着が伝えられる直前辺りから、中国軍機21機が台湾の防空識別圏に侵入したと、台湾の国防部が発表した。その発表によれば、

    殲-11 機 8 架次 (EIGHT J-11)

    殲-16 機 10 架次 (Ten J-16)

    空警-500 機 1 架次 (One KJ-500 AEW&C)

    運-9 通信對抗機 1 架次 (One Y-9 EW)

    運-8 電偵機 1 架次(One Y-8 ELINT)

などがある。

 中華民国空軍のウェブサイトには、詳細な画像も載っている。

◆報復その3:中国人民解放軍「東部戦区」が台湾周辺で軍事演習

 8月2日には、台湾防衛を含む「東部戦区」が、台湾北部、西南、東南の海空域で軍事訓練を始めた。台湾海峡で長距離ロケット弾を実弾射撃し、台湾東部海域ではミサイルを試射した。

◆報復その4:4日から7日まで台湾を包囲する形での実弾演習

 中国人民解放軍は2022年8月4日12時から7日12時まで、以下の6ヵ所の海域と空域で実弾軍事訓練行動を実施すると、8月2日、新華社が報道した。その間、すべての他の船舶や航空機も、この領域に侵入することを禁止するという指令である。新華社が発表した実弾軍事訓練行動領域を以下に示す。

出典:新華社

 この実弾軍事演習に関して、1996年の第三次台湾海峡危機の時の軍事演習の場所と今回軍事演習の場所を比較した人(duandang)がいる。それを以下に示す。

出典:duandangのツイート

 Duandangが示した比較図によれば、東南方向および西北方向は領海である12海里(nm=nautical mile)を超えていることが見て取れる。青色で示したのは中間線だ。

 6方向から包囲するので、海上封鎖と区域封鎖をすることになる。

 これは全ての流通を遮断することに等しいので、この報復が最も重い。

 もし、台湾の軍隊が中国人民解放軍に一発でも報復狙撃をしたとすれば、それは「戦争開始」のシグナルになるので、台湾は狙撃できない。

 となると、今回の封鎖を許せば、中国人民解放軍は、2回目の封鎖をするときにも台湾に反撃を許さないことにつながり、この封鎖状態を、何かあるごとに実現するという意味での「常態化」が実行されることになる可能性があるわけだ。

 別の表現をするなら、台湾の長期包囲網形成の予行演習をしているのに等しい。

日本が敗戦してから中華人民共和国が誕生するまでの間、国共内戦において食糧封鎖を受けた筆者としては、他人事(ひとごと)とは思えない緊迫感を覚える(食糧封鎖に関しては『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』で詳述)。

◆台湾のエネルギー備蓄量

 台湾は特にエネルギーをほぼ輸入に頼っている。たとえば天然ガスの在庫量は2週間程度なので、2週間を超える封鎖をされると、台湾全土で大規模停電に陥る危険性がある。

 具体的には、台湾のエネルギーの98%近くが輸入に頼っており、経済を動かすために使用される燃料はすべて輸入エネルギーであるため、エネルギー市場リスクの影響を大きく受ける。

 台湾は主な発電源として石炭、天然ガス、原子力エネルギーに依存しているが、石炭は台湾の発電量の45%、天然ガスは35.7%、原子力エネルギーは11.2%を占めている。

 台湾政府の沈栄津経済部長は、台湾政府は天然ガスの供給源を多様化することによって、将来的にはエネルギー貯蔵容量を2週間から21日に増やすと述べているが、長期にわたる封鎖は、台湾に致命的ダメージを与えるだろう。
◆その他、輸出入制限など

 その他、台湾からの輸出入などに制限を与える措置も発表されている。

 たとえば、大陸の商務部は台湾の建築業に必要な天然砂の輸出を禁止したことを発表しているし、税関総署は台湾からの果物や魚類の一部を輸入するのを禁止するなどという発表もある。もっとも台湾との貿易に関しては、中国はむしろ台湾の一般庶民を経済的に大陸側に引き付けることによって懐柔しようとしているので、ここには自己矛盾があり、さほど大きな効果をもたらすとは思えない。

 何よりも大きいのは「報復その4」に書いた「台湾包囲作戦」だ。

 前述の『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』に書いたように、中国共産党は長春の食糧封鎖により一気に解放戦争を成功させ、中華人民共和国を誕生させたという「成功体験」がある。

 その唯一の生き証人としては、この作戦に注目したい。

遠藤誉

中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

自由が怖い・・・歪に拡大した国家ロシアの悲劇

自由が怖い・・・歪に拡大した国家ロシアの悲劇
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29351744.html

『 我々の価値観として、自由は基本的に素晴らしく、守らないといけない概念です。自由があるからこそ、多種多様な価値観から、新しいイノベーションも生まれるし、今までに無い概念を学習し、偏った思想の矯正ができ、多くの過ちを繰り返しながらも、世の中は少しづつ良くなっていくと信じる事ができます。

しかし、自由が無条件に素晴らしいもので、絶対的な価値を持つ概念かと言えば、実はそうではありません。ロシアのように、思想という共通項で、民族や宗教と関係無く、無秩序に世界市民というククリで、広大な領土と国民を獲得した国家にとって、自由というのは、無秩序に繋がる恐ろしい概念でもあるのです。

多くの民族・宗教を内包する事は、ちょっと前までは、「多様性」という一括りの言葉で、良い事であるとされてきました。欧州の難民受け入れブームや、アメリカの人種の坩堝も、基本的には、多様性は良い事であるという価値観で起きた事です。まぁ、確かに、国内が多人種・他宗教である事は、多くのイノベーションを、もたらしましたが、今は文化の衝突から、差別や争いの元凶にもなっています。社会の安定性から見ると、多様性というのは、必ずしも手放しで歓迎して良い事ではないと、最近では気づく人が出てきています。ありがちな、理屈から入る理論家・夢想家は、相変わらず多様性を至上の社会と位置づけているようですが、人間の動物面が、そんな綺麗なものではない事は、様々な場面で表面に出てきています。

そして、共産思想という共通項で、構成されたロシアという国家は、その多様性ゆえに、秩序を保つのが、とても難しい国家になってしまいました。これは、近代においてという意味ではなく、ロシア帝国時代から、伝統的に帝国内でも、常に反乱や革命の危機に晒され続けて来たことからも判ります。その為、国家として成立し続けるには、独裁的な人物が力でねじ伏せる必要がありました。そして、それは、多くのロシア国民にとって、「道徳や秩序が不安定になるより、独裁がマシだ」という判断に繋がります。

エリツィン大統領の時代に、ロシアは自由思想・資本主義に大きく舵を切りました。しかし、ここで、手助けしましょうとばかりに欧州やアメリカから入ってきた企業は、慣れない舵取りで迷走する政権をうまく騙したり、誘導したりして、多くの冨を収奪していきました。その悪辣ぶりは、まるで死体に集る蟻のごとくです。結果として、ロシアは一回ディフォルトする事になります。

この時代は、旧ソ連時代も含めて、最も道徳が退廃し、秩序が乱れて、暴力や汚職による社会の腐敗が進んだ時期でもあります。何の権限も無い一般国民は、一方的に国家の失敗の尻拭いを押し付けられて、生活は困窮し、この時代の子供は、ロクに教育すら受けられませんでした。こういう子供は、軍に兵隊として拾ってもらうしか無いのですが、文字の読み書きができない青年が、40%近くいたとされています。

つまり、ロシアの国家も国民も、急に開放された自由を持て余して、他人から良いように操られて、甚大な被害を被ったのです。この時、外国企業と結託したロシア国内の人物は、オリガルヒという経済貴族として、現在のロシアでも王様のような豊かな生活をしています。何しろ、儲けた金額が、兆円単位なんで、使うのに困るというレベルの資産を築きました。その頃、多くの一般国民は、その日のパンを確保する為に、朝からマーケットで行列を作る状態でした。しかも、全員の分の商品が無い状態です。

それを、大統領に就任してから、5年で立て直し、外債を全額返済したのがプーチン氏です。その過程では、暗殺や謀略も行われましたし、それを知っているロシア国民も多いのですが、「自由のある無秩序より、独裁者の強権による統治のほうがマシ。少なくても、生きていく事はできる」と多くのロシア国民は考えているのです。それほど、自由が輸入されたエリツィン時代、特に地方のロシア国民は、苦渋を舐めたという事です。二度とあの時代に戻りたくないという人も大勢います。

自由が輝くのは、秩序や道徳が保たれていて、人々が自然と守る社会においてのみという但し書きが付きます。そうでない社会で自由が開放されると、拳の強い奴が暴力と恫喝で好き勝手をやる、まさに弱肉強食の世界になってしまいます。自由には責任が伴うというのは、明日の食事の心配を、今からしなくて良い安定した社会の話です。そうでなければ、他人の食事を奪ったり、複数人の食事を暴力で独占する事も、自由の名の下に許される社会になります。自分が許される限り、快適に過ごすのが、目的になるからです。

そういう歴史がある為、ロシア国民が独裁者より恐れているのは、自由なのです。今のロシアの社会体制で、自由だけ開放されると、エリツィン時代に逆戻りです。1年後に生きている自分を、想像できない社会になってしまいます。それよりも、秩序と道徳を取り戻してくれた、プーチン氏のような独裁者のほうが数百倍マシです。ロシア国民の多くは、そう考えるので、未だにプーチン大統領の支持率は、盤石なのです。』

イタリア統一運動

イタリア統一運動
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B5%B1%E4%B8%80%E9%81%8B%E5%8B%95

『イタリア統一運動(イタリアとういつうんどう、イタリア語:Risorgimento リソルジメント[1])は、19世紀(1815年 – 1871年)に起こったイタリア統一を目的とした政治的・社会的運動である。

中世以降、イタリアは小国に分裂し、各国家はオーストリア、スペイン、フランスの後ろ楯で権力争いが行われていた(イタリア戦争)。19世紀の初頭にイタリアは、他の多くの欧州諸国と同じく、ナポレオンの勢力圏に入り、諸改革が行われた[2]。ナポレオン没落後はオーストリア帝国の影響の下で旧体制が復活したが[2]、カルボナリやマッツィーニの青年イタリアを中心とした勢力により、イタリアの統一と封建制度の打倒が目指された。

1848年革命に伴う「ローマ共和国」がフランスの介入で失敗した後は、サルデーニャ王国を中心としてオーストリア・ハプスブルク君主国に対するイタリア統一戦争 (Guerre d’Indipendenza Italiane) が行われ、オーストリア支配下のロンバルディア(旧ミラノ公国)がサルデーニャ王国に併合された。

また、トスカーナ、エミリア=ロマーニャ、ウンブリアなど中部イタリアは住民投票によってサルデーニャ王国へ併合されることが決められた[2]。この時の各勢力の旗には、現在のイタリア国旗である、緑白赤の三色旗を基本としたものが用いられた。

その後ジュゼッペ・ガリバルディは、私設軍隊である千人隊を率いてシチリア島に上陸し、最終的には南イタリアの両シチリア王国を征服した。彼はこの功績により国民的英雄とされた[3]。

1861年にはイタリア王国が建国され、統一は一応の完成を見る。1866年には普墺戦争に乗じてヴェネツィア、1870年には普仏戦争に乗じてローマなどの教皇領の残りを併合して半島の統一は終了するが、イタリア人(イタリア系の文化を持つ者)が住む土地全てを統一の対象としたこの運動において、未回収地の併合はその後も政治課題として残った(イレデンタ回収主義[4])。

最終的に未回収のイタリアがイタリア王国に統合されるのは、第一次世界大戦におけるイタリアの戦勝の後であった。 』

 ※ 中略。

『背景

1796年のイタリア
サルデーニャ王国
ジェノヴァ共和国
トレント司教領
ヴェネツィア共和国
パルマ公国
モデナ公国
ルッカ共和国
トスカーナ大公国
教皇国家
ナポリ=シチリア王国

1810年のイタリア
フランス帝国領および衛星国
フランス帝国直轄地
イタリア王国
ルッカ・エ・ピオンビーノ公国
ナポリ王国
フランス帝国勢力外
サルデーニャ王国
シチリア王国
中世以降のイタリア
「イタリア戦争」も参照

5世紀の西ローマ帝国の滅亡以来、イタリアとよばれた地域、つまりイタリア半島と、その付け根のアルプス以南の大陸部分と、サルデーニャやシチリアなどの島々は、ゲルマン人や東ローマ帝国、イスラム勢力などの外来勢力に分割され、統治されてきた。

11世紀から13世紀にかけて、イタリアでは次第に都市国家(英語版)が発達するようになった[9]。この体制はルネサンス時代に絶頂に至るが、16世紀後半から17世紀にイタリアは深刻な経済的・社会的衰退に陥り始めた[10]。教皇国家を含むイタリア諸国は列強国(とりわけハプスブルク家の神聖ローマ帝国・スペインとヴァロワ家/ブルボン家のフランス)の代理戦争の場と化した。

18世紀に入るとフランス、ドイツ、イギリスで啓蒙思想が高まり[11]、ピエモンテ公国をはじめとするイタリア諸国でも啓蒙主義改革が行われ、特にトスカーナ大公国ではヨーロッパで最も先進的な改革が実施されている[12]。

18世紀末時点のイタリアにはサルデーニャ王国、ジェノヴァ共和国、トレント司教領(英語版)、パルマ公国、モデナ公国、ヴェネツィア共和国、トスカーナ大公国、ルッカ共和国(英語版)、サンマリノ共和国、教皇国家そしてナポリ=シチリア王国が分立しており、旧ミラノ公国など一部はハプスブルク君主国の支配下にあった。

ナポレオン体制

「フランス革命戦争」および「ナポレオン戦争」も参照

1789年のフランス革命の勃発はイタリアの知識層にも影響を与え革命運動を活発化させ、革命家たちは「ジャコビーノ」(ジャコバン主義者)や「パトリオット」(愛国者)と呼ばれた[2][13]。二度に渡ってイタリアに侵攻したナポレオンはオーストリア軍およびイタリア諸国軍を破って半島部を征服し、ピエモンテ、トスカーナ、ローマをフランスに併合した。また、北東部から中部にはイタリア王国を建国させ養子のウジェーヌ・ド・ボアルネを副王に任命し、南部のナポリ王国には親族(兄のジョゼフ・ボナパルト、次いで妹婿のジョアシャン・ミュラ)を国王となし、フランス帝国の衛星国とした。

ナポレオン覇権下のイタリアでは旧体制(アンシャン・レジーム)を撤廃すべく、行政・税制諸改革が行われ、ナポレオン法典が導入された[14][15]。この経験から、イタリア知識層の中に統一意識が芽生えるようになる[2]。その一方で、ブルジョワ層が目指す社会改革は、農民をはじめとする大衆の利益には必ずしもつながらず、強い抵抗を引き起こしている[2][16]。

1813年から1814年のナポレオン体制の崩壊とともに、それまでナショナリズム感情を利用して王位を維持していたフランスの衛星国家では反政府蜂起が引き起こされた[17]。1814年にナポリ王のジョアシャン・ミュラ(ジョアッキーノ1世)はナポレオンを見限ってオーストリアと同盟し、イタリア副王ウジェーヌ・ド・ボアルネと敵対した[18]。ナポレオンが退位するとウジェーヌは領土をオーストリアに引き渡し、イタリア王国は崩壊した[19]。

翌1815年に百日天下でナポレオンが復位するとミュラはナポレオンの側についてオーストリアに宣戦布告し、イタリアの自由主義者たちに外国勢力を駆逐してイタリア統一を成し遂げようと呼びかけたが、応じる者は少なく敗北して処刑されている[20][21]。

ウィーン体制

ウィーン会議

ジャン=バティスト・イザベイ画。1815年

ナポレオンの敗北後にオーストリアで開催されたウィーン会議(1814-1815年)では欧州大陸の再編が話し合われた。イタリアについてはナポレオン以前の諸国が再建され[nb 1]、列強国(特にオーストリア)の直接または間接的支配下に置かれた[22]。

ウィーン体制下のイタリアではオーストリア帝国に属する北東イタリアのロンバルド=ヴェネト王国、北西部のピエモンテとサルデーニャ島を支配するサヴォイア家のサルデーニャ王国、中部イタリアには教皇国家、トスカーナ大公国、モデナ公国、パルマ公国、マッサ・カッラーラ公国(英語版)(1829年にモデナ公国に併合)、ルッカ公国(1847年にトスカーナ大公国に併合)、サンマリノ共和国そして南イタリアにはブルボン家の両シチリア王国が成立した[23]。1859年までこの枠組みに大きな変更はなかった。(冒頭地図参照)

これらの復古政府はナポレオン体制下での行政や法制度を概ね引き継いでいたが、サルデーニャ王国やモデナ公国では反動的な政策が取られた[24]。

この当時、イタリア統一に向けての闘争は主に北イタリアを支配していたために最も強大な障害となっていた、ハプスブルク家のオーストリア帝国に対するものである。

オーストリア帝国は、帝国の他の領域に対するのと同様に、イタリア半島において発達しつつあったナショナリズムを弾圧した[25]。

ウィーン会議を主宰したオーストリア宰相クレメンス・メッテルニヒは「イタリアという言葉は地理上の表現以上のものではない」と言明している [26]。』

 ※ その他は、省略。

ロシアの格好の餌食となるイタリアの政権崩壊

ロシアの格好の餌食となるイタリアの政権崩壊
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27446

『イタリアのドラギ政権が崩壊した。7月14日、食料・エネルギー価格の高騰とインフレに対処するための260億ユーロの支援パッケージについて上院で投票が行われたが(下院では可決済み)、連立の一角を占める「五つ星運動」がこの投票をボイコットした――パッケージ自体は議席数321のうち172の賛成票を得て可決された。ドラギは、同日、この政権を継続する条件はもはや存在しないとして辞意を表明し、政治危機が再燃することとなった。
seungyeon kim/Stock/Getty Images Plus

 マッタレッラ大統領の意向を受けて、ドラギは7月20日に議会で演説し、政権継続の可能性を探り信任投票が行われたものの、「五つ星運動」、極右「同盟」、中道右派「フォルツァ・イタリア」が棄権し、結局、信任されなかった。連立政権の崩壊を受け、マッタレッラ大統領は議会を解散、9月に総選挙が行われることとなった。

 ウクライナ戦争、ロシアによるガス供給停止の脅威、インフレ、コロナウイルス、あるいは政治危機を反映した国債利回りの上昇という緊迫した状況にあるので、政治空白の期間における混乱は避けられないであろう。来年度の予算編成あるいはEUの復興基金から次のディスバースを得るために必要な改革にも支障が生ずるかも知れない。

 今回の政治危機の引き金を引いた「五つ星運動」は2018年3月の総選挙で最大政党として登場したが、当時の支持率33%は今や13%程度にまで低下している。18年以来4年間、政権の一角に常に位置して来たが、その間に貧困解消と格差是正を旗印とする反エスタブリッシュメントの勢いを削がれ、内部の路線対立もあって多くの離党者を出し、党勢の衰えから来る混迷の状態にある。

 去る6月21日には、外相のディ・マイオ(五つ星運動)がドラギのウクライナ支持政策に反対する党首のジュゼッペ・コンテ――彼はウクライナに対する武器支援は戦争を長引かせるだけだとも主張している――は無責任で未熟であると非難して、約60人とともに党を離脱し新党(未来に向けてともに)を結成するに至った――もっとも、ディ・マイオの行動が単純に外交政策に起因するとは言い切れず、沈む船から早きに及んで逃げ出したい心理も働いたであろう。』

『なお、政治専門誌Politicoが報ずる7月9日時点の主要政党の支持率は次の通りである。イタリアの同胞:23%、民主党:22%、同盟:15%、五つ星運動:11%、フォルツァ・イタリア:8%。

厭戦を党利党略に

 懸念すべきことの一つは、五つ星運動の党首ジュゼッペ・コンテは市民のウクライナ疲れを焚きつけることをして党勢の挽回を図ろうとしているように見えることである。ウクライナ戦争に起因する悪影響が加わって市民生活を圧迫し、国内問題に転化するに至り、呉越同舟の連立内部の動揺を誘っているが、コンテはドラギが市民生活を守るために十分なことをしていないとして諸々の要求をドラギに突きつけて来た経緯がある。

 欧州に対するガス供給の停止を仄めかすロシアの狙いは、市民生活を圧迫し、市民のウクライナ疲れと厭戦気分を醸成し、更には欧州の分断を図ることにあると考えられるが、イタリアは殊に脆弱な状況にある。政治状況は既に十分脆弱であるが、市民生活の圧迫を党利党略に利用する政党があれば、状況は更に悪化するであろう。

 ドラギが退陣に追い込まれ、総選挙が行われるに至った状況では、イタリアはロシアの工作の格好の対象となろう。本来は政治家ではなくフィレンツェ大学の無名の教授であったコンテ(彼は18年に五つ星運動と同盟の連立政権の首相に請われて就任以来、ドラギ政権誕生まで首相を務めた)が何故にこのような行動に出ているのか理解出来ないが、無責任の誹りを免れないであろう。』

アルカイダ指導者の殺害、なぜこれほど正確だったのか 巻き添えなし

アルカイダ指導者の殺害、なぜこれほど正確だったのか 巻き添えなし
BBC News
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27501

『武装勢力アルカイダの指導者アイマン・アルザワヒリ容疑者(71)が7月31日、アフガニスタンの首都カブールで、アメリカのミサイル攻撃で殺害された。巻き添えの死者はなかった。正確な攻撃は、なぜ可能だったのか。

現地時間の午前6時18分、2発のミサイルがバルコニーを直撃した。アルザワヒリ容疑者は死亡したが、建物の中にいた妻と娘は無傷だった。

アメリカはこれまで、こうした攻撃で民間人を巻き添えにして死亡させ、批判されてきた。

しかし今回は、特殊なミサイルを使い、標的の習慣を綿密に調べることで、正確な攻撃を実現させた。今後も続く可能性がある。

レーザーで精度高める

今回の攻撃でかぎを握ったのは、使用されたミサイルの種類だ。米当局は、ドローンから「ヘルファイア」を発射したと明らかにした。2001年の同時多発攻撃以来、アメリカが国外での対テロ作戦で多用している空対地ミサイルだ。

ヘルファイアの特徴は精度だ。

ミサイルがドローンから発射されると、遠く離れた米大陸にいるオペレーターが、ドローンが撮影し、衛星を介して提供されるライブ映像を見ながら操作する。

オペレーターは標的を「ロック状態」にし、レーザーを照射。ミサイルはそのレーザーの軌道をたどり、標的に命中する。

標的殺害の専門家で、米シラキュース大学安全保障政策・法律研究所の創設者であるウィリアム・バンクス教授は、「今回の事案では、彼(アルザワヒリ容疑者)だけを攻撃し、他の人を傷つけない場所と時間を見つけるため、かなり慎重を期して熟慮したと思われる」と話した。

アルザワヒリ容疑者への攻撃では、ヘルファイアのあまり知られていないバージョン、「R9X」が使われたとの見方も出ている。ただ、確認はされていない。R9Xには6枚の刃があり、その運動エネルギーで標的を切り裂く。

R9Xヘルファイアは、2017年にシリアでアルカイダの指導者が殺害された時に使われたとされる。攻撃後に撮影された写真では、車の屋根に穴が開き、乗っていた人たちが細切れになっていたが、爆発の跡や、車がそれ以上破壊された形跡はなかった。

「バルコニー習慣」をつかむ

アルザワヒリ容疑者を攻撃後、米政府高官は、容疑者の自宅での「生活パターン」に関する情報を十分に得ていたと述べた。例えば、バルコニーに出る習慣があるなどだったという。

これは、アメリカのスパイが長期間、彼の自宅を監視していたことを示している。

元CIA幹部のマーク・ポリメロプロス氏は、「標的がほぼ確実に目的の人物でなくてはならないし、実行するには民間人の巻き添えを出さない環境でなくてはならない」、「それには忍耐が必要だ」とBBCに話した。

だが、アメリカのこの種の作戦は、いつも計画通りに行くわけではない。

昨年8月29日、カブール空港の北側で、自動車に対するドローン攻撃があった。イスラム国グループの支部が標的だったが、罪のない10人が死亡した。米国防総省は「悲劇的な誤り」があったと認めた。

今後も続くのか

アメリカのドローン攻撃を調査してきた米シンクタンク「民主主義防衛財団」のビル・ロジオ上級フェローは、同様の攻撃が再び、アルカイダの標的に対してアフガニスタンで行われても「驚かないだろう」とし、こう述べた。

「標的が不足することはない」、「(アルカイダの)次のリーダーとなりうる人物は、まだアフガニスタンにはいないとしても、移動中の可能性が非常に高い」。

「問題は、アメリカが楽に実行する能力をまだもっているか、それとも難しい作業になるかだ」

(英語記事 Was al-Qaeda leader killed by bladed missile?)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-62417868 』

ジョンソンの〝遺産〟Brexitの今後が政治の焦点

ジョンソンの〝遺産〟Brexitの今後が政治の焦点
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27445

『7月7日、英国のジョンソン首相はついに保守党党首を辞任した。ただし、次期党首が選出されるまで、首相としては暫定的にとどまる。
Panorama Images/iStock/ Getty Images Plus

 ジョンソンが首相に選出される前、英国のフィナンシャル・タイムズ紙やEconomist誌は彼が首相の資質を欠くことを散々書いた。Economist誌は、保守党は窮地に陥ると異端者に賭けるという大博打を打って来たが、ジョンソンは危険な賭けである――リスクがこれほど高く、上手くいく可能性がこれほど低いことは近年なかった――と警告した。不幸にして不安は的中した。

 ジョンソンの転落の原因は彼の政治に対する誠実さ・真剣さの欠如にある。奇矯な行動、奔放なルール破り、嘘と誤魔化し、国際約束の軽視がそれである。

 7月5日、スナク(財務相)とジャビド(保健相)が相次いで辞任してダムが決壊した。その後に閣僚や政府高官の辞任が奔流となるに至ったが、彼には適材をもって空席閣僚ポストを埋める術がなく、実際上、政権維持の道を断たれることとなった。

 7月7日のジョンソンの辞任演説に悪びれたところは微塵もなく、彼は「過去数日間、政府を交替せしめることは常軌を逸している(eccentric)と同僚の説得を試みた」「しかし、群れ(herd)は強力で動く時には動く」「政治においては誰しもおよそ必要不可欠ということはないのだ」と述べたが、彼の怒りの表現のようである。他方、フランスの財務相ル・メールは「彼を惜しむことはないだろう」と述べたが、欧州連合(EU)全体の感情を代弁するものであろう。

 ジョンソンの遺産の最大のものはBrexitである――彼にBrexitが国益だとの確信があったかは疑問であるが。予見し得る将来、EUへの復帰が議論になることはない――7月4日の講演で労働党党首キア・スターマーは労働党政権において「英国はEUに戻ることはしない」と述べ、Brexitを機能させる提案(Make Brexit Work)を行った。』

『フィナンシャル・タイムズ紙のロバート・シュリムズリーによる7月7日付け論説‘Boris Johnson goes, but what comes next?’は、党首選挙の候補者の間にBrexitに関して政策に大きな差はないと予測しているが、Brexitに伴う混乱(特に、北アイルランド議定書の問題)を収拾することは優先度の高い課題と言うべきであろう。
後継首相候補らが進めようとするものは?

 もう一つの大きな遺産は、Brexitを最終的に確かなものにした2019年12月の下院選挙における保守党の地滑り的勝利である。「Brexitを片付ける(Get Brexit Done)」というスローガンが政治の膠着に飽きた有権者に浸透した。

 ウェールズからイングランド北東部に跨る労働党の牙城に切り込む戦略が功を奏した。この遺産を継承し、この地域の議席(red wall seats)を繋ぎ止めるためには地域の底上げの公約を実現する必要があるが、それに要する高水準の財政支出が保守党本来の減税と抑制された歳出の方針と衝突することはこの論説に説明がある。いずれにせよ、有権者の関心は生活費にあり、党首選挙の焦点は経済・財政政策になるようである。

 候補者は乱立気味であったが、7月21日には保守党議員による投票で、スナク前財務相とトラス外相の2人に候補が絞り込まれた。スナクは財政規律を重視し、トラスは外交的にタカ派である(ウクライナ戦争に積極的でありかなりの対中強硬派でもある)。

 党員投票を経て、9月5日に議会が再開される前に後継首相が決まる予定である。世論調査等では、今のところ保守党員の支持はトラスに大きく傾いているようだ。』

「必ず、散々な目に遭う」中国・王毅外相が非難

「必ず、散々な目に遭う」中国・王毅外相が非難 ペロシ下院議長の台湾訪問
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/113942?display=1

『2日夜、台湾に到着したアメリカのペロシ下院議長。3日午前に行われた台湾の蔡英文総統との会談は、カメラにむかってそろって手を振るなど、和やかな雰囲気で始まりました。

蔡総統はペロシ議長に勲章を授与し、スピーチで歓迎の意を表明。

台湾・蔡英文総統

「ペロシ議長の訪問を歓迎します。台湾の民主的発展と国際参加に対する長年の支援に深く心から感謝します」

ペロシ下院議長は…

米・ペロシ下院議長
「アメリカは台湾への関与を放棄するつもりはない。変わらぬ友好関係に誇りをもっている」

「台湾と世界中で民主主義を守るというアメリカの決意は揺るぎない」と強調し、台湾を支持する立場を鮮明にしました。

25年ぶりとなるアメリカの現職下院議長の台湾訪問。中国がけん制する中、訪問が実現したことに中国のSNSには、こんなコメントが。

中国のSNS
「中国は笑いものだ」
「この世界は、やはりアメリカが決める」

中国政府は激しく反発しています。中国人民解放軍は2日夜、台湾周辺で軍事行動を開始したと発表。

王毅外相は…

中国・王毅外相
「必ず、さんざんな目に遭う」

アメリカの現職下院議長として、25年ぶりに台湾を訪問しているペロシ氏。台湾の蔡英文総統との会談後、共同会見に臨みました。

米・ペロシ下院議長

「アメリカは台湾が常に自由で安全であることを望んでいます。その両方から手を引くことはありません」

ペロシ議長は「『1つの中国』政策を尊重しつつ、台湾と自由を守るため、我々の連帯はこれまで以上に重要だ」として、台湾との連携を深めていく考えを強調。一方で、「アメリカは現状維持を支持している。武力によって台湾に何かが起きることは望んでいない」とも話しました。

こうした中、台湾国防部は、防空識別圏に2日、中国軍機がのべ21機進入したと発表。

中国は反発を強めていて、国営の中央テレビによりますと、中国外務省は2日深夜、中国に駐在するアメリカ大使を呼び強く抗議しました。新華社通信は、中国軍が4日から7日にかけて台湾を包囲するエリアで、実弾射撃を伴う「重要軍事演習」を実施すると伝えています。

さらに王毅外相は3日、改めて強い言葉で非難しました。

中国・王毅外相
「アメリカはいわゆる『民主主義』を口実に、中国の主権を侵害する行為を行っている。火遊びする者に決して良い結末はなく、我が中華を犯すものは必ず罰せられる」

こうした動きに、アメリカ政府の高官は…

米・ホワイトハウス カービー戦略広報調整官
「ペロシ下院議長には台湾を訪問する権利があります」

こう述べたうえで、「中国が台湾海峡などで軍事行動を強める口実にはならない」として、中国をけん制しています。

ロイター通信によりますとアメリカ海軍は、2日、台湾の東側のフィリピン海に空母「ロナルド・レーガン」を含む艦艇4隻を配備していることを明らかに。アメリカ海軍は「通常の」配備と説明していますが、台湾をめぐり緊張が高まっています。』

ペロシ氏訪台後、沈黙の習近平氏 「今後党内の圧力に直面」

ペロシ氏訪台後、沈黙の習近平氏 「今後党内の圧力に直面」
https://www.epochtimes.jp/2022/08/112981.html

『ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問をめぐり、習近平国家主席は公の場でコメントをまだ述べていない。習近平指導部は現在、引退した長老らと河北省のリゾート地、北戴河に集まり、非公式会議に参加しているとみられる。

中国政府系メディアなどが公表する最高指導部の動静情報は、習近平氏を含む共産党中央政治局常務委員7人が7月31日、国防部(省)主催の中国軍建軍95周年記念行事に出席したことにとどまっている。8月1日と2日の動静は伝えられていない。』

中国、日中外相会談見送り 台湾巡るG7声明に不快感

中国、日中外相会談見送り 台湾巡るG7声明に不快感
https://www.epochtimes.jp/2022/08/113063.html

『[北京 4日 ロイター] – 中国外務省は4日、カンボジアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)会合にあわせた王毅外相と林芳正外相の会談を見送ることを確認した。

報道官は定例会見で、台湾海峡情勢を巡る主要7カ国(G7)の声明に強い不快感を表明した。

G7の外相は3日、中国に台湾海峡周辺の緊張を平和的に解決するよう呼びかける声明を発表した。』

「統一後、台湾人を再教育する」在仏中国大使の発言が物議

「統一後、台湾人を再教育する」在仏中国大使の発言が物議
https://www.epochtimes.jp/2022/08/113015.html

『中国の盧沙野・駐フランス大使は3日、仏メディア「BFMTV」の番組に出演した際、米国のペロシ下院議長の台湾訪問を強く批判し、台湾を統一すれば「台湾人を愛国者に変えるための再教育を行う」と発言した。

盧大使はペロシ氏の台湾訪問は「役に立たない挑発だ」と非難した。(※ 無料は、ここまで。)』

アフガンからのIS組織排除を進めるタリバン

アフガンからのIS組織排除を進めるタリバン
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5361352.html

『過去の記事:公開処刑を始めたタリバンとアルカイダ>

米軍がザワヒリ殺害 に追記したが、最近米軍がアフガンに潜伏していたアルカイダの現指導者アイマン・ザワヒリAyman al-Zawahiri容疑者(71)をドローン(無人機)攻撃で殺害し、タリバンは米国を非難している。

過去にそのアルカイダから離脱し誕生したのがイスラム国ISで、ISとアルカイダは激しい対立関係にあり、結果、アフガンのISの地元組織「ISKP、IS-K(イスラム国ホラサン州)」とアルカイダと主従関係のタリバンもIS-Kとは対立関係にある。

記録映像:Old Habits Die Hard – Taliban Uses IED to Clear Out IS-K Position は、タリバンの戦闘員が、黄色い色をした手製の即席爆発装置を利用して、アフガンの首都カブールのカルテ・サヒKarte Sakhi地区(近11-1449850977-kabulくにカブール大学がある 左黄色円付近)のIS-Kのアジトを建物ごと爆破している様子をとらえている。

この動画は、2022年8月3日に撮影され、Twitterに公開されたもので、タリバン軍の「プロの兵士」が、カブールのビルに立てこもるIS-Kの戦闘員に対する作戦を完遂しているところ。、、

彼らはただのタリバンの戦闘員であり、文字も読めないし、戦闘活動のやり方に関する正式な訓練も受けていない可能性が高い。

都市部での軍事作戦で彼らは、民間人の死傷など心配する必要もなく攻撃、破壊していると映像は解説している。この映像から、IS-K(イスラム国ホラサン州)が、タリバンが支配するアフガンの首都カブールの中心まで侵入している事が分かる。』