米国、台湾支援へ超党派新法 「政治の季節」強硬に傾く

米国、台湾支援へ超党派新法 「政治の季節」強硬に傾く
台湾を「国」に近い扱いに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01CMV0R00C22A8000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米政権は台湾支援を強める方針だ。米議会は超党派で作成した新法の審議を近く始める。台湾を「国」に近い扱いにして、軍事支援を強める内容を含む。11月に中間選挙を控える「政治の季節」で対中政策は強硬へ傾きやすい。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2日の記者会見で「一つの中国」政策について「変更はない」と強調した。バイデン大統領はペロシ氏の訪台に「米軍はいい考えだと思っていない」と指摘したことがある。

歴代政権の台湾政策を維持すると繰り返し、中国との決定的な対立は避けたい本音がのぞく。

それでも内政事情を考えれば台湾寄りの姿勢を示すしか選択肢はない。

野党・共和党の上院議員26人は2日、ペロシ氏の訪台を支持する共同声明を発表した。中間選挙の結果にかかわらず台湾問題で中国に厳しい態度で臨む姿勢を明確にしたものだ。
米議会上院が近く審議を始める「台湾政策法案」は民主党と共和党の重鎮がまとめた。台湾の武器購入や軍事演習へ4年間で45億ドル規模を支援すると定める。

台湾を「主要な非北大西洋条約機構(NATO)同盟国」に指定し、防衛装備品の共同研究・開発などを可能にする。指定済みの日本や韓国と異なるのは台湾防衛に関与するとは明確にしていない点くらいだ。

台湾関係法の修正も盛る。現在は台湾の防衛に必要な武器供与を認めるが、新たに「中国人民解放軍による侵略行為を抑止するのに役立つ武器」の提供も可能にするとの文言を加える。

同法は中国と国交を結んだ際、断交した台湾への支援継続を目的に制定した。台湾有事の際に米国がどう対応するか明確にしない「あいまい戦略」の源流だ。法案が成立すれば、米国の台湾政策にとって転換点になり得る。

中国の国内総生産(GDP)は伸び率が落ちているとはいえ、2030年前後には米国の名目GDPを抜くとの見方がある。軍事費は過去30年で40倍以上に増やし、米軍が中国周辺に接近しにくい状況になりつつある。

国力で肩を並べられるという焦りもまた米国の対中政策に反映される。』