ペロシ氏、世界の指導者に台湾訪問促す 「中国阻めず」

ペロシ氏、世界の指導者に台湾訪問促す 「中国阻めず」
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『【ワシントン=坂口幸裕】ペロシ米下院議長は3日、台湾訪問を終えた後に声明を発表した。中国が台湾の国際会議への参加を阻んでいると批判したうえで「世界のリーダーが訪台して台湾の民主主義に敬意を示し、協力関係を継続するのを確かめることは妨げられない」と指摘した。各国の指導者に訪台を促す狙いがあるとみられる。

声明では台湾が中国の反対で世界保健機関(WHO)に出席できなくなったと非難した。台湾は2009~16年までオブザーバーとしてWHOの年次総会に参加していたが、中国と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を認めない蔡英文(ツァイ・インウェン)政権の誕生を受けて中国が反発。参加が認められなくなった。

ペロシ氏は2~3日に訪台し、3日には台湾の蔡総統らと会談。蔡氏に「米国は揺るぎない決意で台湾と世界の民主主義を守る」と語った。蔡氏は「自衛力を高め、台湾海峡の平和と安定に努力する」と述べた。

3日の声明では「世界で最も自由で開かれた民主主義を築いた台湾への支持を表明するために訪れた」と強調した。「米議会代表団の訪問は米国が台湾とともにあることを強く示すものだ」と記した。

今回の狙いについては「安全保障、繁栄、統治に焦点を当てたインド太平洋地域への訪問の一環で、台湾はこの点で世界のリーダーだ」と主張。「我々がこの地域と世界で権威主義に対抗する民主主義を守る支援を続けるためには、米国と台湾の人たちとの連帯がこれまで以上に重要になっている」と訴えた。

米下院議長の訪台は1997年のギングリッチ氏以来、25年ぶり。米下院議長は大統領の継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、米国として台湾支援を継続する姿勢を明確にした。

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米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は3日の記者会見で「長年の台湾政策を変えるものではない」と述べ、歴代米政権が踏襲してきた「一つの中国」政策を維持する意向を改めて示した。中国の反発に関し「危機を招いたり台湾海峡や周辺での軍事活動を強化したりする口実にする理由はない」と話した。

ペロシ氏は3日夜、次の訪問先である韓国に到着した。5日には岸田文雄首相と都内で会談する調整に入った。ペロシ氏から台湾訪問の報告を受け、台湾海峡の平和と安定の重要性などについて意見交換する見通しだ。』