ウクライナ軍、南部で攻勢 ゼレンスキー大統領「ロシア優位まだ崩せず」

ウクライナ軍、南部で攻勢 ゼレンスキー大統領「ロシア優位まだ崩せず」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022080300925&g=int

『【リビウ(ウクライナ)時事】ウクライナ軍が南部で攻勢を強めている。ロシアが占領するヘルソン州の高官は2日、これまでに53カ所の集落を奪還したと明らかにした。米国が供与する高機動ロケット砲システム(HIMARS)が威力を発揮しているもようだ。ただ、ゼレンスキー大統領はビデオ演説で「大砲や人員の面でロシア軍の優位を完全に崩すことはできていない」と語り、引き締めを図った。

ドネツク州から強制避難開始 南部で53集落奪還―ウクライナ

 英国防省の3日の戦況報告によると、ウクライナ軍がヘルソン州で、ロシア軍の弾薬を載せた列車を攻撃したため、ヘルソンとクリミア半島を結ぶ鉄道が稼働していない可能性が高い。同省は「ロシア軍は数日で線路を修復できるとみられるが、クリミア半島からヘルソンへの補給路は攻撃を受けやすい状態のままだろう」と指摘した。

 また、激戦地の東部ドネツク州では、ゼレンスキー大統領が先月末に発表した住民の強制避難が2日、始まった。130人以上が列車で中部クロピブニツキーに到着。ウクライナ政府は冬が到来する前に避難を完了したい考えだ。

 ロシア軍の攻撃はウクライナ南部や東部に集中している。だが、西部リビウ州の軍事施設にも2日夜、巡航ミサイルが着弾。対空ミサイルシステムが破壊されたものの、負傷者はいなかったという。

 一方、米財務省は2日、対ロ追加制裁を発表。ロシアのプーチン大統領と愛人関係にあるとされる五輪金メダリストの同国元新体操選手アリーナ・カバエワ氏らを対象に指定した。 』