イエメン内戦、きょう停戦合意期限 国連は再延長を模索

イエメン内戦、きょう停戦合意期限 国連は再延長を模索
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『【ドバイ=福冨隼太郎】中東イエメンの内戦で、サウジアラビアが率いるアラブ有志連合とイスラム教シーア派武装勢力フーシ派による停戦が2日で4カ月の期限を迎える。両者を仲介する国連は停戦合意のさらなる延長を模索する。

国連が7月21日に発表した停戦に関する声明で、ハンス・グランドバーグ担当特使は「停戦が完全に実施され、更新され、強化されることを望む」とした。ロイター通信などは7月中旬、国連が有志連合とフーシ派の双方に6カ月間の停戦延長に合意するよう働きかけていると報じた。

両勢力は4月に2カ月間の最初の停戦合意を結び、6月にさらに2カ月間延長で合意した。6カ月間の停戦延長が実現すれば、2015年に内戦が始まってから和平に向けた最大の前進となる。

停戦合意の発効後、フーシ派の支配下にあるイエメンの首都サヌアの空港からヨルダンの首都アンマンなどへの航空便が再開した。西部ホデイダでも合意に基づいて燃料運搬船の入港が始まった。国連によると合意が発効した4月2日から7月21日までに26隻が入港した。

サウジ側は長期化した内戦から手を引きたい意向とされる。停戦前にはフーシ派によるとみられるサウジの石油施設などへの越境攻撃が相次いだ。攻撃は石油の安定供給への打撃となりかねない。7月中旬にバイデン米大統領がサウジを訪問した際、バイデン氏とサウジのムハンマド皇太子はイエメン問題の外交解決で一致した。

しかし停戦が本格的な和平につながるかは不透明だ。フーシ派の時間稼ぎとの見方もある。米中東研究所のジェラルド・ファイアスタイン氏は「フーシ派が停戦で内戦終結の道筋をつけようとしたのか、兵力の再編成の時間を得ようとしたのか、大きな疑問だ」と指摘。「4カ月間の停戦は全体として成功だったといえるが状況は安定していない。国連は内戦終結へのプロセスを立ち上げられていない」と話す。

アラブメディアは7月下旬に南西部タイズでフーシ派による攻撃があったと報じた。国連によると攻撃で少年1人が死亡し、10歳未満の子ども11人が負傷した。フーシ派はタイズへ通じる道路も封鎖しており、サウジが支援する暫定政権側は批判を強めている。

イエメン内戦は15年、フーシ派によるクーデターで逃亡した当時のハディ暫定大統領をサウジが支援、軍事介入したことで本格化した。サウジと対立するイランはフーシ派の後ろ盾となっており、内戦はサウジ、イラン両国による代理戦争の様相を呈した。内戦は7年以上に及び、37万人以上が犠牲になったとされる。』