英党首選序盤、トラス外相やや優勢 国防相も支持へ

英党首選序盤、トラス外相やや優勢 国防相も支持へ
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『【リーズ(英中部)=中島裕介】辞意を表明したジョンソン英首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、党主催の討論会が28日から始まった。決選投票に残ったトラス外相、スナク前財務相の2候補は8月末までに英各地12カ所の討論会に出席し、支持を訴える。序盤は人気が高いウォレス国防相の支持を得たトラス氏がやや優勢となっている。

党首選は英各地の16万人超の党員による郵便やオンラインでの投票が行われ、9月5日に新党首が発表される。初回の28日の討論会は英中部リーズで開かれた。2候補が別々に登壇して司会者や聴衆の質問に答えた。

トラス氏は演説の冒頭で「世界的な経済危機とウクライナでの戦争が同時に起き、いつも通りの政権運営はできない」と訴えた。首相に就任すれば国民保険料の引き下げや減税に着手し、経済成長につなげると力説した。ウクライナ支援について「プーチン大統領のロシアの侵攻が失敗に終わるまで(続ける)」との意向も示した。

決選投票の序盤となる現段階では、トラス外相がやや優位に立っている。英調査会社ユーガブが20~21日に保守党員に聞いた調査ではトラス氏支持が62%でスナク氏支持の38%を上回った。
英保守党の党首選を戦うスナク前財務相(28日、英中部リーズ)

20日まで続いた候補者を絞るための保守党議員による投票ではスナク氏が首位だった。だがスナク氏夫妻が国内で「富豪」と見られている点や、財務相を辞任してジョンソン政権崩壊の引き金を引いた点が逆風になっている。「どちらが庶民の気持ちを理解しそうか」を聞いた25~26日の世論調査では、トラス氏に大きく後れをとった。

さらに28日にはウォレス国防相がトラス氏支持を表明した。ウォレス氏はジョンソン氏が辞意を表明した時期の保守党員への世論調査で、次期首相への期待が最も高かった閣僚だ。

劣勢にあるスナク氏だが、今後の言動次第で支持率の逆転もあり得る。スナク氏は新たな政策や外交方針を示して巻き返しを図る。

28日の討論会では、物価対策としての減税に慎重だった姿勢を修正し、エネルギーへの付加価値税を引き下げる方針を表明した。「減税は一時的なもの」と述べ、財政規律を守る従来の方針は維持するとも訴えた。

25日には中国政府が中国語教育を手掛ける英国内の孔子学院について「閉鎖する」とも表明した。英政界でスナク氏は中国に融和的とみられており、その払拭を図る狙いがありそうだ。

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