具体的な動きが出てきたロシア分割論 : 机上空間

具体的な動きが出てきたロシア分割論 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29303919.html

『ロシアを少数民族単位で分割して、34の国家に割るという要望を提案する「ロシア自由国家フォーラム」が開催されました。フォーラムですから、具体的に要望を通す後ろ盾があるわけでもなく、単に各民族の代表者が集会を開いて、一つの案を提唱したというだけですが、いよいよロシア分割案というものが、現在ロシアに含まれている地域からも、持ち上がってきました。

この背景には、ロシアが提唱する共産主義の理想に反して、実はスラブ民族が一級市民扱いされる一方で、領土内の他民族が差別されている現実があります。もともと、共産主義は思想で繋がった市民の連携が建前なので、宗教・民族による差別が無く、世界市民というくくりで平等に国民が暮らす国家を提唱しています。

しかし、現実は、酷いもので、今回の戦争で先鋭化しましたが、最前線に送り込んで突撃させるのは、地方から招集してきたスラブ民族以外の他民族です。実際、戦争中でも、モスクワに住んでいる市民は、普段と変わりなく生活し、撤退したマクドナルドのハンバーガー店では、事業を引き継いだロシア企業が売っているマックモドキを、普通に談笑しながら、頬張っています。戦時下で、スローガンやプロバガンダは増えましたが、物価が上昇して、物不足が進んだ以外、戦争を感じさせる雰囲気は皆無です。

しかし、戦果を出す為に、ろくな装備を与えられず、毎日のように突撃をやらされているロシア軍の他民族部隊は、多くの戦死者を出しています。ロシア国内で、戦争が余り問題にならないのは、死んでいるのが、スラブ人ではなく、それ以外の周辺地域のイスラム教徒だったり、他民族だからです。つまり、死んでも文句が出ない人間を弾除けに使っています。

これで、不満が出ないわけもなく、今までは、少なくても中央政府から、資金の援助があったので、従っていた地方の人々も、金の切れ目が縁の切れ目というわけで、反抗する動きが出てきています。金もくれない、不平等を押し付け、搾取をするなら、ロシアという国家に従属する必要は無いと考えても、当然です。そして、スターリン時代に貪欲に取り込んだ民族単位で、ロシアを分割すると、34の地域になるという事なのです。

国を構成するには、最低限のリソースが必要なので、この案は非現実的ですが、「ロシア5分割案」というのは、かなり昔からあります。ロシアを弱体化させるのに、国家分裂させるというのは、当然ながら思い浮かぶ方法で、一定の支持を集めていました。で、ロシアが国際法を無視した傍若無人を続けるなら、国連の常任理事国から追い出して、国家を分割する事で、発言権を無くすという選択肢も、本当に薄い影に過ぎませんが、動きとして出てきたという事です。

何かと国家の歪を最終的に押し付けられて、未だに水道も下水も、下手すると電気すら通じていない地方の貧しい他民族は、ロシアに従属している意味が無いんですね。逆らうと、迫害されるので、文句を言っていないだけです。この戦争で、ロシアの権威が失墜すると、そうした民族の独立の動きは、確実に出てくると思われます。

実際、ロシアに金が無いかと言うと、オリガルヒと呼ばれる経済貴族は、宮殿のような家に住み、どこに出かけるにしても運転手付きの高級車で移動し、海外に別荘を何棟も所有し、クルーザーやプライベート・ジェットも持っています。つまり、共産国と言いながら、冨の独占と貴族が存在しているのです。その格差は、アメリカにも負けていません。むしろ、酷いかも知れません。一応、アメリカは、行政の貧困者向けの救済制度がありますからね。フードスタンプは、食費も稼げない人達向けに、無料で食券を配る制度です。

想念の中にだけ存在する、平等で博愛な理想国家なんて、厳しい現実の前では、クソの役にも立たないという事です。』