米国、半導体補助金7兆円の法案成立へ 下院も可決

米国、半導体補助金7兆円の法案成立へ 下院も可決
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28EH50Y2A720C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米議会下院は28日、半導体の生産や研究開発に527億ドル(約7兆1000億円)の補助金を投じる法案を可決した。バイデン大統領の署名で成立する。米国での工場新設を後押しして、半導体を安定して調達できる体制をめざす。

下院(定数435)が243対187の賛成多数で半導体法案を可決した。与党・民主党に加え、野党・共和党の一部議員も賛成した。法案は27日、上院を通過していた。

法案は2022会計年度(21年10月~22年9月)から5年間、国内に半導体工場を誘致するための補助金として390億ドルを投じる。米国内で新工場の建設を表明している米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子に配る見通しだ。

半導体とは別に、科学分野に1020億ドルをあてる。人工知能(AI)や量子コンピューター、次世代通信規格「6G」など先端技術や基礎研究を政府が支援する。

与野党は半導体メーカーに補助金を配ることで1割強に落ち込んだ米国の世界生産シェアを再び引き上げたい考えだ。日本や中国、韓国、欧州など各国・地域が補助金を呼び水に工場誘致を急いでいる。世界で半導体が不足するなか、米国でも有事や災害に備えて国産化を進めるべきだとの声が高まった。

与野党は21年、半導体補助金を含む包括的な「中国対抗法案」の成立をめざしていた。上院は同年6月、下院は22年2月に類似の法案を可決した。

上下院の法案には米企業の対中投資審査など強硬策を盛ったが、与野党の審議が難航して一本化できなかった。緊急度の高い補助金を切り出し、別の法案として採決することで、ようやく決着した。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/U.S.-Congress-passes-CHIPS-Act-to-boost-semiconductor-sector 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

南川明のアバター
南川明
インフォーマインテリジェンス シニアコンサルティングディレクタ
コメントメニュー

分析・考察

時間は掛かりましたが、米国が本気で半導体育成に取り組んでいる事が現れている法案可決だと思います。米国は出来るだけ自国で研究開発から製造まで行おうとしています。日本はこの流れに乗るのではなく、日本での研究開発を行う様に誘導する必要があります。
特に装置、材料開発は日本中心に行うように誘導したいものです。それが日本の安全保障上最も重要な武器になります。そのためには日本に多くの海外研究者を受入れる体制を整える必要があります。残された時間はあまり多くないはずです。
2022年7月29日 8:28 (2022年7月29日 8:34更新)

前嶋和弘のアバター
前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
コメントメニュー

ひとこと解説

「バイデン政権と民主党の点数稼ぎ」では全くなく、超党派の対中国対策、競争力強化の動きであることを見失ってはいけないと思います。こちらの方はそもそも上院で共和党のマコーネル院内総務のちゃぶ台返しの動きがあったため、上下両院版をすり合わせできず半導体支援に切り替えましたが、上院が通れば下院は簡単に通ります。もともとの上院版も下院版も全米科学財団の新部門創設やSTEM (Science, Technology, Engineering, and Mathematics) 研究・教育の拡大などによる米国の競争力強化など、かなり重なっていました。そのためいずれ進んでいきます。
2022年7月29日 7:53

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
コメントメニュー

ひとこと解説

バイデン政権は中間選挙を目前にして、支持率が大きく下がり、混乱しているが、半導体や6Gなど次世代ハイテク技術の覇権を握ることに向けて大きく動き出している。日本、韓国、台湾を巻き込んで、テクノロジーゲームをはじめている。習政権は自力更生で生き残りを図るが、外から取り入れられる技術が少なく、米中の技術格差はますます開いていくと思われる
2022年7月29日 7:09』