「市街戦」神話の終わり。

「市街戦」神話の終わり。
https://st2019.site/?p=20033

『このごろ露軍が攻めあぐんでいるのは、宇軍がWWI式の本格的な、深くて長い塹壕線を平地に掘るようになったから。

 いままで宇兵は都市部のビル内で楽に抵抗できると甘く考えていた。
 しかし「Z侵略」では戦車砲/ロケット砲/巡航ミサイルでアパートやオフィスビルを遠慮会釈なく遠間からどんどん崩してしまう。市街地内に「特火点」はつくれない。

 かたや原野では、土嚢で囲んだだけの浅い手抜き築城しか準備をしていなければ全員戦死するだけという教訓がナゴルノカラバフで分かっているというのに、とかくアマチュアの兵隊は、厭というほど痛い目に合わないと、教訓を活かせない。ようやくウクライナ兵は、WWI中の兵隊と同じように、塹壕掘りをめんどうくさがってはならないと学習したのである。

 塹壕は、長く、電光状に掘れ。
 できれば瞬時に飛び込める横穴トンネル(退避棲息部)を、いたるところに準備すべし。

 孤立した伏射壕は弱い。ピンポイントでやられる。三人用くらいの独立壕がいちばんあぶない。ドローンから目立つので。

 地対地ミサイル神話、というか宣伝の嘘も、あばかれた。
 都市は、無制限に、敵の地対地ミサイルを吸収してしまえるのである。
 現代の不燃都市は、ピルボックスとしては役に立たないが、「ミサイル吸収材」としては包容力無双だった。

 北鮮が韓国に1000発ばかりSSMを撃ち込んでも、いまのウクライナの前線地方都市のようになるだけ。「火の海」はできない。したがってドレスデン型の大量死も発生しない。住民はじきに戻って来ようとする。

 まして首都クラスのひろがりになると、露軍の全ミサイルを消費しても破壊しつくせない。だからプーチンも着手できない。

 中共が台湾に3000発ばかりSSMを発射しても、同じことだろう。
 まして北鮮ごときが揃えられるオーダーのミサイル数では、お話にならない。

 そういうリアリズムが、「実験データ」とともに世界に呈示されてしまった。
 気化爆弾を使おうが、地雷原爆破薬を使おうが、3000発を3万発に増やそうが、何も変わりはしない。ガレキはそれ以上、燃えない。不燃都市は、ガレキ化してもなお、「ミサイル吸収材」なのである。

 これで(B)MD政策の見直しも進められるだろう。

 つまり初弾が非核であるなら、またターゲットが原発建屋のプールでなかったなら、ミサイル迎撃などする必要はなかった。

 それよりも、すべての都市行政にとり、地下道を通じて安全に住民を郊外まで退避させられる複数のルートの平時からの準備が、人々の生死を分ける政策であった。

 スイスやフィンランドは、これをとっくに実現しているのである。だからロシアも手を出さない。

 住民が随時随意に地下から郊外へ退避できるようになっていれば、そのあとから敵が「核弾頭」を使ったとしても、それが何になる?』