北朝鮮のGDP、昨年0.1%減 韓国銀行推計

北朝鮮のGDP、昨年0.1%減 韓国銀行推計
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271B30X20C22A7000000/

『【ソウル=甲原潤之介】韓国銀行(中央銀行)は27日、北朝鮮の2021年の国内総生産(GDP)推計を発表した。物価の影響を除いた実質ベースで前年に比べ0.1%減り、4.5%の大幅減となった20年に続き2年連続のマイナス成長だった。今年に入っても米欧の経済制裁や新型コロナウイルスの影響で、域内経済の低迷が続いているとみられる。

業種別では鉱工業が6.5%減となり、落ち込みが大きかった。石炭の採掘が減り鉱業は11.7%の大幅減となった。製造業も3.3%減で、食品や化学などの分野で生産が落ち込んだ。サービス業も卸売や小売りの低迷で0.4%減った。

鉱工業などの不振は、新型コロナの感染対策で中国との間の物流や人流を大幅に制限したことが主因だ。中国の税関当局によると、21年の北朝鮮との貿易総額は新型コロナ感染が広がる前の19年と比べて8割減った。

北朝鮮は16~17年に核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を繰り返し、国連安全保障理事会が経済制裁を科した。現在も中国への主要輸出品である石炭の取引が禁止され、経済低迷の一因になっている。17年以降の5年間で実質GDP推計がプラスになったのは19年の1回しかない。

一方、農林水産業は6.2%増と、集中豪雨の影響などで7.6%の大幅減だった20年から生産量が回復した。電気・ガス・水道業も6.0%増とGDPの押し上げ要因になったが、鉱工業などの低迷を補えなかった。

21年の名目国民総所得(GNI)は36.3兆ウォン(3兆6千億円)で、韓国の58分の1と推計した。56分の1だった20年から南北の格差は開いた。

経済が低迷するなかでも、金正恩(キム・ジョンウン)総書記は軍事力の強化を続ける方針を示す。22年に入り少なくとも28発の弾道ミサイルを発射し、近く7回目の核実験に踏み切るとの観測も出ている。

韓国銀行は関連機関から取り寄せたデータを基に北朝鮮の経済成長率を毎年推計している。北朝鮮は自らの経済指標を定期的に公表していない。21年に国連に提出した報告書では19年のGDPが335億400万ドル(4兆5千億円)だったとした。』