ウクライナ産穀物の輸送船監視、共同調整センター開所へ

ウクライナ産穀物の輸送船監視、共同調整センター開所へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR265MW0W2A720C2000000/

『【ドバイ=福冨隼太郎】ウクライナ産穀物の輸出再開を巡りトルコ国防省は26日、船舶の「共同調整センター」が27日に同国イスタンブールで開所すると発表した。ウクライナが目指す週内の輸出再開に向けて一歩前進したかたちだ。一方でロシアは港湾への再攻撃の可能性を示唆しており、輸出が実現できるか不透明感は残る。

ロシアのタス通信も26日、同国国防省が同センターが活動を始めたと明らかにしたと報じた。

共同調整センターの設置は、22日にロシアとウクライナの間で結ばれた穀物の輸出再開に関する合意項目の一つだ。黒海の出入り口に位置するイスタンブールに置かれる。ウクライナの港から穀物などを運ぶ船舶を監視する役割を担う。船舶はセンターに事前登録し、武器を積んでいないかなどの検査を受けたうえで特定の航路を通る。

ウクライナ政府高官は25日、週内にも穀物輸出を始める方針を明らかにしていた。南部チョルノモルシク港からの週内の出航を期待しているという。国連高官は、本格的な輸出の再開は数週間以内で、それ以前にいくつかの船が試験的に航行するとの見通しを示した。
合意の履行にはなお不透明感が漂う。ロシアは合意直後の23日に、輸出拠点の1つとなるウクライナ南部オデッサ港をミサイルで攻撃した。ロシア側はウクライナの軍艦などが標的だったと主張した。だが英国防省は26日、軍事標的が「ミサイルが命中した場所にあった兆候はない」との分析を示した。

ロイター通信などによるとロシアのラブロフ外相は25日、「合意はロシアによるウクライナの軍事インフラへの攻撃を継続することを妨げない」と指摘した。ラブロフ氏の発言は港湾への攻撃が今後も起きうることを示唆したものだ。

ロシアの強硬姿勢は合意履行の見返りとして、欧米による制裁の緩和を引き出すのが狙いとみられる。ラブロフ氏は24日に、ロシア産穀物の輸出に対する欧米制裁の緩和を求める発言をした。

ウクライナ大統領府によると同国のゼレンスキー大統領は25日、記者団に「輸出のために必要な全てを行う予定だ」と語った。仲介役の国連とトルコがロシアをどれだけコントロールできるかが問題とも指摘した。

合意を仲介したトルコのエルドアン大統領は25日、同国国営放送のインタビューで「ロシアとウクライナ両国が合意に基づく責任を果たすことを求める」と述べた。仲介国として合意の実行を進めると強調した。

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