英与党党首選の両候補、対中強硬路線を約束 テレビ討論

英与党党首選の両候補、対中強硬路線を約束 テレビ討論
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR260BR0W2A720C2000000/

『【ロンドン=中島裕介】ジョンソン英首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選で25日、決選投票に残った2人によるテレビ討論が行われた。対中関係に関してスナク前財務相とトラス外相はともに、かつて「黄金時代」といわれた親密な関係に戻ることを否定し、厳しい外交姿勢を続ける方針を示した。

決選投票は、英各地の16万人を超える保守党員による郵便とオンラインの投票を経て、9月5日に結果が発表される。

決選投票に進む2人を決める保守党の下院議員の投票ではスナク氏がリードしていた。だが複数の世論調査によると、保守党員の支持率ではトラス氏がスナク氏を最大で20ポイントあまりリードしている。25日の討論への評価を有権者全体に聞いた調査ではほぼ互角だった。

対中政策についてトラス氏は「外相として主要7カ国(G7)の仲間とともに中国の広域経済圏構想『一帯一路』に代わるインフラ支援の枠組みや、台湾防衛の重要性を提唱してきた」と指摘した。「ウクライナを侵略しているロシアを実質的に助けている中国にはより厳しい態度をとるべきだと確信している」とも述べ、安全保障と経済の両面で中国と距離を置くべきだと強調した。

一方のスナク氏は「我々の価値観や利益にそぐわない企業からの対英投資を阻止する法案を議会で成立させることもできる」と述べた。一部の保守党議員が求める中国系の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の英国での使用禁止が検討課題になるとの認識も示した。

英政界ではスナク氏は英中間の経済・貿易関係の維持を目指していると指摘されている。スナク氏の発言には党内の強硬派に向けて、厳しい対中姿勢をアピールする狙いもあったとみられる。

新型コロナウイルス危機下でのパーティー開催など不祥事が相次いだジョンソン首相への評価を巡っては見解が割れた。ジョンソン派の議員の支持を受けるトラス氏は、一連の不祥事が「(首相としての)彼を拒否すべきものであったとは思わない」とジョンソン氏を擁護した。入閣しなくても党内で一定の役割を果たすとの見方も示した。

財務相辞任により政権退陣の引き金を引いたスナク氏は「前を向く必要があり、国に必要な変化をもたらす必要がある」と述べ、ジョンソン氏への直接の言及を避けた。

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