ガスプロム、欧州向け供給2割に削減 「タービン修理」

ガスプロム、欧州向け供給2割に削減 「タービン修理」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25BHN0V20C22A7000000/

 ※ 『ロシアからすれば、制裁するならガスが止まるということも覚悟しているんだな、という形で脅しているわけだが、そもそも制裁されているのは戦争を始めたからであり、本当に制裁を解除してほしければ、戦争を止めればよい。』…。

 ※ 全くの「正論」だと思うが、その「正論」通りに行かないのが、国際政治・国際関係の「現実」だ…。

『ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは25日、6月中旬から供給量を制限している欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」について、ガスを送り出すタービン1台の修理を新たに始めると発表した。27日から供給量を6月中旬までの約2割に減らすとしており、供給不安が広がる欧州でガスプロムへの反発が強まりそうだ。

【関連記事】NY商品、原油が反発 ロシア産石油の供給懸念を意識 金は反落

ガスプロムはSNS(交流サイト)のテレグラム上で「もう一つのシーメンス製機関(タービン)を停止する」と明らかにした。環境・技術・原子力連邦監督庁の規定とタービンの技術的状態を考慮した修理だと説明した。

今回の修理に伴うノルドストリームの供給減は、モスクワ時間27日午前7時(日本時間同日午後1時)に始まり、供給量は6月中旬までの従来計画比で8割少ない日量3300万立方メートルになるという。

ガスプロムは6月中旬、カナダで修理中だったノルドストリームの独シーメンス製タービン1台の返却が対ロシア制裁で遅れていることを理由に、供給量を約4割に減らした。7月11日からは定期点検で供給を停止した。7月21日に供給を再開したが、供給量を約4割に制限していた。

返却されるタービンはロシア北西部の送ガス施設に輸送中で、ロシアのコメルサント紙によると、再稼働は8月初めになる見通し。今回、別のタービンの修理が発表されたことで、8月初め以降も供給量が6月中旬までの水準に戻る可能性は小さくなったと受け止められている。

新たなタービンの修理に関する発表に先立ち、ガスプロムは25日、タービンの修理が制裁対象から除外されることを確認したカナダ政府の公式文書を受け取ったとの声明を発表した。ただ、リスクはまだ拭えず「追加の問題も出ている」と主張し、シーメンスに追加の文書提出を要求していた。

ノルドストリームはロシア北西部からバルト海海底を通るガスパイプラインで、輸送能力は年間550億立方メートル。ロシアのプーチン大統領は19日、タービン修理が制裁の適用外であることを示す公式文書の提出を求め、供給量がさらに減少する可能性に言及していた。

欧州各国では、ガスプロムが様々な口実をつくってガス供給の回復を拒み、厳しい対ロ制裁を科している欧州に揺さぶりをかけているとの懸念が広がっている。今回の供給減と声明で、ロシアからのガス供給を巡る不透明感が一段と広がっている。
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
コメントメニュー

分析・考察

ロシアがガスの供給を減らしているというよりも、経済制裁を理由にタービンの修理などが出来ない状態にしたのは西側の責任であり、その結果、ガスの供給が減るということを訴えたいのだろう。こうやって揺さぶりをかけ、制裁解除を求めてくるというのは、それだけ制裁が効いているという証拠ともいえる。ロシアからすれば、制裁するならガスが止まるということも覚悟しているんだな、という形で脅しているわけだが、そもそも制裁されているのは戦争を始めたからであり、本当に制裁を解除してほしければ、戦争を止めればよい。
2022年7月26日 2:32 』