INPEX、南米・アフリカの資源開発撤退 脱炭素に投資

INPEX、南米・アフリカの資源開発撤退 脱炭素に投資
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC043FG0U2A600C2000000/

『INPEXは2023年にも南米とアフリカの資源開発から撤退する。脱炭素の流れで石油や天然ガスの中長期の収益性が見通しにくくなり、採算が低い地域の開発に見切りをつけて中東やオーストラリアなどに投資を集中する。欧米の石油メジャーも権益の選別を急ぐ。新たな採掘権の獲得を競ってきたエネルギー大手の事業モデルが変わりつつある。

南米ではブラジルの石油とガスの採掘権を23年末までに手放す。ベネズエラの石油開発も21年にやめており、南米の資源開発から撤退する。アフリカでは22年内にもアルジェリアのガス開発の運営会社の株式を同国政府に売却する。すでにアンゴラの油田開発からも手を引いた。これにより、南米とアフリカに持つ権益は全てなくなる。

INPEXの21年12月期の連結売上高(1兆2443億円)に占める南米とアフリカの比率は数%とみられる。川野憲二副社長は「新たな開発も両地域では手掛けない」としている。

今後は中東や豪州、日本など5カ国・地域に資金や人材を集中する。不採算地域からの撤退で、今の収益の柱である石油やガス事業の収益性を高める。同時に次の柱に据える水素やアンモニアの生産など、脱炭素関連の事業に資金を積極的に回す。

欧米の石油メジャーも権益の選別を急いでいる。

米エクソンモービルは2月、ナイジェリアの一部の油田事業を地元企業に最大15億8300万ドル(約2200億円)で売却すると発表した。英シェルも同国の石油開発を深海油田のみに絞ることを検討する。

エクソンの開発部門の責任者、リアム・マロン氏は「売却により、我々は戦略的な資産への投資を優先的に行うことができる」と語る。各社とも低採算事業からの撤退で浮く資金を次世代エネルギーへの投資や株主還元に充てる方針だ。』