中国恒大の資金難、下請けに波及 住宅ローン返済拒否も

中国恒大の資金難、下請けに波及 住宅ローン返済拒否も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2123N0R20C22A7000000/

『【広州=比奈田悠佑】中国の不動産大手の資金難が業界の隅々に波及している。マンション開発会社などによる工事代金の支払いが滞り、工事会社までもが経営に行き詰まる。市民も住宅ローンの返済を拒否しており、業界全体で不良債権リスクが高まっている。

「第一顧客の債務危機の影響を受けている」。内装工事会社、深圳広田集団は19日、金融機関への返済遅れが元金ベースで27億元(約550億円)超に積み上がっていると発表した。同社は2021年の決算報告で経営再建中の不動産大手、中国恒大集団を第一顧客としており、恒大の資金難が内装会社にも広がった形だ。深圳広田の取引行には中国国有の交通銀行や工商銀行が含まれる。

資金難の波及は内装会社にとどまらない。一部ネットメディアによると、内陸部の湖北省で恒大の物件を建設したり資材を提供したりするサプライヤーらが銀行返済を停止すると共同で宣言した。サプライヤーは資材メーカーへの支払いも拒んでおり、恒大に責任があると主張している。

中国当局が不動産大手の財務への監視を強めた20年以降、借り入れ依存の拡大策を続けてきた恒大など開発会社は資金繰りに窮し始めた。多くのマンション工事が止まったり遅れたりし、物件を引き渡してもらえない購入者が住宅ローンの返済を拒否する事例も出てきた。中国メディアによると今月中旬までに300カ所を超える案件で返済拒否が確認された。

各方面で不良債権リスクが高まるなか、市況回復が先決との論調が高まる。地方政府は物件取引などに関する規制の一部緩和に乗り出したが、住宅販売は前年割れが続く。不動産会社への信頼が揺らぎ、値上がりし続けるという不動産神話も崩れ、不動産不況の出口は当面みえそうにない。』