ウクライナ軍は5500発のジャベリンを受け取ったはずだが、そのすべてを使い果たしてしまったらしい。

ウクライナ軍は5500発のジャベリンを受け取ったはずだが、そのすべてを使い果たしてしまったらしい。
https://st2019.site/?p=20003

 ※ 今日は、こんなところで…。

『Carl Forsling 記者による2022-7-20記事「The fundamental flaw in US plans to defend Taiwan from a Chinese assault」。
  ※記者は元海兵隊員でオスプレイのパイロットだった。

 M113装甲車のような余剰装備のことはEDA=Excess Defense Articles というそうだ。

 ウクライナ軍は5500発のジャベリンを受け取ったはずだが、そのすべてを使い果たしてしまったらしい。 あとは米国内でも毎年1000発しかこいつは量産できない。つまり今台湾有事になったら台湾にはジャヴェリンはやれない。

 今次戦争の前、ロシアのGDPは1兆7800億ドル、軍隊は135万人。
 ウクライナのGDPは2000億ドル、軍隊は50万人。

 次の戦争を起こす中共はGDPが17兆7000億ドル、軍隊は400万人。
 米国はGDPが23兆ドル、軍隊は210万人である。

 米支戦争こそは、巨人の組み討ちになる。

 台湾有事となったら消耗するミサイルはトマホークとかSM-6とか、もはやスティンガーだのジャベリンだののレベルではない。そしてそれを量産するために必要な半導体は、戦時の台湾工場から供給が続くわけもない。』

INPEX、南米・アフリカの資源開発撤退 脱炭素に投資

INPEX、南米・アフリカの資源開発撤退 脱炭素に投資
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC043FG0U2A600C2000000/

『INPEXは2023年にも南米とアフリカの資源開発から撤退する。脱炭素の流れで石油や天然ガスの中長期の収益性が見通しにくくなり、採算が低い地域の開発に見切りをつけて中東やオーストラリアなどに投資を集中する。欧米の石油メジャーも権益の選別を急ぐ。新たな採掘権の獲得を競ってきたエネルギー大手の事業モデルが変わりつつある。

南米ではブラジルの石油とガスの採掘権を23年末までに手放す。ベネズエラの石油開発も21年にやめており、南米の資源開発から撤退する。アフリカでは22年内にもアルジェリアのガス開発の運営会社の株式を同国政府に売却する。すでにアンゴラの油田開発からも手を引いた。これにより、南米とアフリカに持つ権益は全てなくなる。

INPEXの21年12月期の連結売上高(1兆2443億円)に占める南米とアフリカの比率は数%とみられる。川野憲二副社長は「新たな開発も両地域では手掛けない」としている。

今後は中東や豪州、日本など5カ国・地域に資金や人材を集中する。不採算地域からの撤退で、今の収益の柱である石油やガス事業の収益性を高める。同時に次の柱に据える水素やアンモニアの生産など、脱炭素関連の事業に資金を積極的に回す。

欧米の石油メジャーも権益の選別を急いでいる。

米エクソンモービルは2月、ナイジェリアの一部の油田事業を地元企業に最大15億8300万ドル(約2200億円)で売却すると発表した。英シェルも同国の石油開発を深海油田のみに絞ることを検討する。

エクソンの開発部門の責任者、リアム・マロン氏は「売却により、我々は戦略的な資産への投資を優先的に行うことができる」と語る。各社とも低採算事業からの撤退で浮く資金を次世代エネルギーへの投資や株主還元に充てる方針だ。』

「ポスト安倍」の日韓

「ポスト安倍」の日韓 関係改善へ国内説得の難路
岸田首相と韓国外相が会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM191900Z10C22A7000000/

『2022年7月20日 0:00

岸田文雄首相と韓国の朴振(パク・ジン)外相の19日の会談は、関係改善に向けた道のりの険しさを改めて浮き彫りにした。日本側の公式発表は銃撃された安倍晋三元首相への弔意を巡るやりとりしか紹介しなかった。自民党内からは慎重な対応を求める声が出た。

「首脳会談の話はありましたか?」。首相官邸で記者団から問いかけられた首相は何も答えずに立ち去った。外務省の発表資料は160字程度で、元徴用工や慰安婦の問題への言及はなかった。

朴氏も官邸では記者団の問いかけに何も答えなかった。その後の説明も懸案で従来より踏み込んだ表明はなかった。

自民党の佐藤正久外交部会長はツイッターに「同じ失敗を繰り返してはダメ」と書き込んだ。朴氏が日韓議員連盟の額賀福志郎会長に「日本側にも誠意あるリアクションを頂ければ」と求めたのを受けた反応だった。

文在寅(ムン・ジェイン)前政権が慰安婦合意の履行を止めるなど、約束をほごにしてきた過去へ警戒感をにじませた。

日韓は安倍政権だった2015年に慰安婦合意を交わした。当事者であり保守層の支持が厚い安倍氏が納得する形であれば日韓関係を前に進めやすい側面があった。

安倍氏は18年、党内の反対論を押し切って平昌冬季五輪の開会式に出席し、文氏と会談した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任前に派遣した政策協議団との面会も受け入れた。安倍氏がいなくなり党内が抑えにくくなる可能性がある。

国内の説得が必要になるのは韓国側も同じだ。韓国外務省は7月、元徴用工問題の解決に向け専門家らを集めた官民協議会を立ち上げた。韓国政府が日本企業への賠償金を肩代わりする案の検討を始めると、一部の被害者団体は反発した。

尹政権の支持率は発足直後の50%台から足元で30%台に低下した。もともと大統領選は僅差の勝利だった。支持率がさらに低下すれば歴史問題に絡む対日関係のかじ取りは一段と難しくなる。

韓国は日本に「協力」を求める方針だ。被害者を救済する基金をつくり企業や個人が自主的に寄付したり、政府や企業が「おわび」を何らかの形で示したりといった日本の対応が念頭にある。

日本政府が韓国の要請を一定程度のむなら、自民党内や日本の世論が受け入れられるような説得が必要になる。

元徴用工の問題を巡っては8月以降、差し押さえられた日本企業資産の現金化ができる状態になるとの観測がある。時間は限られる。中国や北朝鮮へ対応するには日韓の協力は欠かせない。米国による両国への働きかけも重要な要素になる。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Japan-South-Korea-rift/Japan-South-Korea-face-naysayers-at-home-in-push-to-mend-fences?n_cid=DSBNNAR 』

タイ下院、首相不信任案を否決 親軍与党の反対で

タイ下院、首相不信任案を否決 親軍与党の反対で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS231DE0T20C22A7000000/

『【バンコク=村松洋兵】タイの下院は23日、野党が提出したプラユット首相への不信任決議案を親軍の連立与党の反対多数で否決した。野党は国軍出身のプラユット氏が経済政策などを失敗していると非難していた。2023年3月に任期満了を迎える下院での不信任案採決は今回が最後となる。

連立与党の一部議員がプラユット氏への不信任案に賛成するとの観測もあったが、大きな波乱は起こらなかった。同時に採決した閣僚と副大臣の計10人に対する不信任案もすべて否決になった。

14年に軍事クーデターを主導して暫定首相に就いたプラユット氏は、19年3月の下院総選挙後に親軍の連立与党の支持を受けて、正式な首相となった。次期下院総選挙は憲法の規定で遅くとも23年5月までに実施される予定だ。』

穀物輸出再開、価格安定には時間も 合意の履行が焦点に

穀物輸出再開、価格安定には時間も 合意の履行が焦点に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR223Y60S2A720C2000000/

『ロシアによる侵攻で滞っていたウクライナ産の穀物輸出が再開する見通しとなった。22日、両国がそれぞれ国連、トルコと合意文書に署名した。2000万トン超の在庫放出への期待から、小麦価格は侵攻前の水準まで下落した。だが、黒海に「回廊」を設ける合意の履行は予断を許さず、ウクライナの生産減少も懸念される。供給と価格の安定には時間がかかりそうだ。

米シカゴ商品取引所の小麦先物は日本時間22日夜の取引で1ブッシェル8ドルを下回った。侵攻前の水準を下回るが、1年前と比べるとまだ1割強高い。

穀物コンサル会社、グリーン・カウンティの大本尚之代表は「今まで出てこなかった穀物が市場に出回るとなれば相場の下押し圧力が強まる」と指摘する。先物価格は6ドル台に下がる可能性もあるという。

ただ、中長期の供給の安定には慎重な見方も多い。日本国内の海運仲介会社の担当者は「安全な航行が保証されなければ、穀物船が(ウクライナ南部の主要積み出し港)オデッサに向かうのは厳しい」と指摘する。

例年、ウクライナを含む北半球からの輸出が本格的に増える秋までに黒海ルートが正常化しなければ需給の逼迫感は緩和しないとの見方もある。

24日で侵攻開始から5カ月となるが、戦闘やロシアによる民間施設への攻撃は続いている。

22日の署名式で、両国は同席を避けるなど不信感は根深く、合意の履行が順調に進まないとの懸念は拭えない。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は22日、「ロシアに合意の履行責任を果たさせる必要がある」と強調した。

作付けができなかったといった理由で、ウクライナの穀物生産は減少している。ウクライナ穀物協会(UGA)は6月、2022年の小麦収穫量は前年の3300万トンから42%減少し、1920万トンになるとの見通しを示した。

戦争が長引くほど、世界の穀物需要とウクライナの供給能力のギャップが広がり、食料価格を再び押し上げる可能性がある。

ロシアは貧しい国々で飢餓のリスクを高めているとの批判を意識し、ウクライナの輸出再開を認めた格好だが、今回の交渉と並行し、自国産の穀物や肥料輸出を認めさせる実利も得つつある。米国は14日、ロシアへの金融制裁に農産物取引は含まれないとの見解を示した。

欧州連合(EU)はロシア制裁に農産物は含まれないとかねて説明してきた。21日には従来の制裁内容を微修正し、第三国とロシアの間の農産物の取引を対象としていないことを明確にした。

(山本裕二、イスタンブール=木寺もも子)』

穀物1.3兆円分輸出へ ロシア「約束履行」表明

穀物1.3兆円分輸出へ ロシア「約束履行」表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2307M0T20C22A7000000/

『【キーウ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は22日夜のオンライン演説で、ウクライナ産穀物の輸出再開でロシアと合意したことに関し、ウクライナは約100億ドル(約1兆3600億円)相当の穀物を輸出できると述べた。合意の実効性が課題となる中、タス通信によると、ロシアのショイグ国防相は「ロシアは約束を履行する」と表明した。

ゼレンスキー氏は昨年収穫した2千万トンに加え、収穫が始まっている今年分が輸出可能だとした。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、輸出再開の成否は「ロシアが取り決めを守るかどうかにかかっている」と述べ、合意履行を求めた。

ショイグ氏とウクライナのクブラコフ・インフラ相が22日にトルコのイスタンブールで、輸出再開と航路の共同監視を柱とする合意文書にそれぞれ署名した。

ゼレンスキー氏は「ウクライナが戦争に耐えられることを示す証拠だ」として合意を歓迎。一方、ロシアが2月の侵攻後に海上を封鎖し、港湾や鉄道、倉庫、サイロを攻撃して輸出を妨害したと非難した。』

ロシア・ウクライナ、穀物輸出再開で合意 黒海に「回廊」

ロシア・ウクライナ、穀物輸出再開で合意 黒海に「回廊」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR21DKT0R20C22A7000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】ロシアのウクライナ侵攻で同国からの穀物輸出が滞っている問題で、両国は22日、それぞれ仲介役の国連、トルコと輸出再開に向けた合意文書に署名した。価格高騰を抑え食料危機の回避につなげることができるか、注目される。

イスタンブールでの署名式に出席したグテレス国連事務総長は「合意は経済破綻の間際にあった途上国、飢饉(ききん)が迫っていた人々に恩恵となる」と強調した。トルコのエルドアン大統領は「数十億に及ぶ人々が飢えに陥るのを防ぐだろう」と述べた。

【関連記事】

・穀物輸出再開、価格安定には時間も 合意の履行が焦点に
・穀物1.3兆円分輸出へ ロシア「約束履行」表明

ロシアのショイグ国防相、ウクライナのクブラコフ・インフラ相は時間差で壇上に上がった。同席せず、同じ文書への署名も避けたもようだ。

国連によると、黒海沿岸のウクライナの港からの穀物などを運ぶ貨物船の運航を可能にする「回廊」の設置が合意の柱。23日にも黒海の出入り口に位置するイスタンブールに共同調整センターを設け、船舶の運航状況を監視し、武器を積んでいないかなどを確認する。

交渉に携わった国連の高官は、数週間以内にも本格的な貨物船の出入りが始まるとの見通しを示した。

ウクライナは南部オデッサなど港の防衛のために機雷を敷いている。ロシアは撤去が必要と主張していたが、ウクライナ側が安全な航路を先導する。ウクライナ高官は、港にロシア船は出入りしないと述べた。

4者は13日の対面協議で大筋合意し、詰めの調整を行っていた。

ウクライナは小麦輸出で世界5位。南部の主要港オデッサなどに滞留している穀物は2000万トン超に達し、世界の年間輸出量の5%を占める。

国連食糧農業機関(FAO)によると、人口2億7000万人のインドネシアは小麦輸入の3割をウクライナに依存する。

割安感や地理的な近さから特に中東やアフリカの途上国の輸入が多く、ウクライナ産小麦への依存度はソマリア(人口1600万人)で5割、レバノン(同500万人)では6割に達する。

ロシアは国際世論の批判を意識し、ウクライナの輸出再開を認めたもようだ。自国産の食料や肥料などの輸出を認めさせたい狙いもあったとみられる。

ただ、両国の相互不信は根強く、合意を円滑に履行できるかは予断を許さない。ウクライナ外務省は21日夜の声明で「ウクライナ南部の安全、黒海におけるウクライナ軍の強固な立場」などが保証されなければ支持できないとくぎを刺した。
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

ウクライナが機雷を敷設しているという問題だが、ウクライナ軍がまともな軍であれば、必ず安全航行できるルートを確保しているはずであり、それがあれば、機雷除去せずとも輸送は開始できる。それよりも問題となるのは、ロシアがどこまでこの合意にコミットするか、だろう。このまま穀物輸出を止めていれば、味方となるべき中東やアフリカ諸国に圧力をかけることになるからだろう。しかし、ロシアはいつでも黒海を封鎖してウクライナを苦しめることが出来るということを学習しているので、また繰り返す可能性はある。もしこの合意で穀物価格が下がれば、ロシアの主張する制裁による穀物高ではなく、黒海封鎖が原因であることが証明される。
2022年7月23日 1:08 』

中国恒大の資金難、下請けに波及 住宅ローン返済拒否も

中国恒大の資金難、下請けに波及 住宅ローン返済拒否も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2123N0R20C22A7000000/

『【広州=比奈田悠佑】中国の不動産大手の資金難が業界の隅々に波及している。マンション開発会社などによる工事代金の支払いが滞り、工事会社までもが経営に行き詰まる。市民も住宅ローンの返済を拒否しており、業界全体で不良債権リスクが高まっている。

「第一顧客の債務危機の影響を受けている」。内装工事会社、深圳広田集団は19日、金融機関への返済遅れが元金ベースで27億元(約550億円)超に積み上がっていると発表した。同社は2021年の決算報告で経営再建中の不動産大手、中国恒大集団を第一顧客としており、恒大の資金難が内装会社にも広がった形だ。深圳広田の取引行には中国国有の交通銀行や工商銀行が含まれる。

資金難の波及は内装会社にとどまらない。一部ネットメディアによると、内陸部の湖北省で恒大の物件を建設したり資材を提供したりするサプライヤーらが銀行返済を停止すると共同で宣言した。サプライヤーは資材メーカーへの支払いも拒んでおり、恒大に責任があると主張している。

中国当局が不動産大手の財務への監視を強めた20年以降、借り入れ依存の拡大策を続けてきた恒大など開発会社は資金繰りに窮し始めた。多くのマンション工事が止まったり遅れたりし、物件を引き渡してもらえない購入者が住宅ローンの返済を拒否する事例も出てきた。中国メディアによると今月中旬までに300カ所を超える案件で返済拒否が確認された。

各方面で不良債権リスクが高まるなか、市況回復が先決との論調が高まる。地方政府は物件取引などに関する規制の一部緩和に乗り出したが、住宅販売は前年割れが続く。不動産会社への信頼が揺らぎ、値上がりし続けるという不動産神話も崩れ、不動産不況の出口は当面みえそうにない。』

習氏、3期目政権固めへ正念場 北戴河会議で調整へ

習氏、3期目政権固めへ正念場 北戴河会議で調整へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM20B3T0Q2A720C2000000/

『【北京=羽田野主】中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は秋の共産党大会での3期目の政権発足に向けて体制固めを進めている。8月から長老らの意見を聞く北戴河会議が始まる見通しで、党の重要人事の調整が山場を迎える。

北戴河会議は例年、8月上旬ごろに北京から東へ約300キロメートル離れた河北省の避暑地に現役の指導部と一線を退いた長老らが集まり、党の重要人事や政策を話し合う場を指す。胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席の時代にいったん廃止されたが、非公式な場として復活しいまも残っているとされる。

21日、現地に向かうと北戴河の高速道路の出口の電光掲示板に「無人機や簡単に燃える危険物の持ち込みは厳禁」との注意書きが表示されていた。地元の警察には「新型コロナウイルス対策」を理由に北戴河入りを拒まれた。昨年は7月23日時点でも北戴河を周遊できただけに、より厳しい警戒態勢が敷かれているのは間違いない。

ある党関係者は「先週から退職した幹部らが集まり始めている」と明かす。党では7月下旬に今年後半の経済政策を話し合う政治局会議が予定されており、その後に習氏らが向かうとの観測がある。

北戴河会議に先立ち、習氏の権威を高めようとする動きが起きている。7月に「中国共産党の百年」が出版された。4冊組で、建国の父、毛沢東の時代が2冊、鄧小平から江沢民(ジアン・ズォーミン)、胡錦濤までの最高指導者3人を1冊、習氏の時代を1冊にまとめた。

執筆を担ったのは党の歴史をつづる「中共中央党史・文献研究院」。書籍からは権威で改革開放を進めた鄧を越え、毛に並ぼうとする習指導部の意図がうかがえる。

香港紙、明報は7月12日に習氏が党大会で「人民の領袖」と呼称されると伝えた。毛が「偉大な領袖」と呼ばれたのにちなんだ称号だ。

記事は習氏が総書記のポストから退いたとしても最大の影響力を保つことができると指摘する中国の政治学者の話も紹介。この学者は習氏の引退は次の次の党大会の2032年以降になるとの見解も示した。

習氏には弱みもある。新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策の影響などで中国経済が大幅に失速。若者らの失業率も高止まりしている。

習氏が敷いた「強国路線」は米国との対立を深めた。中国では米国との緊張緩和を求める声は多い。習氏が思い通りに側近を引き上げることができるかは微妙だ。

次の最高指導部の人事では、李強・上海市共産党委員会書記の処遇に関心が集まっている。習氏の腹心で、党大会で最高指導部入りし、李克強(リー・クォーチャン)首相の後継になりうると見込まれていた。上海市のロックダウン(都市封鎖)で市民らの猛反発を招き、不透明感がでている。』

プーチン氏はなぜ暴挙に至ったのか?

プーチン氏はなぜ暴挙に至ったのか?~元首相らが語った素顔~
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220721/k10013727191000.html

『ウクライナ侵攻という暴挙に及んだプーチン大統領。
背景にはアメリカが世界各地で推し進めてきた民主化の動きをみずからへの脅威として受け止めてきた経緯があります。

NHKスペシャル「混迷の世紀」取材班はプーチン大統領を間近で見ていた2人の人物にインタビューし、プーチン大統領の素顔や知られざるエピソード、そして、今後のウクライナ情勢の行方について聞きました。
(NHKスペシャル「混迷の世紀」取材班 ディレクター 佐川豪)

“プーチン大統領は普通の人だった” 元顧問の証言

「混迷の世紀」取材班が向かったのは、ロシアの首都モスクワ。ロシア大統領府でメディア戦略などを担当したグレブ・パブロフスキー氏のもとを訪ねました。
パブロフスキー氏はエリツィン大統領の時代から、プーチン政権1期目・2期目、そしてプーチン氏が首相を務めたメドベージェフ政権時代まで、長年ロシアの政界を内側から見ていた人物です。

プーチン大統領の第一印象を尋ねると意外な答えが返ってきました。

2000年 エリツィン氏から大統領の座を引き継いだプーチン氏

パブロフスキー氏
「何の印象も受けませんでした。私は当時すでに5年エリツィン大統領のもとで働いていましたが、誰が後継者に選ばれるかはどうでもよいと思っていました。

プーチンはロシア大統領府で働いていたので私は会議などで彼と顔を合わせていましたが、いたって普通の人でした。

『次の大統領候補はエリツィンよりも若く、健康でなければならない』という条件を彼は満たしていました」
当時のプーチン氏は、今、私たちが目にしているのとはまったく異なる印象の人物だったと、パブロフスキー氏は語りました。

ロシア大統領府でメディア戦略などを担ったグレブ・パブロフスキー氏

パブロフスキー氏

「今とはまったくの別人です。彼は陽気で誠実な人でした。何か際立つ特徴があったわけではありませんが、飲み込みが早く、合理的で理知的な人物でした。

エリツィンの後釜に就くと、プーチンは自分がエリツィンより弱いわけではなく、自分も『ロシアの主人』なのだということを証明しなくてはなりませんでした」

ロールモデルはあのアメリカ元大統領だった

パブロフスキー氏はプーチン大統領が当時ロールモデルとしていた人物として、意外な名前を挙げました。

パブロフスキー氏

「プーチンは、アメリカのブッシュ大統領を手本にしていました。彼のことをとても気に入っていたのです。彼はブッシュが好きでしたし、ブッシュも彼のことが好きでした。彼らには政治的ロマンスがあったと言ってもいいでしょう。彼らは友人でした」

同時多発テロ事件後の2001年11月、訪米したプーチン大統領

2001年9月、アメリカで同時多発テロ事件が起きると、プーチン大統領はアメリカと協調する姿勢を見せました。

当時ロシア国内でも首都モスクワや南部のチェチェンなどでテロ事件が起き、対応に苦慮していたプーチン大統領は、いち早く同時多発テロ事件の現場を訪れ、ブッシュ大統領を強く支持。

その後、ブッシュ大統領は「テロとの戦い」を掲げ、力には力で対抗するという強硬な姿勢を示し、アフガニスタンでの軍事作戦を開始しました。

パブロフスキー氏

「プーチンはブッシュのやり方が気に入っていました。ブッシュのやり方とは権威主義的なやり方です。当時言われていたように“軍事皇帝”のやり方でした。

プーチンも“軍事皇帝”になりたかったのです。そして彼はブッシュを見て、どのように振る舞うべきかを学びました」

パブロフスキー氏はロシア大統領府でプーチン大統領を間近で見ていた

さらに、当時プーチン大統領はNATO=北大西洋条約機構に対しても、いまとはまったく異なった考えを抱いていたとパブロフスキー氏は明かしました。

パブロフスキー氏

「私はプーチンに『NATOに入りたいのか?』と尋ねました。するとプーチンは言いました。『なぜそんなことを聞く?もちろんだ。ほかに選択肢などない』と。

なぜなら彼はNATOとして結束する西側に力があると考えていたからです。ロシアは当時テロ攻撃にさらされていましたが、NATOこそがロシアの安全を保障できると考えたのです。
しかしその後、ブッシュ大統領の任期が終わる頃に、アメリカで金融危機が起きました。ブッシュ大統領はそれに対応することができず、プーチンは自分があてにしてきた力がそこに無いということに気づいたのです」

“ロシアは当初NATO入りを検討していた” 元首相の証言

今回、私たちの取材に応じたもうひとりの人物。それは、プーチン政権が発足した2000年から4年間、首相を務めたミハイル・カシヤノフ氏です。カシヤノフ氏はいまロシア国外に身を移し、プーチン政権への批判を強めています。カシヤノフ氏は居場所を明かしておらず、オンラインでのインタビューとなりました。

カシヤノフ氏にもプーチン大統領の第一印象を尋ねると、パブロフスキー氏とは別の角度からの答えが返ってきました。

当初プーチン大統領が民主的なロシアを築くと期待していましたが、次第に強権化する姿を目の当たりにして、たもとを分かったと言います。

2004年に首相を退いた後、プーチン氏に対抗して大統領選に立候補するなど政治活動を続けてきたカシヤノフ氏 現在はロシア国外にいる

カシヤノフ氏

「2000年当時、プーチンを支持し一緒に働いていた人たちは皆、彼が民主主義の原則を信奉し、民主主義国家と市場経済を築こうとしている新しいリーダーだと思っていました。エリツィンも私もそう思っていました。

私が首相として一緒に働くときに出した条件は、『すべての改革の主導権を私に認めてほしい』ということでした。彼は『そうする』と約束しました。

一方、彼が出した条件は『私の領域には口を出すな』というものでした。『私の領域』とは、治安当局に関連する活動。つまり、警察・諜報活動、軍、特殊部隊などのことです」
カシヤノフ氏は当時政権内部で、ロシアのNATO入りが検討されていたと証言しました。

カシヤノフ氏

「私自身、『ロシアはNATOの加盟国となることを切望している』と公言していました。プーチンはもう少し控えめで慎重に『ロシアのNATO加盟の可能性を排除しない』と言っていました。

加盟は実現しませんでしたが、前進もありました。2002年5月にローマで開催されたNATO首脳会議で『NATO・ロシア理事会』が設立されたのです。

“加盟”という形ではありませんでしたが、協力関係ができて、政治面でも軍事面でも合同の会議などが開かれるようになりました。ですから、『遅かれ早かれロシアも加盟するだろう。正しい道を進んでいる』と考えられていました」

2002年5月 NATO首脳会談

欧米型民主主義への不信を深め敵視するように

しかしカシヤノフ氏は2004年にウクライナで起きた「オレンジ革命」を機に、プーチン大統領が民主主義に不審を抱くようになったと言います。

市民の抗議活動をきっかけに、ロシア寄りの政権が欧米寄りの政権に取って代わられたのです。

カシヤノフ氏

「ウクライナで民主主義を志向する人々が、ヨーロッパの価値観に支えられた発展の道は正しいと、国民の大半を説得できたことに、プーチンはひどく落ち込みショックを受けました。

市民が路上に出て、憲法で保証された権利、例えば選挙の開票作業の徹底を求めることで、運命が決まることさえありえるのだと彼は理解しました。彼はすぐに、同じようなことがロシアで起きるのではないかと恐れるようになりました。それで、野党勢力への弾圧を始めたのです」

2004年ウクライナで起きた「オレンジ革命」はプーチン大統領に衝撃を与えた
この頃ロシアが勢力圏と見なす旧ソビエトのジョージアやキルギスにも民主化の波が押し寄せていました。

いわゆる「カラー革命」です。

当時プーチン大統領に顧問として仕えていたパブロフスキー氏によれば、プーチン大統領は民主化の動きの背後にアメリカがいると、さいぎ心を深めていったと言います。

パブロフスキー氏

「プーチンは思考の構造上、陰謀論者です。民主化革命がアメリカの陰謀だと確信していました。ウクライナ大統領府に対してアメリカは非常に強い影響力を持っていました。

当時私は間近にいたので、プーチンがアメリカのせいだと考えていたことをよく覚えています。プーチンはアメリカの影響力の拡大を止めたいという思いを強めていきました」

“プーチンのNATO脅威論はでっち上げ” 元首相の分析

以来、欧米が掲げる民主主義を敵視するようになったプーチン大統領。

元首相のカシヤノフ氏は、プーチン大統領がNATOを脅威と捉えてウクライナ侵攻に及んだとする見方は誤りだと考えています。

カシヤノフ氏

「戦争を始めた根拠は常に変化しています。当初プーチンはNATOのせいだと言っていましたが、それはでっち上げです。NATOはすでにエストニアとラトビアにまで拡大していて、ロシアと国境を接しています。しかしプーチンは何の脅威も感じていません。

彼が最も恐れているのは、ロシアの隣国ウクライナがもし民主主義国家として繁栄した場合、ロシア国民が『なぜ自分たちはそうなれないのか』と疑問に思い始めることです。

『まともで繁栄した国家を築くための資源はウクライナの何倍もあるのに、ロシアはどんどん落ちぶれていく』と。ウクライナが繁栄した国家になることは脅威なのです」

プーチン政権1期目で首相を務めたカシヤノフ氏 主に経済政策の面からプーチン大統領を支えた

プーチン大統領はロシア国内で民主化の動きが強まり、みずからの政権が脅かされるのを防ごうと強権化していった。

カシヤノフ氏はそう指摘した上で、民主主義を敵視する姿勢が、ウクライナ侵攻の動機にもなったと見ています。

「ロシアはこれまで完全な民主主義国家だったことがありません。今や完全な権威主義国家となり全体主義へと向かっています。“プーチンのロシア”という全体主義です。

彼は自分が作り上げた国家機構が敬われるべきだと考えていますが、世界からは認められません。プーチンはそれが気に入らないのです。

彼は『民主主義国家を締めつけてやろう』、『民主主義国家には選挙や議会があるが、ロシアでは必要ない』と考えています。それで戦争も始めたというわけです」

長期化が懸念されるウクライナ侵攻 今後の行方は

ウクライナ侵攻の長期化が懸念される中、今後の行方を2人はどう見ているのか。

パブロフスキー氏は一刻も早く終わらせなければならないとしながら、同時にそれは非常に難しいという見通しを語りました。

パブロフスキー氏

「ロシアにもウクライナにも交渉文化の経験がありません。どちらも交渉するすべを持っていないのです。私は交渉がうまくいったケースを1つも思い出すことができません。ですから戦争を終わらせるというのは極めて難しい課題です。

しかし着手しなければなりません。理不尽な戦争に踏み切ったのは誤った決断でした。ただロシアを崩壊させることができないのも事実です。なぜならロシアの国家体制はこの30年間、攻撃への抵抗を基盤として築き上げられてきたからです。

確かに人々の暮らし向きは悪くなるでしょうし、失業率は少し上がるでしょう。経済ももちろん落ち込むでしょう。しかし私たちはすでに何年もゼロ成長の中で暮らしているのです。人によっては実感さえ湧かないかもしれません」

一方、カシヤノフ氏が最後に語ったのは、世界が冷戦終結後に築き上げてきた国際秩序を守ることの重要性でした。

今年2月、国連の安全保障理事会では、ロシアに対してウクライナからの軍の即時撤退などを求める決議案がロシア自身の拒否権によって否決されました。

安保理が機能不全に陥っているという批判が高まる中、カシヤノフ氏は国連改革の必要性にも言及しました。

カシヤノフ氏

「プーチンは新たな国際秩序が必要だという考えを世界に押しつけようとしています。しかしそれを受け入れてはなりません。侵略者を止め、既存の秩序を守らなければならないのです。

国際秩序はすべての国々が信奉する価値に基づいています。その第1の価値は『人権の尊重』。そして第2の価値は『民主主義体制』、つまり国民がみずからの政府を選ぶということです。

今求められているのは、複数の穴をふさぐ仕事です。国連、ヨーロッパの安全保障体制、国際的な金融機関、それらの枠組みの中で何を修正できるか考えなければなりません。プーチンが生み出した今日の諸問題を教訓として既存の制度を改善すべきなのです。ウクライナ侵攻のようなことが2度と起きないように」』

尹錫悦の「従中」に怒り出した米国 「合同演習」に続く踏み絵は「半導体同盟」

尹錫悦の「従中」に怒り出した米国 「合同演習」に続く踏み絵は「半導体同盟」
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07221701/?all=1

『「親米」を唱えながら「従中」を続ける尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権。米国で非難の声があがり始めた。日本にも「甘い顔をするな」と米国からお達しが来るはずと、韓国観察者の鈴置高史氏は読む。

「3NO」を破棄せよ

鈴置:朝鮮半島専門家のV・チャ(Victor Cha)ジョージタウン大学教授が朝鮮日報への寄稿を通じ「尹錫悦政権は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の従中路線を維持している」と指摘しました。チャ教授は米国の朝鮮半島問題の権威。米国の韓国観や、対韓政策に大きな影響力を持ちます。

 朝鮮日報への寄稿「A Welcome Return to Trilateralism」(7月11日、英語版)は、6月29日のマドリードでの日米韓首脳会談から書き起こします。

 5年ぶりに開かれたことは評価するものの、共同声明も発表されないなど内容がなかったと落胆してみせました。そのうえで、北朝鮮の核開発に対する3カ国の協力を情報共有にとどめず、軍事演習まで格上げせよと説いたのです。以下です。

・the three allies should consider more cooperation on missile defense. This should include not just information sharing, but also active exercising that tracks and intercepts a simulated North Korean missile.

 まさに、ここが韓国に立ち位置を問うポイントです。岸田文雄首相は「北朝鮮の核実験には、共同訓練を含め日米韓で対応したい」と3カ国合同軍事演習を提唱しました。米国の意向を受けての発言だったでしょう。

 ところが合同軍事演習には韓国が及び腰。そこで共同声明に盛り込むべきほどの合意もできず、それなしの首脳会談となったのです。

 韓国が3カ国の軍事演習を嫌がるのは、中国と結んだ「3NO」に抵触するからです(「『米国回帰』を掲げながら『従中』を続ける尹錫悦 日米韓の共同軍事訓練を拒否」参照)。

 そこでチャ教授は「文在寅政権が中国と約束した『韓米日の3カ国軍事協力への不参加』は無効だと尹錫悦政権は宣言せよ」と厳しく迫ったのです。

・the Yoon government must declare invalid the Moon Jae-in government’s promise to China not to engage in missile defense cooperation with Japan and the U.S. trilaterally.

「中国に立ち向かう」は口だけ

――「尹錫悦政権の弱腰」を米国が叱った……。

鈴置:その通りです。尹錫悦氏は大統領選挙戦中はTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の追加配備などを公約、「中国に立ち向かう」姿勢を打ち出していました。

 ところが政権を取った後は、中国に脅され腰くだけに(『韓国民主政治の自壊』第3章第1節「猿芝居外交のあげく四面楚歌」参照)。THAADの追加配備の公約もどこかに行ってしまいました。

 在韓米軍基地に配備済のTHAADの運営の正常化も、実現するかは怪しい。文在寅政権は環境影響評価が終わっていないことを理由に、自称・市民団体の基地封鎖を正当化してきました。

 基地に勤務する米兵の人権問題を掲げ、米国防総省は韓国に重ねて改善を要求。これを受け、尹錫悦政権は前政権が放棄していた環境影響評価の実施を表明しました。

 しかし、自称・市民団体の反対を押し切ってまで「環境に悪影響なし」との結論を出すほどに腰は据わっていないと韓国では見られています。中国からの叱責も怖いのでしょう。基地への出入りを正常化するメドは依然、立っていないのです。

――「米国回帰」は口だけなのですね。

鈴置:口だけです。前政権からの「従中」はいっこうに変わらない。韓国人の中国に対する恐怖心には米国人や日本人の想像を絶するものがあります。

 陰で中国の悪口を言っていても、いざとなると中国の言いなりになる――これが韓国人です。「3NO」を破って日米韓の合同軍事演習を実施するなど、とてもできません。

 米国のアジア専門家も「尹錫悦政権が本当に米国側に回帰できるのか」とかたずを飲んで見守ってきた。次第に「やはり、従中のまま」ということが分かってきて、米国を代表してチャ教授が韓国紙を通じ「ちゃんと戻って来い」と警告を発した構図です。

 もちろんチャ教授の寄稿は韓国語版にも「最終的には韓米日『3カ国協力』に向かうべきだ」(7月9日)の見出しで載っています。』

『「お坊ちゃまで視野の狭い安倍」

――その警告は韓国人の耳に届いたでしょうか?

鈴置:今のところ、届いていないようです。というか、耳をふさいでいると言った方が正確かもしれません。韓国紙はまだ、「尹錫悦政権は前政権の従中政策を軌道修正した」という虚構に沿った記事を載せ続けています。

 チャ教授の寄稿が韓国語版に載った4日後の7月13日、同じ朝鮮日報で鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員が「【ソヌ・ジョン・コラム】『イニ』と『晋ちゃん』がドブに放り投げた韓日現代史」(韓国語版)を書きました。

「イニ」「晋ちゃん」はそれぞれ文在寅氏と安倍晋三氏の愛称で、鮮于鉦氏は「幼稚な外交を展開した2人」を揶揄する言葉として使っています。

 日韓関係は共産主義に対抗するため両国の保守が協力して維持してきた。しかるに、「お坊ちゃまで視野の狭い安倍」が左派の文在寅と一緒になって関係を破壊した、との分析です。

 もっとも、この現実認識は根本的におかしい。韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権(2013年2月―2017年3月)と、その後の文在寅政権(2017年5月―2022年5月)下で、離米従中路線を突っ走ってきました(『米韓同盟消滅』第2章「『外交自爆』は朴槿恵政権から始まった」参照)。

 第2次安倍政権(2012年12月―2020年9月)当時の韓国は日本が手を携える相手ではなくなっていたのです。鮮于鉦氏の言う「日韓保守の連帯」など、そもそも期待しようがありませんでした。

 鮮于鉦氏の主張――文在寅・安倍悪玉論は、要は尹錫悦善玉論なのです。「文在寅と安倍が壊した日韓関係を尹錫悦が修復に走る」との構図で書いているのですから。

 実際、サブタイトルに「文在寅と安倍が残した難題を尹錫悦政権が解き始めた」とあります。つまるところ、チャ教授の尹錫悦政権批判への反論なのです。

 現実を見れば「日米韓」を壊しているのは「文在寅と尹錫悦」なのですが……。左派と保守の違いはあっても、中国に従順なこの2人こそが、3カ国の合同軍事演習への障害なのです。

日本と同等のスワップが欲しい

――なぜ、韓国人は事実に基づかないことを言い続けるのでしょうか。

鈴置:彼らは自分に都合のいい自画像を、他人も信じるべきだと思い込んでいるところがあります。韓国は嘘でも言い続ければ本当になる社会だからでしょう。
 
 韓国語を学ぶ外国人がほとんどいない時代が長く続いたこともあると思います。韓国は「外」から評価されることが極端に少ない国だったのです。

「韓国が米国側に戻った」との認識を前提に「だから、日本と同等の為替スワップを与えられて当然だ」という主張も登場しました。

 韓国経済新聞にオ・ジョングン韓国金融ICT融合学会会長が寄稿した「イエレンの訪韓時に常時スワップを要求しよう」(7月15日、韓国語版)です。イエレン(Janet Yellen)財務長官は7月19日に韓国を訪れています。ポイントを要約します。

・韓国はIPEF(インド太平洋経済枠組み)に参加し、グローバル安保供給網構想での1つの軸として米国の重要な経済安保同盟国であることを示した。米国が推進する対中包囲網戦略で、日本と並び韓国は東アジアの重要な拠点である。
・米国は日本とは無制限の為替スワップを常設で結んでいる。経済が安定してこそ、友邦の役割を果たせる。重要な友好国として日本と同等の常時スワップを要求せねばならない。

 米利上げに伴い、韓国では資本逃避が始まっています。韓国銀行もウォン金利の引き上げで対応していますが、この副作用は大きい。

 不動産バブルの結果、韓国の家計債務は膨らんでいる。ここに急激な利上げ。借金が返せなくなれば金融システムが痛みます。これはこれで新たな資本逃避の原因になるのです。利上げしても地獄、上げなくても地獄――です。

 韓銀はウォン防衛に必死ですが、それにも限界がある。ウォン買いにはドルが必要ですが、現在の外貨準備で足りるかは怪しい。そこで韓国では米国か日本とスワップを結んでもらうしか手がない、との議論が盛んになっています。』

『「イエレン頼み」は空振り

――結局、イエレン訪韓時にスワップは与えられたのでしょうか。

鈴置:与えられませんでした。米国は日本のように甘い国ではありません。依然として「従中」を続ける韓国に命綱を投げる――スワップを与えたりはしないでしょう。

 もしスワップを付ければ、韓国は「この程度の従中は許される」と米国を舐め、ますます中国の顔色を見るようになるのは確実です。

 2011年10月、日本の民主党政権がスワップを結んだら、韓国は途端に掌を返しました。李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島に上陸するは、「日王は謝罪しろ」と罵倒するは……。日本に対しやりたい放題になりました(図表「通貨スワップを仇で返した韓国」参照)。

 なお、韓国の企画財政部はイエレン長官が秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官と7月19日に会談した際、「韓米両国が必要な時に流動性を供給する装置など、多様な協力方法を実行する余力があるとの認識をともにした」と発表しました。

 これをもとに一部の韓国紙は「スワップに含み」と書きましたが、米財務省からはスワップを匂わす発表は一切ありませんでした。
「chip4」が新たな踏み絵

――イエレン財務長官への期待は空振り……。

鈴置:イエレン長官はスワップを与えるどころか、韓国に対し「製品の供給網」でも米国側に立つよう求めました。尹錫悦大統領との会談に関する発表資料で触れています。「供給網の回復力の重要さで一致」という表現を使っています。

・Secretary Yellen and President Yoon also underscored the importance of bolstering supply chain resiliency to protect against costly disruptions that lead to higher prices and adversely impact American and Korean workers, consumers, and businesses.

 これだけでは何のことか分かりにくいのですが米国は今、日本、台湾、韓国を巻き込んで半導体同盟「chip4(チップ4)」作りに乗り出しています。

 米国は半導体の設計と製造装置に圧倒的な強みを持ちます。台湾はロジック半導体、韓国はメモリーの生産能力と技術が図抜けている。日本は半導体製造用の素材が得意。

 この4カ国が協力関係を密にすることで「安定的な半導体・同素材の供給網を作る」のが目的です。が、それはもちろん建前。本音は半導体産業でも台頭が著しい中国への技術移転に歯止めをかけ、成長を阻止することです。

 米国は「chip4」に参加するかどうかを8月末までに決めるよう求めており、日台は参加することを決める一方、韓国政府は判断を下しかねています。

 毎日経済新聞の「韓国、米主導の半導体同盟参加検討へ 悩み深まるサムスン・SKハイニックス」(7月20日、日本語版)など、韓国各紙が報じました。

 韓国の半導体産業にとって、中国は最大の市場であると同時に重要な生産拠点。中国政府との関係が悪化し、報復されるのを恐れているのです。

 中国外交部報道官は7月19日の会見で「当事者が公正な立場で自身の長期的な利益を考えるよう望む」と述べ、韓国などの「chip4」参加を強く牽制しています。』

『内側からIPEFを壊す

――だから米国の財務長官が韓国の大統領に「供給網」への参加を求めた……。

鈴置:米国は半導体大国の韓国は自陣営に取り込んでおきたいところ。ところが韓国は中国にいい顔をし始めた。IPEFの設立総会にリモートで参加した尹錫悦大統領も「開放性・包容性・透明性」を訴え、中国排除に公然と異を唱えたのです(「『東アジアのトルコ』になりたい韓国、『獅子身中の虫』作戦で中国におべっか」参照)。

 少なくとも「chip4」に参加を表明するまで、米国は韓国にスワップをつけるなど甘い顔はしないと思います。尹錫悦の韓国は合同演習などの軍事面に限らず、半導体同盟など経済面でも米国側に戻ってはいないのです。

――となると、「日本は韓国に譲歩しないと米国に怒られる」という説は……。

鈴置:日本人を騙すために韓国が作ったフェークニュースです。韓国の意向を受けて動く日本の専門家もそう言って走り回っていましたので、信じ込んだ日本人もいましたが(「尹錫悦はなぜ『キシダ・フミオ』を舐めるのか 『宏池会なら騙せる』と小躍りする中韓」参照)。

 もし、韓国が中国側に行くことが明白になれば、米国は韓国を経済面で徹底的に追い詰めるでしょう。1997年の通貨危機の時も、中国に傾く韓国にお仕置きしようと米国は韓国にドルを貸さず、日本にも助けないよう命じました(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米韓」参照)。

 日本は今、韓国に譲歩する必要もなければ、下手に譲歩してもいけないのです。それこそ米国に怒られます。合同軍事演習や「chip4」で韓国が米国の言うことを聞く前に、日本が韓国にスワップを与えようとしたら、米国から「やめろ」と言われる可能性が高い。

 半導体関連の3品目に関しても、案件ごとの輸出審査が不要ないわゆる「ホワイトリスト」待遇に韓国を戻そうとすれば、米国から「少し待て」と言われるかもしれません。
ホワイトリストに戻せ

――韓国がホワイトリストに戻せと日本に要求するのも……。

鈴置:米国を裏切った時のお仕置きとして使われるであろう武器を、日本から取り上げておきたいのでしょう。もし、日本政府が半導体素材の対韓輸出を1件ごとに時間をかけて審査し始めたら、韓国の半導体生産はたちまち支障をきたします。
 
 それは通貨危機をも呼びかねません。韓国の半導体輸出が滞れば、ウォンを防衛する際に必要なドルも稼げなくなるからです。

 朴振(パク・ジン)外交部長官が7月中旬に訪日した際「ホワイトリストへの復帰」を日本に要求したと韓国メディアは報じました。対立を深める米中の間で、韓国は死に物狂いなのです。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『韓国民主政治の自壊』『米韓同盟消滅』(ともに新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

デイリー新潮編集部 』

高インフレで、生活破綻者が続出するアメリカ : 机上空間

高インフレで、生活破綻者が続出するアメリカ : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29244526.html

『アメリカでインフレの実害が出ています。長い間、デフレが続いた事で、インフレと言っても実感が湧かない日本ですが、具体的な話に落とし込むと、アメリカの一般庶民の生活が、どれだけ苦しくなっているか判ります。

例えば、家賃ですが、3ヶ月で1万円単位で、上昇したら、どう思います? これは、特別高級住宅街の話ではなく、そこそこ郊外の通勤圏のアパートの話です。インフレ前から、不動産が高騰していたサンフランシスコなどでは、何十年も住んでいた古参の住人が、家賃や地代を払えなくて、ホームレスとして、テント村で寝起きする光景が珍しくなくなっています。

目立っているのは家賃ですが、アメリカの物価は、殆どの商品があがっています。光熱費、ガソリン代、食費と、その範囲は広く、生きていくのに必要なインフラが割高になっています。例えば、パック入りの牛乳の値段は、1000円/1000ml近くします。良くアメリカは、時給が高い、チップがあると言われてますが、物価が、このレベルで高いと、給料の額が高くても、余り意味が無くなります。

場所によっては、無いと生活そのものが成り立たない自家用車用のガソリンも高騰しています。実は、アメリカはシェール技術が開発されてから、世界一の産油国なのですが、バイデン大統領が大統領選挙で、化石燃料からの脱却を掲げて当選したので、何と石油の採掘に制限をかけています。その為、ガソリンの価格は、高騰しているわけです。ウクライナ危機で、世界中で原油と天然ガスの値段が高騰し、わざわざサウジアラビアまで、増産を頼みに行っているのに、自国の油田には制限をかけているという訳のわからない状態です。

いや、まったく、SDGsもいい加減にしてもらいたいものです。』

昨日、EUも政策金利を利上げ。通常の倍の0.5ポイント : 机上空間

昨日、EUも政策金利を利上げ。通常の倍の0.5ポイント : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29242270.html

『昨日は、EU全体の政策金利の発表があったのですが、欧州のインフレも酷いので、やはり大幅に上げてきました。とはいえ、アメリカが驚異的なペースで政策金利を上げているので、インパクトは薄いですが、腰の重いヨーロッパも金利を上げたので、主要国で金利を固定しているのは、日本だけです。EUとは、独立していて、決済通貨として重要な、スイス・フラン、ポンドも利上げを既にしているので、実に悪目立ちしています。スイス・フランなんか、金利をいじるのは17年振りです。

日本が金利を上げられない理由は、国内で消化している莫大な国債です。ほんのチョット金利が上がると、数兆円単位で返済額が膨らみます。その為、指値オペという日銀が国債を買い取る事で、日本の国債金利を0.25%以下に固定する金融政策を取っているのですが、それを外国のヘッジファンドに狙われています。売り圧力をかけて、この金利政策を崩せば、大儲けできるからです。理論的には、通貨発行権を持つ日銀は、いくらでも円を刷れるので、普通はヘッジファンドが挑戦してくる事は無いのですが、その国の中央銀行の政策で、金融を支えるようになると、他の政策を取る選択肢が無くなるので、畳み掛けるように圧力をかけて、その政策を崩す事で発生する利益を狙いに来る事があります。

何しろ相手が国なので、成功すれば、莫大な利益が転がり込んできます。そして、その国の金融は混乱に陥って、経済に甚大な被害がでます。しかし、金融の世界では、ルール違反さえしていなければ、何をしても正義です。その国の国民の生活が、どうなろうと、ヘッジファンドの知った事ではありません。利益が取れると踏んだなら、容赦なく攻撃してきます。その標的に、今の日本経済は、晒されているという事です。

元はと言えば、借金体質を放置して、日銀の買い支えに寄りかかった日本の財務体質が、元凶なので、誰が悪いとかの話では無いんですね。利益が狙えるから、ヘッジファンドに狙われたというだけの話です。金融の世界では、相手が国だろうと、何だろうと、弱点が見えれば、蹴ってくるのは、挨拶みたいなものです。そうでなければ、あれだけ巨額なマーケットが維持できるわけがないのです。ただし、結果として起きた事は、日本国民全体で受け止める事になります。なので、貴方に無関係な事では、決してありません。貴方が何の仕事をしていてもです。

今、円安が進んでいるのも、第一の原因は、他国と円の政策金利差で、金利の高い国の通貨へ資産が移動しているという事もありますが、海外のヘッジファンドが、継続的に国債の売り圧力をかけているので、日銀が買い取りを続ける必要があり、その資金として円が刷られ続けているという事もあります。つまり、国債の買い取りを通じて、円がガンガン流通しているので、円の価値が希釈されて、価値が下っているのです。日本のインフレは、こうした金融のテクニカルな事が主要因になっているので、実に「悪いインフレ」です。良く言われるインフレ目標の2%を達成したから、デフレ脱却で万々歳かと言えば、内容が酷いので、まったく意味が無い数字です。

実際、日本の場合、インフレが進行しても、企業がなかなか値上げしない為、利益を圧迫して、物価が値上がりしても、給料は上がらないという典型的なスタッグフレーションの傾向が出ています。

まぁ、それはそれとして、チャート見物が趣味のワタシ的には、なかなか刺激的な夜でした。昨晩の夜中の9時15分に、EUの政策金利の発表があり、9時45分からガラルドEU銀行総裁の会見があったのですが、利上げについては、早い段階で確定で決まっていて、利上げ幅の問題だけであり、しかも市場が早いうちから0.5ポイントの利上げを織り込んでいたので、チャートの動きとしては、凡用でした。面白かったのは、2時間ほど、ユーロ高に動いた後で、全戻しして、更にユーロ安に動いた事です。やはり、ロシアのウクライナ侵攻や、物資不足によるインフレは、経済問題として深刻で、ユーロ自体の信用が低下しているのが伺えます。

今朝の段階では、再びユーロが買い戻されていますが、どうも信用面でユーロが弱いという事が露呈してしまった動きですね。まぁ、アメリカが0.75ポイントの利上げを毎月のように連発しているので、その前ではインパクトが薄いというのもあるのでしょうが、通貨の価値=発行国の信用です。大幅利上げをしても、通貨の価値が逆行したという事は、それだけ信用が落ちているという事でしょう。』

ロシア 使い捨て兵士に利用されるシベリアのブルーカラーや少数民族出身者

ロシア 使い捨て兵士に利用されるシベリアのブルーカラーや少数民族出身者 – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/aafe70438a3285b3e7cf6baf6809b018

『【アフガニスタン侵攻の10年間の戦死者とほぼ同じ戦死者】
昨日(7月21日)ブログ“ロシア ガスで欧州を揺さぶる 制裁の「痛み」に西側は耐えられるか?”では、欧米側の事情、どこまで対ロシア制裁の「痛み」に耐えられるか・・・という話をとりあげましたが、時間とともに影響が深刻化し、どこまで耐えられるか・・・という点ではロシアも同じです。

ロシアの兵士・武器の損耗が激しく、兵員不足・兵器不足に陥っていることは以前から報じられているところです。

戦死者数などについてロシア側は最近の実態を公表していませんので不透明ではありますが、イギリス情報機関がロシア側の被害の深刻さについて改めて言及しています。
(これが実態を示すものなのか、希望的観測あるいはウクライナを支えるための政治的発言なのかはわかりませんが)

****ロシア軍死者は1万5000人 英米情報当局****

と米国の情報機関トップは、5か月に及ぶウクライナ侵攻で死亡したロシア兵は推定1万5000人に上るとの見解を示した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の想定をはるかに上回る戦死者だとしている。

英対外情報部「MI6」のリチャード・ムーア長官は21日、米コロラド州で開かれているアスペン安全保障フォーラムで、1万5000人は「恐らく控えめな見積もり」であり、短期間で勝利できると思っていたプーチン氏にとっては「面目が丸つぶれ」となる事態だと指摘した。
ムーア氏は、「1980年代のアフガニスタン侵攻の10年間の戦死者とほぼ同じ数だ」と述べた。

さらに、犠牲になっているのは「サンクトペテルブルクやモスクワの中流階級の子どもたちではない」と指摘。その上で、「彼らはロシアの地方出身の貧しい子どもたちだ。シベリアのブルーカラーが住む町の出身だ。少数民族の子も不釣り合いに多い。こうした子どもたちが使い捨ての兵士にされている」との見方を示した。

米中央情報局のウィリアム・バーンズ長官も20日、諜報活動による見積もりでは「(ロシア側の)死者は1万5000人近辺で、負傷者は恐らくこの3倍の数に上っている」と話した。

バーンズ長官は「これはかなりの損失だ。ウクライナ側もこれよりわずかに少ない数の死者が出ており、負傷者の数も非常に多い」と述べた。

ウクライナは今月、ロシアの戦死者は約3万6200人に上ったとし、米英に比べてはるかに大きな数字を示している。一方、ロシアはこれまで2回しか死者数を発表しておらず、3月25日に1351人という数字を公表して以降、情報は途絶えている。 【7月22日 AFP】

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****ロは数週間で「力尽きる」、ウクライナに反撃機会=英MI6長官****

英国の対外情報機関、秘密情報部(MI6)のムーア長官は21日、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍は今後数週間のうちに何らかの形で作戦を休止し、ウクライナに重要な反撃機会を与える可能性が高いとの見解を示した。
米コロラド州で開催されたアスペン安全保障フォーラムで講演した。

同長官は、ウクライナ戦争でこれまでに約1万5000人のロシア軍兵士が死亡したとの推計を発表。これは「おそらく控えめな推計値」だとした。

その上で、今後数週間でロシア軍は人員や物資の供給に一層困難をきたすと予想。「何らかの形で一時停止せざるを得なくなり、ウクライナに反撃の機会を与えることになる」とした。

プーチン大統領の健康状態については「深刻な健康状態に陥っているという証拠はない」と答えた。【7月22日 ロイター】

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ロシアが数週間で「力尽きる」云々は、やや希望的・楽観的に過ぎるような感じも。
ただ、多くの犠牲者が出ているのは間違いないでしょう。

【増える徴兵忌避】
ロシアにとって多数の戦死者を出すことは国民の厭戦気分を高め、戦争を維持することを困難にするだけでなく、プーチン大統領への批判を高めることにもなります。

そのため、民間軍事会社を利用したり、社会的に大きな声になりやすい大都市の若者ではなく、地方の若者を兵員に投入することで、「軍事作戦を支持する。だが同時に、実地の参加は強要されない」という(大都市)国民と政府の“契約”を成り立たせているという件は、7月10日ブログ“ロシア 国民に極力戦争を意識させることなく「戦時経済体制」へ 都市部若者の関心は薄れる”でも取り上げました。

“ロシア軍は春と秋の年2回、18~27歳の男性を招集し、1年間の兵役を課す徴兵制をとっている。兵役は名目上では義務とされるが、多くの国民は高等教育機関に進学したり、招集に応じなかったりして徴兵を免れている。ウラジーミル・プーチン大統領は今回(22年春季)、13万4500人の採用目標を設定した。”【4月2日 AFP】

戦争で命を落としたくない、特に意味が定かでない戦争に駆り出されて死ぬのは嫌だ・・・とうのは当然の話。

****「月給65万円でもウクライナで戦いたくない」 徴兵忌避増えるロシアの若者****

ダニラ・ダビドフさん(22)が母国ロシアを離れたのは、政府がウクライナ侵攻を開始してから数週間後のことだった。支持しない戦争で血を流すことを恐れたからだという。

デジタル・アーティストのダビドフさんは、サンクトペテルブルクで暮らしていた。紛争が長引く中で、ロシア政府が自分のような若者に対し、軍務に就くよう圧力をかけるのではないかと懸念している。

ダビドフさんは現在の勤務地であるカザフスタンでロイターの取材に応じ、「戦争にも刑務所にも行くのは嫌だったから、国を出る意志を固めた」と語った。

兵役拒否で家族と険悪に

弁護士や人権活動家によれば、ウクライナ侵攻が始まった2月末以来、ダビドフさんのように兵役義務を逃れようとするロシアの若者が増加している。ロシア社会における紛争への複雑な思いが垣間見られる。

若い男性の中には、国を離れる人もいれば、兵役免除など別の道を探るべく助言を求める人もいる。あるいは、召集を無視して当局による訴追がないことを期待するだけという例もある。ロイターでは、兵役回避を模索している男性7人のほか、弁護士や人権活動家5人に話を聞いた。

ロシアでは18─27歳の男性に兵役が義務付けられており、拒否すれば罰金または2年の禁固刑が科されるリスクがある。ある男性はロイターに対し、兵役を拒否したことで、兵役は若者の義務だと信じている家族との間が険悪になったと語った。

ダビドフさんは、国外で採用が決まっていたので兵役登録を解除し国を離れることができたと語る。いずれは母国に戻りたいと言いつつ、しばらくは無理だろうと嘆く。「ロシアを愛しているし、とても寂しく思う」(中略)

ロシア政府は、現在「特別軍事作戦」を遂行中であり、計画通りに進行していると述べている。ロシアのプーチン大統領は、国家のために戦う兵士らは「英雄」であり、ロシア語話者を迫害から救い、「ロシアを崩壊させようとする西側の計画」を挫折させている、と称賛している。大統領は3月、ロシアより西側に近い考えを持つ者は、「裏切り者」であると述べた。(中略)

プーチン大統領が頼りにしているのは職業軍人で構成される陸軍だが、西側諸国によれば、開戦以来相当の損失を被っているという。ロシア陸軍が十分な志願兵を補充できなければ、同大統領の選択肢は、ロシア社会を巻き込んで徴集兵を動員するか、自身の野望を縮小させるか、ということになる。

プーチン大統領は、徴集兵をウクライナ紛争での戦闘に参加させるべきではないと繰り返し公言しているが、国防省は3月初め、すでに一部の徴集兵がウクライナで戦っていると述べている。6月にはロシア軍検察官が国会上院において、約600人の徴集兵が紛争に動員されており、その結果、10数人の将校が懲戒処分を受けたと証言している。

ウクライナでは戒厳令が敷かれ、18歳から60歳までの男性は出国が禁止されている。ウクライナ政府は、ロシアによる侵攻は一方的な帝国主義的な領土奪取であり、最後まで戦い抜くと表明している。

「怯えている人は多い」

ピョートル大帝がロシアを欧州の大国として変貌させて以降、ロシアの支配者は、世界屈指の規模の戦闘部隊である巨大なロシア軍の一部を徴兵制に頼る例が多かった。対象年齢の男性は、1年間の兵役に就かなければならない。ロシアは年2回行われる召集により、年間約26万人の兵士を集めている。ロンドンを本拠とする国際戦略研究所(IISS)によれば、ロシア軍の兵力は合計約90万人である。

学業や医療上の理由による応召延期などの合法的な手段も含め、兵役回避は以前から定着している。だがここ数カ月、兵役回避の方法について支援を求める若い男性が増加していることが、そうした助言や法的支援を提供している弁護士や人権活動家4人への取材から明らかになった。そのうち2人によれば、大半はモスクワやサンクトペテルブルクなど大都市の若者だという。

無料の法律相談を提供している団体の1つが、ロシア出身で現在キプロス在住のドミトリー・ルツェンコ氏が共同運営者を務める「リリース(解放)」だ。ルツェンコ氏によれば、徴兵忌避の方法について助言を求める人々のために「リリース」がメッセージングアプリ「テレグラム」上で運営している公開グループでは、ウクライナ侵攻前に約200人だった参加者が、現在では1000人以上に膨れあがっているという。

もう1つの人権団体「シチズン・アーミー・ロー(市民・軍・法)」は、軍ではなく病院などの国営機関で働くなど、兵役以外の形での公的奉仕を模索する人への助言に力を入れている。この団体によれば、問い合わせる人は、昨年の同時期には40人前後だったのが、最近ではその10倍に当たる400人以上に増加したという。同団体のセルゲイ・クリベンコ氏は、「怯えている人は多い。実際に戦闘に従事している軍には入りたくないのだ」と語る。(中略)

月給65万円を提示されるも……

(中略)ロシアが兵員の補充を模索している兆候はある。5月、プーチン大統領は軍への志願者に対する40歳の年齢上限を撤廃する法律に署名した。このとき国会議員らは、この改正により先端的な装備やエンジニアリングなどの専門分野における経験豊富な人材が集まるはずだと述べていた。

匿名を希望する30代のロシア人男性はロイターに対し、いくつか個人的な事情を確認したいという建前で、軍のオフィスに出頭するよう電話で要請されたと語った。オフィスでは、軍服を着た正体不明の男性が過去の従軍歴について質問し、ウクライナでの戦闘に参加すれば月額30万ルーブル(約65万円)の報酬を出すと申し出たという。(中略)

この男性は、自分は職業軍人ではなく、兵役を終えて以来1度も銃を発射したことがないことを理由に、このオファーを断ったという。「30万ルーブルもらっても、死んでしまっては何もならない」とこの男性は話した。【7月19日 Newsweek】

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【大都市若者に変わって投入される少数民族兵士 劣悪環境で戦線離脱も】

プーチン政権側も無理やり大都市若者を戦線に投入して、結果“反戦”の声が高まっても困りますので、給与などで釣りやすい地方の少数民族を多用する事態になっているようです。

そのため“犠牲になっているのは「サンクトペテルブルクやモスクワの中流階級の子どもたちではない」と指摘。その上で、「彼らはロシアの地方出身の貧しい子どもたちだ。シベリアのブルーカラーが住む町の出身だ。少数民族の子も不釣り合いに多い。こうした子どもたちが使い捨ての兵士にされている(英「MI6」のムーア長官)”【前出 AFP】ということに。

しかし、死にたくないのは少数民族でも同じ。想像とは異なるウクライナの惨状から逃げ出したい兵士も少なくないようです。

****戦いを拒んで帰国し、迫害されるロシアの少数民族兵士****

<ウクライナの戦場に駆り出されたロシアの少数民族兵士が故郷に帰り、脱走兵にされている。なかには凍傷を放置して手足を切断した例も>

ウラジーミル・プーチン大統領が主導する対ウクライナ戦争の前線で、ロシア軍の一部兵士は戦闘への参加を拒み、帰国している。そのなかには、凍傷にかかって手足の一部を切断せざるを得なかった者がいたことを、兵士らの故郷の人権活動家が明らかにした。

この活動家と軍事弁護士が独立系英字紙モスクワ・タイムズ紙に語ったところによると、プーチンのウクライナ侵攻からわずか数週間の3月、ロシア軍のある部隊の兵士300人が命令に反してウクライナ東部ドネツク州の陣地を離れ、故郷であるダゲスタン共和国の町ブイナクスの基地へ戻ってきたという。

同記事によれば、兵士たちは契約軍人で、基地に戻ってから契約解除の手続きを開始し、その後、脱走兵として扱われた。

契約軍人らから弁護を依頼された軍事弁護士は、モスクワ・タイムズ紙に対し、ウクライナでの戦闘に加わることを拒否して無断で任地を離れたことによって、彼らが重罪に問われる可能性が出てきたという。

「兵士らは軍服や武器に問題があったと主張している」と、この弁護士は語った。「軍人が10日以上勤務地を離れた場合、刑事責任が問われる可能性があり、現在、軍検察庁が調査している」

ある人権活動家によると、帰国時に手足が凍傷にかかっていた兵士もいて、何人かは「黒くなった部分を切り落とさなければならなかった」ため、障害者になった。

武器も備品も欠陥品

この活動家によると、兵士たちの軍服や備品には問題があり、支給された武器は「欠陥品」だったという。一部の兵士は親族や地元当局からの圧力でウクライナに戻った。

モスクワ・タイムズ紙は、兵士たちの帰国にはプライベートな事情がからみ、退役したことを恥じる気持ちもあるため、兵士に直接話を聞くことはできなかったとしている。
本誌は、これらの主張を独自に確認することができず、ロシア外務省にコメントを求めている。

今回のケースが報道される前にも、ブリヤート共和国出身のロシア軍兵士100人がウクライナでの戦闘を拒否して帰国していたことが、反戦団体によって報告された。

ブリヤート族が結成した反戦運動団体「フリー・ブリヤート財団」によると、ロシア国防省との契約を解除した軍人150人を乗せた飛行機が、7月9日にモンゴル国境近くのロシア領内に着陸したという。

同財団の創設者アレクサンドラ・ガルマジャポワは、軍人らの妻たちは今年6月、ロシア軍に従軍中の夫は契約を打ち切ろうとしており、契約解除後は帰国させてほしいと訴える動画を作成し、ブリヤート共和国の首長に請願した、とウクライナのテレビ局に語った。
帰国の途に就く前、軍人らはウクライナ東部ルハンシク州の収容所に数日間拘束され、訴訟を起こすと脅かされたという。

ロシアの軍事専門家パベル・ルジンは3月、ガーディアン紙に、戦死する兵士の多くがブリヤート、カルムイキア、ダゲスタンといった貧しい「少数民族」共和国の出身であることが明らかになりつつある、と述べた。
これらの地域出身者は、ロシア軍の下級兵士に多いとルジンは言う。

ロシアの調査報道機関インポータント・ストーリーズが収集したデータによると、ダゲスタンとブリヤートは共に、ロシアの対ウクライナ戦争で公式に報告された死傷者の数が最も多い地域となっている。【7月20日 Newsweek】

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欧米側も苦しいけど、ロシアの内情も相当に苦しそう。
プーチン大統領は「我々はまだ本気を出していない」と発言していますが、戦時動員を宣言して本格的な戦時態勢をとればロシア社会にも動揺が広がるので、何とかその手前で抑えたいというところでしょう。』

各国情報部がロシア軍の失速、失敗を指摘

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:各国情報部がロシア軍の失速、失敗を指摘と露の核兵器を警戒
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5358161.html

『英国の対外情報機関、秘密情報部(MI6)のリチャード・ムーア長官MI6 chief Richard Mooreは2022年7月21日、ウクライナに侵攻を続けるロシア軍について「失速し、力を失う寸前にある」とする見解を明らかにし、長官は「今後数週間、人的資源の供給がますます困難になるだろう」と述べ、ロシア軍が作戦行動を何らかの形で一時的に停止せざるを得なくなる可能性を、米コロラド州で開かれた安全保障フォーラムで述べた。

ウクライナにおけるロシアの当初目標は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領を失脚させ、首都キーウを制圧し、西側諸国の不和と分断を引き起こすことだったが、実際にはこの目標を達成できず、「とてつもない失敗」をしたと指摘した。MI6長官が公の場で発言するのは異例。現在ロシア軍はアゾフ海や黒海に面したウクライナ南東部の広範な地域を占領。東部ドンバス地方で支配領域の拡大を目指しているが、このところ部隊の動きが目立って緩慢になっているもようだ。参照記事 英文記事 参照記事
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カナダ軍情報司令部(CFINTCOM)は7月21日、ロシア軍のウクライナでの人員・装備損耗により、ロシアは自らの軍事目標を達成できないとの評価を発表した。同発表には、「人員・装備の著しい損失により、ロシアはウクライナにおける自らの野望を遂行する軍事能力をもはや有していないようである」と書かれている。また、情報司令部は、ロシアは「すでに得た部分的な領土の支配のために新しい公な根拠を提供しながら」自らの戦略目的を縮小せざるを得なくなっていると指摘した。参照記事

FireShot Webpage Screenshot #1779 – ‘Russia

一方米メディアは、ロシアのプーチン大統領は、占領されているケルソン、ザポリジャー、ドネツク、ルハンスク地域に対するウクライナの反攻を抑止するために、核の脅威を利用するかもしれないと、米国に拠点を置くシンクタンクは述べていると報じた。

米国のシンクタンク戦争研究所(ISW:The Institute for the Study of War)は2022年7月19日の戦争評価で、クレムリンは、現在ロシア軍が占領、併合している地域に、プーチンがロシア領土を守るために、核兵器の使用を認めるロシアのドクトリン(原則)が新たに併合した地域にも適用されると、直接的または遠回し directly or obliquelyに表明する可能性があると指摘した。

ロシアの軍事ドクトリンは、ロシア領土に対する非核兵器による攻撃に対しても、戦場での核兵器使用を認めている。2000年以降に発表されたドクトリンでは、ロシアとその同盟国に対する「すべての大量破壊兵器による攻撃に対応するため、核兵器を使用する権利を留保する」と記されている。

ISWはキャンペーン評価で、「ロシア占領地解放のためにウクライナの反撃が続けば、こうした行動はウクライナとそのパートナーを核攻撃で脅かすだろう」と述べた。英文記事、、、随分殺伐とした内容だが、プーチンはすでにそのような脅しめいた発言を繰り返しており、新たな脅威と取る必要は無いにしても、可能性が高まったと判断する材料があるのだろう。プーチンに対する印象操作と取れないことも無いが、、。』