イタリア・ドラギ首相辞任へ 議会解散、9月25日に選挙

イタリア・ドラギ首相辞任へ 議会解散、9月25日に選挙
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR217F60R20C22A7000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアのドラギ首相は21日、マッタレッラ大統領に再び辞表を提出し、受理された。大統領は同日、上下院の解散を表明した。同国政府は9月25日に前倒し総選挙を実施することを決めた。ドラギ氏は新政権発足まで暫定政権を率いる。

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マッタレッラ氏は声明で「政府に対する議会の支持が失われた」と解散の決断に至った理由を説明した。

主要与党が離反し、連立政権の維持が困難になったため、ドラギ氏は辞任に追い込まれた。同氏は欧州中央銀行(ECB)の前総裁で、非議員の立場ながら2021年2月に首相に就任。新型コロナウイルス危機などへの対応を指揮してきた。

金融市場はイタリアの政治危機を懸念した。同国の10年物国債利回りは21日、前日の3.5%前後から一時3.7%を上回る水準まで上昇(債券価格は下落)した。

ドラギ政権の政策に不満を示した与党のポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」が不信任を突きつけ、ドラギ氏は14日に辞表を提出した。この時は大統領は辞任を認めず、議会での解決を指示していた。20日に議会上院で実施された内閣の信任投票では、五つ星に加え、他の主要政党も投票をボイコットした。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

ECBの利上げ開始で、過剰債務国の信用リスクが注目を集めやすい最中でのドラギ首相の辞任劇。早期退陣は残念ですが、専門家(テクノクラート)内閣は、左右を横断する政党が支持する挙国一致型でなければ存続すべきでないというドラギ首相の判断は正しいと思います。
ドラギ首相は、西側の首脳が低支持率に喘ぐ中、唯一、支持率が5割を超える首脳でもありました。
https://morningconsult.com/global-leader-approval/
今後展開される選挙戦で、国民の意向には必ずしも沿わない形でドラギ首相を退陣に追い込んだ政党にどのような審判が下るのか、どのような連立の組み合わせとなり、新政権は連帯を深めるEUや西側でどう振る舞うのか。注目したいと思います。
2022年7月22日 5:36

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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別の視点

ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領について、言論抑圧・監視体制を背景とする国内の支持基盤の強さを見落とし、早い段階で政権の座から引きずり降ろされるだろうという希望的観測が、日本では一部の識者の口から出ていた。だが、事態は正反対の動き。対ロシア経済制裁に参加した欧州諸国のうち、ウクライナに強く肩入れした英国のジョンソン首相が辞意を表明。イタリアではドラギ首相が辞任することになった。フランスではマクロン大統領の与党が下院選で過半数割れ。米欧は民主主義であるがゆえに、脆い面を抱える。経済苦境に陥ると、政府・与党への不満が噴出しやすい。イタリアの次期政権の対ロシア姿勢に、筆者は注目している。
2022年7月22日 7:57 』