ミャンマー総司令官、原発技術でロシアの協力要請か

ミャンマー総司令官、原発技術でロシアの協力要請か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM14EM00U2A710C2000000/

『【ヤンゴン=新田裕一】クーデターで全権を掌握したミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官は16日、1週間のロシア訪問を終えて帰国した。ロシア滞在中は国営原子力企業ロスアトムの幹部らと会談し、原子力発電の導入を視野に協力を要請したとみられる。両国とも欧米の制裁を受けるなか、ミャンマー国軍はロシアとの経済関係の構築を急いでいる。

ミンアウンフライン氏は11日、ロスアトムのリハチョフ社長と会談し、原子力分野での協力について協議した。ロスアトムの発表によると、今回の会談にあわせ、原子力分野の技術者育成などで協力する覚書をミャンマー側と交わした。6月にロシアを訪問したタウンハン電力相もリハチョフ氏と面会し、ミャンマーの電力事情などを説明している。

ロシアとミャンマーは旧軍事政権下の2007年、ロシアが小型の研究用軽水炉を含む核研究施設の建設でミャンマーに協力することで合意した。だが米国などが懸念を表明し、実現しなかった。アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)政権は、16年に包括的核実験禁止条約を批准するなど、核不拡散を重視する立場を示していた。

21年2月のクーデター以降、ミンアウンフライン氏がロシアを訪問するのは2回目。前回は軍需産業などの視察が中心だったが、今回はそれに加え、大学など科学技術関連の訪問先が目立った。国営宇宙開発企業ロスコスモスの幹部とも会談した。国防省幹部との会合では、軍事関連技術での協力や今後の合同訓練を話し合った。

ロシアはウクライナ侵攻で、ミャンマー国軍は民主派への武力弾圧でそれぞれ欧米の制裁対象となっている。ミャンマーは22年6月、計画・財務相や商業相ら5人の経済閣僚をロシアでの国際会議に派遣した。ロシアとの連携で経済的な孤立の打開を探る。

ただ、ミャンマーとロシアには温度差がある。ミャンマー側は国営紙を通じ「首相」のミンアウンフライン氏のロシア訪問をアピールしたが、ロシア側は「私的訪問」だと説明した。ミンアウンフライン氏に応対したのは国防省で、プーチン大統領との面会は実現しなかった。

7月初旬、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は国際会議に出席するためミャンマー中部の遺跡都市バガンを訪問したが、ミンアウンフライン氏と面会しないまま出国した。
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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/Myanmar-Crisis/Myanmar-seeks-Russian-assistance-in-push-for-nuclear-energy?n_cid=DSBNNAR 』