米報告書、ロシアの戦争犯罪非難 中国の人権弾圧に制裁

米報告書、ロシアの戦争犯罪非難 中国の人権弾圧に制裁
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『【ワシントン=坂口幸裕】米国務省は15日、国際社会での残虐行為を防ぐ取り組みをまとめた年次報告書を発表した。ロシアが侵攻を続けるウクライナで戦争犯罪をしていると非難。同盟国などと連携し、ロシアの責任を追及すると記した。中国については新疆ウイグル自治区などで人権弾圧に関与した当局者への制裁を含む措置をとる方針を示した。

報告書は米議会が2018年にジェノサイド(大量虐殺)を含む残虐行為を防止する目的で制定した法律に基づく。ホロコーストを生き延びたユダヤ人作家で、ノーベル平和賞を受賞したエリ・ウィーゼル氏の名を冠した「エリ・ウィーゼル法」で国務省に政府の対策を議会に提出するよう求めている。

同省によると、報告書は今回が4回目で21年6月~22年5月の対応をまとめた。ロシア軍は降伏しようとしたウクライナ人を処刑したり拷問したりしたほか、民間人をロシアやベラルーシに強制移住させた。

米国はロシアがウクライナで26万人の子どもを含む90万~160万人を支配地域などに強制連行したとみる。民間人の保護に関するジュネーブ条約に違反する戦争犯罪にあたると断定。国際刑事裁判所(ICC)やウクライナ政府などと協力し、民間人殺害の証拠収集などで犯罪の立証を支援する。

中国の人権状況にも言及した。バイデン政権はイスラム教徒であるウイグル族への弾圧をジェノサイドと認定しており「人道に対する罪とジェノサイドを終わらせるよう求め続ける」と指摘。抑圧行為にかかわった中国当局者の入国拒否や金融制裁、輸出制限などを講じたと説明した。

ミャンマー国軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害を巡っては、今年3月にジェノサイドに認定したと改めて明記。21年8月にイスラム主義組織タリバンが制圧したアフガニスタンに関し、米政府がタリバン側に女性や少女、少数民族の基本的人権を尊重するよう要求したと訴えた。

シャーマン国務副長官は15日、「残虐行為や人権侵害の責任を負うべき人物や政府を追及するため、あらゆる手段を展開していく」と強調した。

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