メキシコ大統領、米国に歩み寄り 移民問題巡り首脳会談

メキシコ大統領、米国に歩み寄り 移民問題巡り首脳会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN120P50S2A710C2000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【メキシコシティ=清水孝輔】メキシコのロペスオブラドール大統領は12日、米首都ワシントンでバイデン米大統領と会談し、移民対策の強化について協議した。ロペスオブラドール氏は6月に米主催の首脳会議をボイコットし、両国の溝が浮き彫りになった。共通の課題である移民問題への対応で歩み寄ることで、米政府との関係改善を狙う。

「我々は意見の違いにもかかわらず、良い友人として連携することができる」。メキシコのロペスオブラドール大統領は12日、バイデン氏と並んで記者に対して両国関係の改善をアピールした。ロペスオブラドール氏は同日に移民問題を担当するハリス米副大統領とも会談した。

移民問題では米メキシコ国境にある設備を更新し、国境を行き来しやすくして両国間のビジネス拡大を促す方針を確認した。ロペスオブラドール氏はバイデン氏に対し、中南米出身の労働者の受け入れ拡大を求めた。麻薬密売では致死性が高い合成オピオイドの「フェンタニル」の対策に取り組むチームを共同で設置する。

ロペスオブラドール氏は6月、米政府が米ロサンゼルスで主催した米州首脳会議をボイコットした。キューバとニカラグア、ベネズエラを会議に招待しなかった米政府に対し、「全ての国を招待すべきだ」と反発した。メキシコに続いてホンジュラスやグアテマラの大統領も欠席を表明し、合計で中南米の8カ国首脳がボイコットした。

ロペスオブラドール氏は18年に就任してから内政を優先し、外交は主にエブラルド外相に任せてきた。6年間の任期が後半に入る中、5月に中米諸国を訪問するなど外国の首脳との会談を増やしている。中南米におけるメキシコの外交力を示し、バイデン政権に対して移民問題や経済連携で譲歩を引き出そうとしているとみられる。

一方でバイデン政権にとってもメキシコとの関係改善には利点がある。共通の課題である移民問題は11月の米中間選挙に向けた焦点の1つになっており、対策には国境を接するメキシコ側の協力が不可欠だ。米国内のヒスパニック系の有権者の支持を得る意味でも移民問題への対策は重要となる。

バイデン氏は13日からの中東訪問の直前にロペスオブラドール氏と会談した。ロシアによるウクライナ侵攻やエネルギー価格の高騰で世界情勢が混乱する中、米政府が中南米外交に割ける時間は限られる。中南米外交を安定させるためにも、隣国であるメキシコとの関係悪化は避ける必要がある。』