ミクロネシア大統領、中国招待する会合「参加できない」

ミクロネシア大統領、中国招待する会合「参加できない」
太平洋諸島フォーラム首脳会議での地域結束を優先
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1307W0T10C22A7000000/

『【スバ(フィジー)=松本史】太平洋の島しょ国、ミクロネシア連邦のパニュエロ大統領は中国が10の島しょ国に呼びかけて14日に開催を予定するオンライン会合に参加しない方針を示した。ミクロネシアは中国と国交を持つが「中国との関係は通商や技術面でのパートナーシップであって安全保障ではない」と強調し、安保面での関与を強めようとする中国に警戒感を示した。

太平洋の島しょ国とオーストラリア、ニュージーランド(NZ)で構成する太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議に出席するため訪問したフィジーで日本経済新聞の単独取材に応じた。

太平洋地域では中国がインフラ支援を通じて影響力を強め、4月にソロモン諸島と安保協定を結んだ。中国はPIF首脳会議の最終日に当たる14日の午後に約1時間、地域で国交を持つ10カ国を対象としたオンラインでの会合を呼びかけている。

これに対して、パニュエロ氏は「首脳会議の会期中は会議に集中し(PIF参加国以外の)パートナー国とはその後に話をする」と述べた。14日には出席する首脳らの会合が予定されており「残念ながら中国との対話には参加できない」と明言した。

またパニュエロ氏は中国によるオンライン会合の呼びかけに否定的な見方を示した。「我々(太平洋の島しょ国)が一堂に会し、秩序を整え亀裂を修復し前進しようとしている時に、関与しようとするのはあまり生産的とは思わない」と述べた。

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中国は王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が5月末にフィジーを訪問した際、国交を持つ10カ国とオンラインで外相会合を開催し、地域を包括する安全保障協力の合意を目指した。パニュエロ氏は事前に各国に書簡を送り「地域の安定に脅威になり、新冷戦を引き起こす」と反対姿勢を示していた。

パニュエロ氏は「ほとんどの国が私が示したのと同様の見解を示した」と明かし、「こうした問題は太平洋の島しょ国全体として(太平洋諸島)フォーラムのような多国間の枠組みで議論され、総意に基づき決定されるべきだと合意した」と述べた。

また、「各国は開発支援や協力について中国と2国間で話し合えばよい」としたうえで「超大国と関与して安保上の懸念を高めるようなことを地域に持ち込むのであれば、それは我々の最善の利益にはならない」と安保面での中国の関与に強い懸念を示した。

ソロモンと中国が結んだ安保協定については「ソロモンの主権を侵害せず、我々の地域を危険にさらさない形であることを望むし、今後もこうした懸念をソロモン側に伝えていく」とした。

ミクロネシアは米国と結んだ「自由連合協定(コンパクト)」のもと防衛を米国に委ね財政支援を受ける。ミクロネシアと米国の協定更新の期限は2023年に迫っている。パニュエロ氏はコンパクトについて交渉担当者が6月に米国で会談したと明かし「我々は9月までの交渉妥結を目指している」との姿勢を示した。』