米国の戦略に従って戦争の準備を進めてきた日本にとっての正念場が近づいている

米国の戦略に従って戦争の準備を進めてきた日本にとっての正念場が近づいている – 《櫻井ジャーナル》:楽天ブログ
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『自民党は現行憲法を変えようとしている。日本はアメリカの巨大金融資本を動かしている勢力に従属している以上、その改憲はアメリカ支配層の意向に沿うものだ。

 かつて自民党が発表した改憲試案を読むと、特に重要な変更は第98条にある。「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。」というのだ。

 こうした状況はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で生み出された。2020年1月30日にWHO(世界保健機関)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと表明、3月11日にパンデミックを宣言した。そこから世界規模の騒動が始まる。

 その対策は社会を混乱させ、経済活動を麻痺させた。物流を停滞させて少なからぬ企業の経営を悪化させ、倒産に追い込んでいる。失業者、ホームレス、そして自殺者を増加させてきた。

 そして現在、欧米の私的権力は「パンデミック」を口実として、WHOが全ての加盟国にロックダウンや「ワクチン」の強制接種などを命令できる「パンデミック条約」を締結しようとしている。各国政府を凌駕する権力をWHOに与えようというわけだ。

 その​WHOの事務局長を務めているエチオピア人のテドロス・アダノムを調査すべきだとICC(国際刑事裁判所)に訴えた活動家がいる​。デイビッド・スタインマンだ。アダノムはTPLF(ティグレ人民解放戦線)の幹部だった2013年から15年にかけて治安機関に所属、殺人や拷問に関係していたとスタインマンは主張している。

 誰がWHOを支配しているかは資金源を見ると推測できる。WHOに対する2018年から19年にかけての上位寄付者を見ると、第1位はアメリカ、第2位はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、第3位はイギリス、そして第4位はGaviだ。

 Gaviはワクチンを推進するため、2000年にWEF(世界経済フォーラム)の年次総会で設立された団体。活動資金はWHO、UNICEF(国連児童基金)、世界銀行、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団などから得ている。WHOという国際機関は欧米の私的権力に支配されていると言える。その私的権力に支配された組織に各国政府を凌駕する権力を与えようというのだ。

 欧米の支配層はISDS(投資家対国家紛争解決)条項を含むTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)を成立させようとしたが、その目的も同じ。WEFのクラウス・シュワブが打ち出した「資本主義の大々的なリセット」も目的は同じだ。

 アメリカでは1958年に緊急事態を想定した仕組みが作られた。核戦争で正規の政府が機能しなくなった場合を想定し、憲法に定められた手続きを経ずに秘密政府を設置しようというのだ。その秘密政府には9つの部署があり、その責任者が決められた。

 この仕組みが作られる前年、アメリカの好戦派はソ連に対する先制核攻撃を目的とする「ドロップショット作戦」を作成、1959年にはウエストバージニア州のグリーンブライア・ホテルの地下に「地下司令部」を建設し始めている。いわゆるグリーンブライア・バンカーだ。1962年にに完成している。

 この秘密施設の存在は秘密にされていたが、1992年にワシントン・ポスト紙のテッド・ガップ記者が明るみに出す。同記者によると、施設の壁は60センチメートル以上あり、鋼鉄で補強されている。施設の上にはコンクリートの屋根が作られ、そのうえには6メートル以上の土がかぶせられたという。

 この記事が出た直後にバンカーは放棄され、ペンシルベニア州にあるレイブン・ロック山コンプレックス、通称サイトRが「地下ペンタゴン」として機能するようになる。

 秘密政府の仕組みがジョン・F・ケネディ政権からジェラルド・フォード政権までどのようになっていたか不明だが、ジミー・カーターが大統領を務めていた1979年にFEMAという形で浮上、ロナルド・レーガン政権ではCOGというプロジェクトが始まる。FEMAは2003年から国土安全保障省の下部機関になった。

 レーガンは大統領に就任した翌年の1982年にNSDD55を出してCOGプロジェクトを承認、NPOを創設。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)この組織はワシントンDCに独自のビルを持ち、責任者として少将が配属された。年間予算は数億ドル、レーガン政権の終わりには10億ドルに達している。(James Mann, “Rise Of The Vulcans”, Viking Penguin, 2004)

 COGは上部組織と下部組織に分かれ、上部組織は「プロジェクト908」と呼ばれる。そこにはジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたちが含まれていた。下部組織は「フラッシュボード」と呼ばれ、ホワイトハウスの役人、将軍たち、CIAの幹部、引退した軍人や情報機関員など数百人で編成された。(New York Times, April 18, 1994)

 当初、秘密政府を始動させる条件として核戦争が想定されていたが、1988年に出された大統領令12656によって、その対象は「国家安全保障上の緊急事態」に変更される。核戦争が勃発しなくても、支配階級が国家安全保障上の緊急事態だと判断すれば憲法の機能を停止できるようになったわけだ。

 1991年12月にソ連が消滅、92年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プランを作成。アメリカの国防次官だったポール・ウォルフォウィッツが中心になって書き上げられたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 このドクトリンの前提はアメリカが「唯一の超大国」になったということであり、他国に気兼ねすることなく単独で行動できるようになったとアメリカの好戦派は考えた。

 ところが、日本の細川護煕政権は国連中心主義を捨てない。そこでマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、友人で国防次官補だったカート・キャンベルを説得してジョセイフ・ナイ国防次官補に自分たちの考えを売り込んでいる。

 そして細川政権は1994年4月に倒れ、その翌年の2月にナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表した。10万人規模の駐留アメリカ軍を維持するだけでなく在日米軍基地の機能を強化、その使用制限は緩和/撤廃されることが謳われていた。

 そうした主張に日本側は抵抗したようだが、そうした中、ショッキングな出来事が相次ぐ。例えば1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でもサリンが散布されている。そうした事件を取り締まる最高幹部、警察庁長官は1994年7月に城内康光から國松孝次へ交代、その國松が95年3月に狙撃された。

 そして1995年8月にアメリカ軍の準機関紙であるスターズ・アンド・ストライプ紙は、85年8月に墜落した日本航空123便に関する記事を掲載する。この旅客機が墜ちる前、大島上空を飛行していたアメリカ軍の輸送機C130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づく記事で、自衛隊の責任を示唆している。日本政府はショックを受けただろう。
 そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、アメリカでは憲法の規定を否定する法律が制定され、侵略戦争を本格化させていく。

 当初は正規軍を投入したが、失敗。そこで2010年からムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を傭兵として投入し、リビアやシリアを含む北アフリカや中東を戦乱で破壊していく。2013年にはウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを開始、同時に中国でも「カラー革命」を仕掛けている。

 日本企業にとって中国は重要なビジネス相手であり、日中両国の良好な関係は維持したかったはずだが、それを破壊する出来事が引き起こされた。

 2010年6月8日に発足した菅直人内閣はその直後、尖閣諸島に関する質問主意書に対する答弁書を閣議決定したが、その中で「解決すべき領有権の問題は存在しない」としている。1972年9月につまり田中角栄首相が北京で日中共同声明に調印する際、「棚上げ」にした尖閣諸島の領土問題を復活させたのだ。棚上げの合意で日中両国は日本の実効支配を認め、中国は実力で実効支配の変更を求めないことを決めている。そして1978年8月に日中平和友好条約が結ばれ、漁業協定につながった。菅政権は日中平和友好条約の基盤を破壊し、漁業協定も否定したことになる。

 そして2010年9月、海上保安庁は日中の棚上げ合意を無視して尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を取り締まり、漁船の船長を逮捕しているが、これは「日中漁業協定」を無視する行為だった。この時に国土交通大臣だった前原誠司の意思がなければ不可能な行為だ。

 その前原はその月のうちに外務大臣になり、10月には衆議院安全保障委員会で「棚上げ論について中国と合意したという事実はございません」と答えている。この答弁は事実によって否定されている。

 ナイ・レポート以降、日本はアメリカの戦争マシーンに取り込まれていき、安保法制も制定される。その法律に関し、安倍晋三首相は2015年6月1日、赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「​南シナ海の中国が相手なの​」と口にしたと報道された。

 そして2016年、自衛隊は与那国島、奄美大島、宮古島に施設を建設した。その時の総理大臣は安倍晋三。2023年には石垣島にも建設する予定だ。​この基地建設の目的をアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が説明している​。

 アメリカ政府はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を立てているが、インド・太平洋地域でそうしたミサイルの配備を容認する国は日本以外にないとRANDコーポレーションは判断している。

 しかし、その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備に協力するという形にするしかないとRANDは考えているが、与那国島、奄美大島、宮古島、そして石垣島に中国を狙ったミサイルが配備されることは間違いないだろう。』