インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人

インド人口、23年に中国抜き最多 世界は11月に80億人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11C5H0R10C22A7000000/

『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連は11日、2023年にインドの人口が中国を上回り、世界最多になるとの人口推計を発表した。中国とインドは22年にそれぞれ14億人以上の人口を抱え、インドが中国を上回るのは1950年の調査開始以来初めてという。世界人口は11月中旬に80億人を突破するとの予測も明らかにした。

7月11日の世界人口デーに合わせて報告書をまとめた。世界人口は11年に70億人を突破し、現在は79億4200万人に上る。国連の最新の推計では、世界人口は30年に85億人、50年に97億人、80年代には104億人でピークに達すると予想する。

50年にはインドの人口は16億6800万人となり、中国の13億1700万人を大きく引き離す。22年時点でもインドの人口は14億1200万人で、中国の14億2600万人に迫る。インドは出生率の高さに加え、衛生環境の改善などで乳幼児死亡率が低下し寿命が延びたことも背景にある。

一方、中国は1970年代終盤に策定された一人っ子政策など産児制限の影響が大きい。21年には第3子の出産を認める方針を示すなど緩和してきたが、教育費負担の重さもネックとなり、出生数は5年連続で減少し、21年に1949年の建国以来最少となった。

人口の増減は国内総生産(GDP)の成長を支える働き手の確保を左右し、歴史上、国力を測る一つの指標とされてきた。人口規模の拡大は、国際社会における発言力を高めることにつながる。「インドが世界最大の国となれば、安保理の常任理事国に仲間入りさせるべきだとの主張が強まる可能性がある」と国連経済社会局(DESA)人口部門のジョン・ウィルモス部長は指摘する。

22年の地域別人口をみると、東・東南アジアの人口が23億人で最も多く、世界人口の29%を占める。中央・南アジアの21億人(26%)が続く。サハラ以南のアフリカ諸国は2100年まで人口増が続き、50年までの世界人口の増加分の半分以上を占める。欧州や北米などアフリカ以外の大半の地域の人口は今世紀末にピークを迎えるという。

50年までの人口増加の半分以上はコンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、米国の8カ国によるものだ。出生率の高いアフリカ諸国やインドなどに対し、米国は少子高齢化による自然減を移民の受け入れによる社会増で補っている。

世界全体でみると、米欧や日本など先進国を中心に出生率の低下が顕著だ。21年には女性一人が生涯産む子どもの数を示す合計特殊出生率が2.3人になった。11日の報告書には「50年までに2.1人まで低下する」との見通しを盛り込んだ。

20年には出生率の低下を背景に、年間の人口増加率が1950年以来初めて1%を下回った。共働き世帯の増加など社会の変化もあり、各国は経済成長の維持へ移民の受け入れ拡大やロボットなどの活用による生産性向上を急ぐ。

一方、後発発展途上国(LDC)46カ国の人口は22年~50年の間に11億1000万人から19億1000万人に増える。21年の世界平均寿命は71歳で、19年の72.8歳から減少した。国連は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に挙げている。

グテレス国連事務総長は声明で「われわれの多様性を祝し、健康の進歩に驚嘆する一方で、地球を大切にするという共通の責任があることを思い起こさせる機会だ」と述べた。

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この記事の英文をNikkei Asiaで読む
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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

日本では人口減少ばかりがニュースになりますが、少子高齢化は先進国の共通の現象です。自然にゆるゆると進むなら、それを人々の幸福と両立させる方法はいくらでもある、と私は思います。
しかし人口激増こそは、人類史がかつて経験したことがない最大の危機でしょう。私達が子どもの頃、40億人でも過剰と言われた世界人口はいまや80億人です。それは気候変動や資源枯渇のすべての根幹に横たわっており、技術革新は、残念ながらそのどの問題も解決はして来ませんでした。
どこが勝ち組である無し以前に、世界がこの危機を直視して真剣に対処しなければ、2050年に待ち受けるのは混乱と貧困と衝突だけ、とならないでしょうか。

2022年7月12日 7:52

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

2022年版の人口推計は確かに興味深い。

①「2023年中にインドの人口は中国を抜き世界最大になる」とハッキリ書いてあります。中国が再逆転することはありません。

②それどころか、50年にはインドの16億6800万人に対し、中国は13億1700万人と、3億5000万人以上の差をつける姿となる。

③しかも、22年の中国の人口は14億2600万人ですから、50年までに中国は1億1000万人の人口減少。高齢化が加速します。

④人口からみればインドは上り坂、中国は下り坂です。中国に対抗するうえで、インドを取り込むことは欠かせません。そのインドへの道を開いた安倍晋三元首相の外交戦略の先見性が光ります。

2022年7月12日 0:37 (2022年7月12日 6:50更新)

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

人口は多ければいいというものではない。量の問題もあろうが、質の問題もある。経済学で人口ボーナスの議論がよくなされるが、過去50年間、世界の人口大国のうち、高成長を成し遂げたのは中国だけだった。それは良質な労働力と外国資本をハイブリッドできたからだった。インドは間違いなく人口大国である。しかし、これからの50年を展望すれば、AIなど生産性が上昇するにつれ、むしろ人口過剰の国にとって大きな負担になる可能性がある。何事もほどほどが一番

2022年7月12日 7:27』