【安倍元首相銃撃】使用された銃は、自作の“ソードオフ・ショットガン”か

【安倍元首相銃撃】使用された銃は、自作の“ソードオフ・ショットガン”か 海外ミリタリー専門家が分析
https://www.news-postseven.com/archives/20220708_1771998.html?DETAIL

 ※ こういうもので、撃たれたらしい…。

 ※ テレビのニュースによれば、「輸血中。」「集中治療室で、治療中。」「明恵夫人も、病院に駆けつけた。」ということだ…。

 ※ 「心肺停止」という報道だったが、どうも「死亡が確認」されたようだ…。

『7月8日午前11時半頃、安倍晋三元首相(67)が奈良市内で演説していたところ、背後から銃で撃たれた。病院に救急搬送されたが、心肺停止状態だという。現場である大和西大寺駅近くは、街頭演説などでよく使われる場所だ。安倍元首相の演説にも大勢が集まっていた。現場に居合わせた女性が語る。

「たくさんの人が安倍さんの演説を聞いたり、カメラを向けたりしていました。演説中、急に大きな音がしました。白い煙が上がりましたが、本物の銃声なんて聞いたことがないので、『どうしたの?』とキョトンとしていたら、再び大きな音がしました。

 安倍さんが倒れているのを見て、やっと『撃たれたんだ!』とわかりました。目の前で撃たれるなんて……」

 あちこちで悲鳴が上がり、「救急車!」という怒鳴り声が広がった。スタッフは「看護師の資格を持っている方はいませんか!」とマイクで何度も呼びかけた。首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。山上容疑者はグレーのシャツにベージュのズボン、顔にはマスクと地味な服装だった。複数の報道によると、山上容疑者は元海上自衛隊員とみられるという。

 当初、使用された銃器は散弾銃だと報じられたが、奈良県警は「拳銃」だと発表。今回の事件は海外メディアでも大々的に報じられ、現地のミリタリー専門家なども武器について分析している。自作銃との説が濃厚だ。ある海外のミリタリー専門家はこう分析する。
「写真を見る限り、2本の筒をビニールテープでぐるぐる巻きにしたような歪な形状です。銃身を切り詰めて至近距離での殺傷力を上げた“ソードオフ・ショットガン”を自作したものではないでしょうか。3Dプリンタを使って制作した可能性もあります」

 元海上自衛官だとすると、銃器の扱いや構造などに詳しかった可能性がある。武器の入手経路も含めて、警察の捜査が続いている。

情報提供募集

「NEWSポストセブン」では、今回の件について、情報を募集しています。下記の情報提供フォーム、または「公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せください。

・情報提供フォーム:https://www.news-postseven.com/contact_post

・ツイッターアカウント:https://twitter.com/news_postseven 』

紛争鉱物とCFSプログラム

紛争鉱物とCFSプログラム(1)紛争鉱物とは? ~概要~
https://www.dowa-ecoj.jp/naruhodo/2014/20140402.html

『米国証券取引所に上場しており「紛争鉱物」を製品に使用する企業は、その調達先を調べ、米国証券取引委員会(SEC)に毎年報告し、内容を公開することが、アメリカの金融規制改革法(ドッド・フランク法)で義務付けられました。

自社の製品を米国上場企業に供給していれば、または、自社の製品が組み込まれた製品が米国上場企業に供給されていれば、この紛争鉱物調査の対象になるため、日本企業にも影響があります。

DOWAグループも金を製錬・精製していますので、第3者の監査を受け、紛争鉱物不使用の製錬・精製業者(コンフリクトフリースメルター/CFS)の認定を取得しました。

ドッド・フランク法の適用は、2013年1月1日~2013年12月31日が初年度となり、初年度の紛争鉱物に関する報告書の提出締め切りは2014年5月31日です。
■紛争鉱物

紛争鉱物とは、アメリカの金融規制改革法(ドッド・フランク法)の定義では、スズ・タンタル・タングステン・金、と、コンゴ民主共和国もしくは周辺国で紛争の資金源となっている鉱物のことです。
■紛争鉱物の定義

「紛争鉱物」は、下記のものを意味する。

(A)
    コロンバイト‐タンタライト(コルタン)、錫石、金、鉄マンガン重石※1、またはこれらの派生物、

または

(B)
    コンゴ民主共和国もしくは周辺国において紛争の資金源となっていると国務長官が判断したその他の鉱物またはその派生物

「周辺国」? コンゴ民主共和国に関し「周辺国」は、国際的に認められた国境をコンゴ民主共和国と共有する国を意味する。

ドッド・フランクウォールストリート改革および消費者保護法(金融規制改革法)
(出典:経済産業省ホームページ アメリカ 金融規制改革法 第1502条仮訳)

※1:鉄マンガン重石は、これはタングステンの鉱石鉱物です。
※2:周辺国とは、コンゴ民主共和国と接する国(9カ国)です。

■3TG

スズ(Tin)・タンタル(Tantalum)・タングステン(Tungsten)・金(Gold)の鉱石とその派生品は、英語の頭文字をとって3TGと呼ばれています。
■なぜ「金融」規制改革法で鉱物の情報公開なのか

「OECD 紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンス・ガイダンスにあるように、紛争地域で天然鉱物資源開発が行われており、これらの地域から調達を行っている企業は、紛争に手を貸してしまうリスクがある、と国際的に認識されています。

「OECD 紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンス・ガイダンス」は、鉱物採掘活動を通じて紛争に手を貸してしまう事を回避するためのものですが、強制力はありません。そこで、アメリカでは金融規制改革法(ドッド・フランク法)によって情報公開を義務付けることで、コンゴ民主共和国の武装集団の資金源を絶つことを目的としています。

欧米ではNGOが社会の番犬と言われるように、市民権を得ています。大量虐殺と人道に対する犯罪行為の撲滅をミッションとしたアメリカのNGOのEnough Projectが、電子機器メーカーの紛争鉱物の取組みに関するランキングを発表し、その結果から不買運動や抗議運動にも発展しました。

金融規制改革法によって紛争の資金源となる鉱物の使用は禁止されていませんが、紛争鉱物に関する情報を公開しなければいけないとなると、企業は紛争に関係する鉱物の使用を削減しようとするでしょうし、結果として紛争地域への資金の流入が減少して、紛争に伴う人権侵害を抑制することにつながる、と考えられます。
【参考資料】

経済産業省ホームページ
米国の紛争鉱物開示規制
金融規制改革法第1502条(仮訳)
OECD紛争鉱物ガイダンスに関する関連資料(SEC最終規則にて言及あり)
OECD紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュ-・ディリジェンス・ガイダンス」(仮訳) 』

『紛争鉱物とCFSプログラム(2)
CFS認定について

[2014年8月1日]

その1では、紛争鉱物とは何か、またその概要について説明しました。
今回は、CFS(コンフリクトフリースメルター)認定について解説します。
■紛争鉱物に関する調査

米国証券取引所に上場しており「紛争鉱物」を製品に使用する企業は、その調達先を調べ、米国証券取引委員会(SEC)に毎年報告し、内容を公開することが、アメリカの金融規制改革法(ドッド・フランク法)で義務付けられました。

E.最終規則を図にまとめたフローチャート
(出典:経済産業省 米証券取引委員会(SEC)による紛争鉱物開示規制に関する最終規則(仮訳・部分抜粋))
■紛争鉱物調査へ対応プログラム

「紛争鉱物」の原産地を調査するといっても、製品には多種多様な部品が組み込まれています。それぞれの部品に使用されている金属が紛争鉱物かどうかを調査するためには、サプライチェーン全体、多数の企業を対象に調査する必要があり、一企業で調査できる範囲には限度があります。

そこで、米国電子業界団体であるElectronic Industry Citizenship Coalition(EICC)と欧州の情報通信関連の業界団体であるGlobal e-Sustainability Initiativeが共同でCFS(コンフリクトフリースメルター)プログラムという、紛争鉱物調査への対応プログラムを開発しました。

このプログラムの特徴は、以下の二点です。

製錬・精製業者は監査を受ける事で、紛争鉱物不使用の製錬・精製業者(=コンフリクトフリースメルター/CFS)であると認定される
認定業者からタンタル・スズ・金・マンガンを調達していれば、そのサプライチェーン全体がコンフリクトフリーであると証明する事ができる

【参考資料】

cfsi(conflict-free sourcing initiative)ホームページ
Conflict-Free Smelters & Refiners(紛争フリー製錬所プログラムと製錬所リスト)【英語】
Frequently Asked Questions (FAQ) on Company Assurance and Conflict Minerals Disclosure(企業の対応措置と紛争鉱物の情報開示に関するFAQ)【英語】

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)ホームページ
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
※責任ある鉱物調達検討会のページに、企業の対応措置と紛争鉱物の情報開示に関するFAQの仮訳が掲載されています。

経済産業省ホームページ
米国の紛争鉱物開示規制
米証券取引委員会(SEC)による紛争鉱物開示規制に関する最終規則(仮訳・部分抜粋)』

『紛争鉱物とCFSプログラム(3)
OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス

[2014年11月1日]

【その1】紛争鉱物とは何か、またその概要
【その2】CFS(コンフリクトフリースメルター)認定について解説

今回は、米証券取引委員会(SEC)による紛争鉱物開示規制に関する最終規則にて、利用可能なデュー・ディリジェンス・ガイダンスとして記載されている、OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス(以下、ガイダンス)について、ご紹介します。

このガイダンスは、「OECD多国籍企業行動指針」、「OECDガバナンスが脆弱な地域における多国籍企業のリスク管理ツール」の原則や基準と調和した内容で、以下の4つの内容が含まれています。

紛争地域および高リスク地域(以下紛争地域など)からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスの包括的枠組み
鉱物のモデル・サプライチェーン指針
リスク緩和のために推奨される措置、上流企業が下流企業の支援を受けて行う改善の度合いを測定するための指標
すず・タンタル・タングステン・金に関する補足書

■ガイダンスのポイント

  1. 目的

企業が人権を尊重し、紛争への加担を回避し、持続可能で公平かつ効果的な発展への貢献を行うようにする事

  1. デュー・ディリジェンスの必要性

鉱物の採掘、取引や取り扱いは、紛争への資金提供や、紛争環境を助長・促進・悪化させるリスクが高い一方で、企業はそうした悪影響に関与するリスクと切り離されていないため、企業は、紛争地域などで操業する供給業者に関連して生じる悪影響のリスクをすべて特定し、防止もしくは緩和するために、妥当な措置及び誠実な努力としてデュー・ディリジェンスを行う必要がある。
(悪影響には、人に対する危害(外的影響)、評価の失墜または企業の法的責任(内的影響)、あるいは両方が含まれる。)

出典:OECD(2011)OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス、OECDパブリッシング。すず、タンタル、およびタングステンに関する補足書(仮訳)<P34>

  1. デュー・ディリジェンスを行う主体

鉱物サプライチェーン上にあって、紛争地域などからのすず、タンタル、タングステン、金を供給・利用しているあらゆる企業で、どの企業も人権侵害や紛争には絶対に加担しないようにする事を目的としてデュー・ディリジェンスを実施する必要がある。』

[FT]コンゴ大統領、ルワンダに「武装勢力を支援するな」

[FT]コンゴ大統領、ルワンダに「武装勢力を支援するな」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB071DU0X00C22A7000000/

『サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ)で最大の国土を持つコンゴ民主共和国のチセケディ大統領が、隣国ルワンダがコンゴ東部で戦う反政府武装勢力の支援をやめなければ、ルワンダとの戦争が勃発しかねないと警鐘を鳴らした。
コンゴ民主共和国のチセケディ大統領=ロイター

「この可能性は排除できない。ルワンダの挑発が続くようなら、じっと何もしないでいるつもりはない。我々は弱くはない」。鉱物資源に恵まれたコンゴの同大統領は首都キンシャサの執務室で、フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材にこう語った。

チセケディ氏の発言は、同氏によればルワンダの支援を受けている反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」がコンゴ東部で強力な攻撃に出た後のことだ。M23はここ数週間で攻勢を強めている。この紛争では、和平協定の合意から10年近くたった後、昨年末にM23が再び姿を現して以来、17万人が住まいを追われている。米国は国境を越えた攻撃への強い懸念を表明した。

チセケディ氏は「ルワンダが3月23日運動を支援していることに疑いの余地は全くない」と語った。勝利に異議が唱えられた選挙の後、2019年に大統領に就任して以来、まだ数えるほどの海外メディアとのインタビューで、同氏は「我々は平和を求めている」と述べた。「だが、いざとなれば、どこかの段階で我々は行動に出る」。ルワンダ政府はコンゴの内政への関与を否定し、コンゴ領からルワンダへの砲撃があったと主張している。

1990年代終盤にルワンダとウガンダがコンゴに侵攻すると、アフリカ諸国数カ国を巻き込む戦争が相次ぎ勃発し、「アフリカの世界大戦」として知られるようになった。国際救済委員会(IRC)によると、98年から2008年にかけて、コンゴ東部の紛争で約540万人が殺害された。一連の戦争で多数の武装集団が続々と誕生し、それぞれが天然資源を手に入れようとした。

「反政府武装勢力M23の背後にルワンダ軍」

M23は12年の反乱を率いたが、コンゴと国連の部隊に敗れ、13年の和平合意につながった。問題をはらみ不完全な協定の実行を経て、昨年末にM23が再び姿を見せた。

「ルワンダは13年に倒されたM23を隠れみのにしてコンゴで戦っている」。チセケディ氏はこう語り、その証拠としてルワンダ兵がコンゴで捕らえられている事実を挙げた。「M23の直近の出現は、その背後に隠れているルワンダ国防軍のせいだ」

米国のブリンケン国務長官は6月30日、「継続する暴力に対処する努力」について話し合うために、新しい地域軍をコンゴ東部に配備するよう呼びかけているケニアのケニヤッタ大統領に電話した。米国務省は「コンゴとルワンダの間の国境を越えた攻撃の報告について危機感を募らせている」としている。アフリカ連合(AU)も同様の懸念を表明している。

コンゴ政府の了承を得て、ウガンダはすでにコンゴ東部に部隊を派遣した。シンクタンクの国際危機グループ(ICG)は最近のリポートで「コンゴの近隣諸国は何年も、コンゴ人、外国人を問わず、同国東部の民兵組織を代理勢力として使ってきた」と指摘している。
チセケディ氏はインタビューで、ルワンダはコンゴの鉱物資源の莫大な富からも利益を得ようとしていると批判した。同国の資源には、金のほか、電子機器に使われるコルタンの世界最大級の鉱床などがある。

「ルワンダはコンゴに違法な経済的既得権を持つ」とチセケディ氏は語った。「コンゴ東部で秩序が回復されない限り、無法状態と情勢不安が続く限り、ルワンダはそれに便乗する」
米財務省、コンゴの金が密輸されていると指摘

米財務省は3月、「コンゴの金の90%以上が(ルワンダを含む)地域国に密輸」されており、往々にして密輸先で精製され、グローバル市場へ輸出されていると明らかにした。さらに「およそ130の活発な武装集団が存在するコンゴ東部では、金の売買が紛争の大きな原動力になっている」としている。

再選をかけて来年の大統領選に出馬するつもりだと述べたチセケディ氏は、選挙の不正を訴えるカトリック教会と野党からの幅広い批判にもかかわらず、3年前に大統領に就任した。前回選挙の2件の投票データ集計をFTが分析したところ、野党候補ファユル氏が明確な勝者だった。チセケディ氏は不正を否定する。「私が選挙で勝たなかったと言うのは簡単だが、それを立証する必要がある」と強調する。

ルワンダのカガメ大統領は4日、コンゴ軍がルワンダ解放民主軍(FDLR)と「ともに戦っている」と批判した。FDLRの部隊には、ツチ族に対する1994年のルワンダ大虐殺に関与したと非難されているフツ族の戦闘員が含まれる。M23はツチ族が圧倒的多数を占め、FDLRなどのフツ族武装集団からツチ族を守っていると主張している。

チセケディ氏は、これは「説得力のない言い訳だ」とし、コンゴ軍は「数百人」のFDLR戦闘員を拘束し、ルワンダ側に引き渡したと語った。さらに、2つの調停努力が並行して進められていると説明する。一方はアンゴラのロウレンソ大統領が率いる調停で、チセケディ、カガメ両大統領を会談させることを目指すもの。もう一方は東アフリカ共同体(EAC)の下でケニヤッタ氏が率いる調停だ。

「誠意がある限り、希望がある」とチセケディ氏は話す。「もしルワンダがM23を支援したことを認め、なぜあの運動を支持しているのかを説明すれば、それは誠実だ。その時点で我々は話し合いができ、すべてを交渉のテーブルに載せられる」

さらに、もしルワンダがM23を支援していることを認めるのを拒んだら、「それは隠された思惑があるということだ」と付け加えた。

By Andres Schipani

(2022年7月6日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

[FT]LNG大国カタール、天然ガス逼迫で影響力を高める

[FT]LNG大国カタール、天然ガス逼迫で影響力を高める
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB072QY0X00C22A7000000/

『中東のカタールは20年以上前に液化天然ガス(LNG)の輸出を開始して以来、小国ながら世界の商品市場で大きな役割を担う存在になった。

カタールの港に停泊するLNG輸送船=AP

そして今、ロシアのウクライナ侵攻と一連の新たなガス田開発契約を経て、世界のエネルギーの流れに及ぼす影響力はさらに高まろうとしている。

国営石油・ガス会社カタールエナジーは、この数週間で世界の石油大手5社と総額290億ドル(約3兆9000億円)規模の共同開発事業で合意したと発表した。「ノースフィールド・イースト」と呼ばれる巨大プロジェクトだ。

2026年までにカタールの年間輸出能力を7700万トンから1億1000万トンに増強する計画で、実現すればオーストラリアを追い抜いて米国に次ぐ世界2位のガス生産国となることに貢献する。

初輸出先は日本

英シェル、米エクソンモービルと同コノコフィリップス、仏トタルエナジーズ、イタリア炭化水素公社(ENI)との交渉は数年越しで、ロシアとウクライナの戦争を受けてエネルギーの代替供給源の確保を急ぐ動きが広がった結果ではない。

だが、欧米のエネルギー大手がこれほどプロジェクトに参加したがったのは、ガス超大国としてカタールの重みが増していることの証しだ。「カタール進出は我々にとって大きな節目だ」とENIのクラウディオ・デスカルツィ最高経営責任者(CEO)はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙に語った。

ペルシャ湾のカタール半島北東に位置し、イラン領にまたがる世界最大級のガス田「ノースフィールド」は1971年に発見された。初めてLNGを輸出したのは96年で日本向けだった。

英調査会社ウッドマッケンジーによると、カタールは2010年まで世界最大のLNG供給国だった。同年の生産量は5500万トンだった。

世界首位の座を豪州、米国と10年間争った後、ロシアのウクライナ侵攻に伴う混乱でカタールは再び重要性を取り戻したと、英コンサルティング会社クリストル・エナジーのキャロル・ナフルCEOは言う。

「非ロシア産ガスに対する需要急増が新たな景色を作り出している」と同氏は指摘する。「(米国での)シェール革命の後、カタールは最大級の存在というイメージが薄れたが、国際舞台に戻るチャンスが訪れている。ガス市場の重要なプレーヤーであると同時に、欧米との関係改善を通じて政治的得点を稼げるという観点からだ」と話す。

第2段階の「ノースフィールド・サウス」により、カタールは27年までに輸出能力を年間1億2600万トンまで高められる。

人口わずか300万人のカタールは長い間、地域大国のサウジアラビアとイランから自国を守る手段として、多様な2国間関係を維持しようと努めてきた。サウジは陸続きで国境を接する唯一の国だ。

19世紀からサーニー家が支配するカタールは2000年代初め、地域司令部を含む米軍の駐留を受け入れた。バイデン米大統領は5月、カタールを北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要同盟国に指定した。

1990年代に最初のノースフィールド開発プロジェクトのために巨額の借り入れをして以来、カタールはガスによる収入を政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)に流している。QIAは11年に仏サッカーチームのパリ・サンジェルマンを買収するなど、話題になる投資でカタールの国際的な存在感を高めている。

ガス収入は11月に開催されるサッカーワールドカップ (W杯)カタール大会の運営費用にも充てられる。中東でのサッカーW杯開催は初めてだ。

長期契約には買い手の抵抗感も

ウッドマッケンジーのLNG専門家フランク・ハリス氏によると、カタールは長年、LNGの大部分を長期契約でアジアの電力・ガス会社に売り、信頼できる供給元として「抜群の定評」を確立している。このことは、エネルギーの調達先を産油国ロシアから別の国に切り替えようとしている欧州各国の一部にある懸念の緩和につながり得る。

英調査会社エナジー・アスペクツによると、カタールの長期契約による輸出の約3分の2がアジア向けだが、ノースフィールド・イーストではバランスを取り、半分ほどを欧州に振り向ける意向だ。

「今はカタールと米国の長期的な覇権争いだ」とハリス氏は言う。

エナジー・アスペクツのアナリスト、レオ・カブーシュ氏は地理的な条件からカタールは米国よりも欧州とアジアへの供給に適していると指摘する。

ロシアに代わるガス調達先を模索する中でドイツは5月、カタールエナジーとドイツ企業の協議がまだ進行中だが、カタールとエネルギーに関する基本合意を交わしたと発表した。欧州最大の経済国ドイツにとって「扉を開く」ものだとしている。その数日後にQIAは英国への100億ポンド(約1兆6000億円)の投資を約束し、カタールと英国の関係が深まっていることを示した。

欧州の買い手にとって1つの難点は、カタールが仕向け地固定の長期契約を伝統的に好んでいることだ。米国の生産者は買い手側がガスをどこにでも運べる柔軟な契約をしており、欧州では一般的に後者が好まれる。

欧州の買い手は、最長25年間の契約を結ぶことにも抵抗感が強いとみられる。ほとんどの指導者が脱炭素化すると期待する将来の世界でガスが果たす役割が不透明だからだ。

エクソン、トタル、ENIなどの国際パートナーの極めて重要な役割は、増産分の販売を助けることにある。カタール側は共同事業契約に調印するまで少なくとも3年間待ち、5つの共同開発全体で25%の権益を与えただけだ。

ウッドマッケンジーのハリス氏は「ノースフィールド・イーストはパートナーを持つことの価値を示しているが、カタールが支配権を握っていることは非常にはっきりしている」と話し、カタールは温暖化ガス排出量の削減にも「大きな努力を傾けている」と語った。
顧客側がこれから50年までの間に二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロに減らすとしても、カタールエナジーはガス市場を確保できるように、CO2回収技術でLNG関連施設からのCO2排出量を35年までに35%減らす計画だ。

「現在、特に欧州などで明らかになっているようにエネルギーの移行には時間がかかり、LNGはつなぎの燃料になる」とエナジー・アスペクツのカブーシュ氏は言う。「その意味において、欧州であれアジアであれ、企業や輸入業者には規則正しく信頼できる供給が重要になる」

By Tom Wilson and Simeon Kerr

(2022年7月6日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.』

イスラム教大巡礼が開始 コロナ禍で3度目、制限緩和

イスラム教大巡礼が開始 コロナ禍で3度目、制限緩和
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05CGH0V00C22A7000000/

『【ドバイ=福冨隼太郎】イスラム教最大の聖地メッカへの大巡礼「ハッジ」が始まった。メッカを管理するサウジアラビア政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年までは巡礼者数を大幅に制限していた。新型コロナの流行前、ハッジの期間には例年、200万人以上の巡礼者を受け入れていた。今回は規制を緩和し、65歳以下のワクチン接種済みの巡礼者100万人を受け入れる予定だ。

「ハッジへの参加はとても幸運。巡礼者は(新型コロナの)ワクチンを接種しているので健康は心配ない」。期間中、メッカへの巡礼を計画するスーダン人の主婦(55)はこう話す。

20年は新型コロナの感染拡大でサウジが国外からの受け入れを停止。21年は2回のワクチン接種を条件に外国人を含め計6万人を受け入れていた。

メッカの聖モスクではマスク着用を義務付ける。国外からの巡礼者は72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明を提出することも求められる。聖モスクでは定期的な消毒などの感染対策が施されるという。

サウジにとって、ハッジは「ウムラ」と呼ばれる別の巡礼と合わせて、外貨獲得の手段の一つとなっている。巡礼や、それに伴う観光は、サウジの実力者のムハンマド皇太子が目指す、石油に頼らない国造りに欠かせない。』

マルコス大統領、経済特区新設を拒否 税源確保優先

マルコス大統領、経済特区新設を拒否 税源確保優先
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0436Q0U2A700C2000000/

『【マニラ=志賀優一】フィリピンのマルコス新大統領が、北部で計画されている経済特区の新設法案に対して「拒否権」を発動した。企業の税制優遇を抑制し、公約であったインフラ投資の財源確保と過去最高水準の債務削減を狙う。

新政権のアンヘレス報道長官は4日、マルコス氏による拒否権行使について「経済特区が地域のためでなく国全体に対して利益をもたらすのか示す必要がある」と説明した。

マニラ首都圏の北に位置するブラカン州では現地財閥大手サンミゲルが主導し、空港とともに税制面などで優遇がある経済特区を新設する計画が進んでいる。マルコス氏は2026年ごろの運用が見込まれる空港新設には賛同する一方、特区新設の法案について議会に対し再検討を要求した。

フィリピンの大統領は法案を認めず修正を求める拒否権を持つ。新政権の発足時には前政権の政策を軌道修正するケースがあり、ドゥテルテ前大統領も就任直後の16年7月に人事制度などに関して拒否権を行使した。

マルコス氏が拒否権を使ったのは初めてとされる。背景にあるのが税収の確保だ。

フィリピンではドゥテルテ前政権から大型インフラ整備計画「ビルド(造れ)・ビルド・ビルド」を打ち出し国内総生産(GDP)の5%前後をインフラ投資に充ててきた。雇用創出につながる同計画はマルコス氏も踏襲すると表明している。

だがインフラ整備のための多額の支出により政府債務残高は5月末時点で前年同月比13%増の約12兆5000億ペソ(約30兆円)と、過去最高水準に達している。ビルド計画継続には安定的な歳入の確保が必須なため、マルコス氏は税優遇を受ける企業の増加を警戒する。

マルコス氏は声明で特区新設の法案について「課税対象を狭めている。国のインフラを維持する十分な税収が確保できなければ、増税や新たな借り入れにより財源を確保せざるを得ない」と指摘した。

さらに法案は「低税率と幅広い課税対象を備えた税制を作る政府の目的に反する」うえ、隣接するパンパンガ州にすでにクラーク経済特区があり「戦略的場所に特区を創設する方針にも反する」としている。既存の法律でも企業は優遇を受けることは可能と指摘し、同国の監査委員会の監査などを通じて法案を精査すべきだとしている。

サンミゲルのラモン・アン社長は4日、政府の決定を尊重するとしつつも経済特区の新設による経済効果は大きいと声明を出した。』

ソフトバンクGミスラ副社長、独自ファンド設立へ

ソフトバンクGミスラ副社長、独自ファンド設立へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR07ELJ0X00C22A7000000/

『【ロンドン=佐竹実】ソフトバンクグループ(SBG)傘下の投資ファンド「ビジョン・ファンド(SVF)」を統括するラジーブ・ミスラ氏が、自らのファンドを設立することが7日、分かった。SBG副社長という肩書は変わらないが、SVFの陣頭指揮からは外れる。投資先の株価下落に直面する中、孫正義会長兼社長の右腕であるミスラ氏の関与が薄まることの影響が注目される。

【関連記事】ソフトバンクGミスラ氏、ビジョン・ファンド2のCEO退任

孫社長がSVFの社員あてにメールを出したのは7日午前(日本時間同日夜)だった。「ラジーブが新しい外部のマルチアセット投資ファンドの設立と運営の機会を得たことを伝えたい」。ミスラ氏のファンドは「SVFよりも投資対象がはるかに幅広く、テックや金融など彼の独自のスキルを生かすことができる」と説明した。

ミスラ氏はSBG副社長として残るほか、SVF1号ファンドの運営会社の最高経営責任者(CEO)にはとどまる。現在投資活動をしているSVF2のバイスチェアマンに退き、孫社長がSVF2を率いる。2号ファンドから実質的に身を引くことで、自らのファンドとの利益相反の指摘をかわす狙いがあるとみられる。

孫社長はメールの中で、ミスラ氏がSBGに残ることを強調した。「私たちにとって重要なことは、ラジーブが引き続きSVF1の運営会社のCEOとしてリードし、ソフトバンクファミリーの不可欠な一員であることだ」とした。

10兆円という異例の規模で注目を集めたSVFは、ミスラ氏なしでは語れない。同氏がドイツ銀行時代に培ったサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など中東の投資家とのコネクションを、孫社長の目利き力と合わせるという発想からスタートしている。ミスラ氏は、孫社長の後継候補と取り沙汰されることもある。

孫社長と二人三脚で巨大ファンドを立ち上げた投資戦略の要が抜ければ、影響は計り知れない。さらにもう1人の副社長であったマルセロ・クラウレ氏が1月に退任したばかりとあって、SBG側はミスラ氏を慰留したとみられる。

孫社長とミスラ氏の互いの信頼は厚く、関係は良好なままとされる。クラウレ氏やかつてのニケシュ・アローラ氏のように、後継候補といわれながらも関係がこじれるなどしてSBGを去ったケースとは違う。とはいえ、今回のミスラ氏の〝独立〟は、カリスマ経営者である孫社長の後継選びの難しさを改めて示したともいえる。

SVFを巡る環境は厳しさを増している。米金利上昇やロシアのウクライナ侵攻などで世界的に成長株が下落し、SBGの2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が1兆7080億円の赤字に陥った。英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、2号ファンドの投資先である後払い決済サービスのクラーナ(スウェーデン)の企業価値は21年の456億ドル(約6兆2000億円)から65億ドルと7分の1近くに激減した。

この状況でミスラ氏が投資業務に実質的に関与しなくなることの影響が今後の注目点だ。孫社長は社員あてのメールで「我々は急速に変化する厳しい経済環境に直面している。投資は減速し、新規投資のハードルも高くなっているが、人工知能(AI)革命に対する私たちの信念は強いままだ」と強調した。守りの局面が当面は続くとみられる中、孫社長の目指すAI革命は正念場を迎えている。

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ロッシェル・カップ
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長
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分析・考察

ソフトバンクは優秀な外国人エクゼクティブを数多く雇ってきましたが、どんどん辞めていっています。結局のところ、孫正義氏は自分なりに経営を運び、独立的な考え方を持ったり反論したりする人は不要ということになるのでしょうか?ソフトバンクはあまりに独特なケースなので他の日系企業に教訓があるのかどうかは分かりませんが、少なくとも外国人エクゼクティブ管理の反面教師になるのではないかと思います。
2022年7月8日 8:21 』

「権力しがみつき失脚」 欧米紙、ジョンソン氏に厳しく

「権力しがみつき失脚」 欧米紙、ジョンソン氏に厳しく
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07DXH0X00C22A7000000/

『【ニューヨーク=大島有美子】ジョンソン英首相が7日に辞意を表明したことを欧米紙はトップ級の扱いで報じた。「必死に権力にしがみついたが、米トランプ前大統領と同様にしがみつくほど失脚していった」(英エコノミスト誌)。ジョンソン氏に対して手厳しい論評が目立った。後任に求められることとしてブレグジット(英国の欧州連合離脱)からの軌道修正やウクライナ支援継続などが挙がった。

【関連記事】

・ジョンソン英首相が辞任表明 不祥事相次ぎ閣僚離反
・「分断」深めた剛腕の3年 ジョンソン英首相辞任へ

「英国が再出発する機会だ」。米紙ワシントン・ポストの論説委員会は見出しでこうつづった。ジョンソン氏がジャーナリストとして活動していた頃から「真実を覆い隠す習性があった」と指摘。政権の不祥事が相次ぎ「彼を降ろそうとする党内の動きにあらがいきれなかった」とした。後任が抱える課題として「ブレグジットの軌道修正と英経済の活性化」を挙げた。

独フランクフルター・アルゲマイネ紙は「ジョンソンのようなポピュリストにとって、彼の人気が無くなるとは最後まで考えられなかった」と指摘。相次いだ不祥事や二転三転した釈明が辞任につながったことで「自分の性格で失敗した」と評した。

英エコノミスト誌は「ジョンソン氏は直ちに立ち去るべきだ」と批判した。インフレと低成長、高齢化と問題が山積するなか、指導者の交代だけでは英国の軌道修正は難しいと強調。「問題は1人の人間より根深い。与党が事実を直視する勇気を持たなければ、英国の社会的・経済的困難は悪化する」と警鐘を鳴らした。

2月のロシアによるウクライナ侵攻後、ジョンソン氏は主要7カ国(G7)首脳で初めてウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪ねるなど、積極的な支援で指導力を発揮していた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によるとウクライナのゼレンスキー大統領は7日にジョンソン氏と電話会談し「悲しみをもって(辞意の報を)聞いた。援助に感謝している」と述べた。

仏紙リベラシオンは「(ジョンソン氏は)ここ数カ月は国内問題を打ち消そうと、ウクライナに大きな軍事支援をしてきた」と分析する。もっともウクライナに関しては積極的な支援方針が継続されるとの見方が強い。FTは「英国のウクライナへの強い支持は、次の首相が誰になろうと超党派で強く一致したものだ」とつづった。

ウクライナ支援に積極的だったジョンソン氏に対し、ロシアメディアは「彼は我々を好きではないが、我々も彼を好きではない」と述べたペスコフ大統領報道官のコメントを紹介した。ロイター通信はロシアの政権幹部が「道化師が去っていく」と述べたことを報じた。』

プーチン氏「欧米は既に敗北」 世界秩序の変化強調

プーチン氏「欧米は既に敗北」 世界秩序の変化強調
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGV080270Y2A700C2000000/

『ロシアのプーチン大統領は7日、ウクライナでの軍事作戦開始により「米国中心の世界秩序は根本的に壊れ、欧米は既に敗北した」と述べ、勝利に自信を示した。モスクワのクレムリンで行われた下院各会派代表らとの会合で語った。

「戦場でロシアに勝ちたければ試してみたらいい」とも述べ、ロシア軍を撤退させてから停戦交渉に応じるとしているウクライナのゼレンスキー政権と、軍事支援する欧米を強くけん制。交渉は拒否しないが「戦闘が長引くほど和平合意は困難になる」と警告した。

また「ロシアが戦争を始めたと言われているが違っている。2014年にウクライナのクーデターを支持した欧米が始めたのだ」と主張。同年の政変で親ロ派政権が倒れた後に独立を主張しウクライナ政府軍と戦ってきた東部ドンバス地域のロシア系住民保護を理由にした侵攻を正当化した。

対ロ制裁を科す欧米を「ロシアという国の存在が必要ないのでテロリストや分離主義者、内部の裏切り者を支援している」と非難。「自由主義に名を借りた全体主義的モデルを世界に押しつけようとしているが、多くの国はそのような世界を望んでいない」と述べた。

軍事作戦の見通しについて「『ウクライナ人の最後の1人まで戦う』と言われているが、ウクライナにとって悲劇だ」と指摘。「われわれはまだウクライナで本腰を入れていない」とも強調して攻撃強化の可能性を示唆した。(共同)

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

プーチン大統領が指摘する米国中心の世界秩序が変化していることは間違ってはいないと思います。ただ、新しい秩序について、彼のビジョンとロシアの責任を発言していないところが、世界の理解を得るために決定的に弱い部分です。プーチン氏が語るように多くの国は「全体主義モデル」は望んでいないと思いますので、彼が世界の支持と共感を得たければ、彼が考える新しい秩序モデルを発信すべきでしょう。それが見えないので、彼の発言は単なる「反米プロパガンダ」による「自己正当化」にしか聞こえません。「反米」に共感する独裁的な指導者は支持するかもしれませんが、それらの国に住む多くの人々はそうではないでしょう。
2022年7月8日 7:55

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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分析・考察

ロシア圏で働いている人たちの話を聞いていますが、経済制裁は当初の2ヶ月程度は効果があったものの、もうほとんど効果がないようです。あと半年もすれば、ロシアの資源についての新しいサプライチェーン(買い手は西側諸国以外)が完成することでしょう。

そうなるともう戦争は長期化せざるを得ず、途上国を深刻な食糧危機が襲うでしょう。戦争よりもはるかに多くの人が亡くなると思います。
2022年7月8日 9:19
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

プーチン大統領の強気姿勢がここにきて目立つ。ウクライナとこれを支援する米欧が戦場でロシアを倒したいなら「試してみたらいい」という発言は、自信の表れか、それとも一種のブラフなのか。客観的事実として、米欧などによる対ロシア経済制裁はロシアの軍事行動を止めたり、ロシア経済をマヒさせたりするような効果は発揮していない。物的・人的な損害は大きいものの、資源価格上昇によりロシアの戦費は十分確保された状態。ロシアは資源を武器に、ドイツや日本に揺さぶりをかけている。米欧にはウクライナ支援疲れが見えており、英国では対ロ強硬姿勢が際立つジョンソン首相が辞意を表明した。国際政治の世界では、正義が勝つとは限らない。
2022年7月8日 7:42

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

経済制裁を実施して、プーチンを停戦に追い込めていないという意味では、制裁は成功していないといえる。それに対して、ウクライナを攻略できず、たくさんの兵士の命を失ったプーチンロシアは国際社会で孤立してしまい、もっと深刻なダメージを受けている。これからどうなるのか。向こう10年のロシア情勢を展望すれば、国際社会でいっそう孤立し、困難な状況に直面するだろう
2022年7月8日 7:40 』

ウクライナ最新戦況マップ7.7 大規模作戦を一時休止

ウクライナ最新戦況マップ7.7 大規模作戦を一時休止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA080FP0Y2A700C2000000/

『米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア国防省の報道官は7日、地上部隊の戦力回復のためにウクライナ東部での大規模な作戦を一時休止していると述べた。局所的な作戦は続けており、ドネツク州のスラビャンスクやバフムートの周辺を攻撃した。』

TPP・EU「連結」の威力 焦り誘い米国を動かせ

TPP・EU「連結」の威力 焦り誘い米国を動かせ
 本社コメンテーター 西村博之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK040SP0U2A700C2000000/

『FOMO(フォーモ)という言葉がある。Fear of Missing Out(取り残される不安)の略で、主にSNS(交流サイト)の最新情報を見逃したくない切迫感を指す。コロナ下の金融緩和で株価が急騰すると「買わないリスク」を意識した「フォーモ取引」なる言葉もはやった。

大勢にならう群集心理、孤立への恐れ、欲望、羨望――。様々な感情に根ざすフォーモは、国をも駆り立てるのだろうか。

トランプ政権下の2017年に米国が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱して以来、日本は折に触れて復帰を求めてきた。だが本気で期待を抱く関係者はいない。製造業の国外移転で困窮した米労働者が痛みを伴う関税撤廃などに猛反発するのは明らかだからだ。言葉だけで米国は動かない。

世界シェア3割の自由貿易圏

そこで政策関係者がひそかに検討し始めた構想がある。欧州連合(EU)とTPPの「連結」だ。両者で協定を結び貿易・投資の自由化や基準の統一を進めるのだ。

世界最大の単一市場であるEUとTPP11カ国がまとまれば国内総生産(GDP)で世界の3割を占める巨大自由貿易圏が誕生する。ここで欧州企業が低関税でモノやサービスを取引し始めたら米国には不利だ。焦りを募らせた世論の風向きは変わりうる。少なくとも米政権は真剣に動く――。

まだ瀬踏み段階だが、各国関係者の反応は悪くないという。23年は日本が主要7カ国(G7)の議長国となる外交の年。合意に向けアクセルを踏む可能性がある。

米国はTPPに代わる経済秩序を探り、5月のバイデン大統領訪日時にはサプライチェーン(供給網)の強化に軸足を置いた新経済圏構想、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を発足させた。国内世論がTPPを嫌う一方、中国に対抗する「仲間作り」の必要性は強く感じているからだ。

日本はIPEF自体に反対ではないが、急ごしらえの枠組みに、もの足りなさも感じている。勢いづく中国をけん制するためにも、米国には将来にわたって深く確実にアジア太平洋に関与してもらうのが日本の経済外交の肝だ。

米国が入ったTPPはその象徴であり、現実に米国と同地域の経済を接合するちょうつがいになる。国家資本主義的な手法を周辺に広げる中国をせき止め、自由や法の支配といった価値観を守る強力な防波堤の役割も期待できる。
対中関係にもメリット

むろんEUとTPPの連結は米国への「誘い水」にとどまらず、それ自体に大きな意義がある。

第一にEUは米国に並ぶ民主的な資本主義といった価値観の旗振り役だ。加えて、それを具体的なルールに落とし込むのにたけた交渉巧者でもある。そのEUがアジア太平洋地域への関与を増せば域内各国が中国流の規範になびくのに一定の歯止めをかけられる。

例えば中国は21年、米国が抜けた隙を縫ってTPPに加盟申請したが、協定が禁じる国有企業の優遇などに目をつぶるよう求めてくる可能性が高い。日本はTPPルールの順守が加盟の大前提という立場だ。EUが関係者として論戦に加われば頼もしい援軍になる。

第二に、4億5000万人の富裕な人口を擁するEUは、見方によっては米国をしのぐ魅力的な市場だ。米国抜きのTPPは、対米輸出を期待した国々を落胆させたが、EUと連結すれば当初の協定に劣らぬ求心力をもつ。

いわゆる「バンドワゴン(勝ち馬)効果」でTPP参加国の裾野が広がれば、中国が主導する15カ国の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を上塗りする形で経済のルールも高度化できる。

第三に勝ち馬効果をテコに、乗り遅れを恐れる中国に国内制度の改革を促せるかもしれない。
オンライン開催のRCEP署名式に参加し、各国首脳らが映る画面の脇で手を振るベトナムのグエン・スアン・フック首相(左)=20年11月、ハノイ(VNA=共同)

TPPは日本のソフトパワー

実現に向けた課題の一つは関税同盟のEUと自由貿易圏のTPPをどう連結させるか。先例はある。EUは07年から09年にかけて東南アジア諸国連合(ASEAN)との貿易協定を目指した。発展度合いが異なるASEANの足並みがそろわず交渉は凍結されたが、法技術面の蓄積は参考になる。

その後もEUはシンガポールやベトナムと個別に自由貿易協定(FTA)を結ぶなど東南アジアとの連携を強めている。より幅広い国々が高い水準の自由化で合意したTPPは、連携の加速に有用と映るはずだ。ロシアのウクライナ侵攻後は、同じ専制国家の中国から撤退を検討する欧州企業が増えており、その受け皿としてTPPの魅力は高まっている。

TPPとEUには一筋縄にいかない分野もある。例えばTPPは自由なデータ取引を重視するが、EUは個人情報の保護を優先する。知的財産権や検疫、紛争処理の仕組みも異なり、環境や人権問題を巡る温度差が政治問題になる可能性も否定できない。ここは両者が歩み寄り、違いを建設的に制度改善へ生かす知恵が不可欠だ。

「自由貿易か経済安全保障か」の議論が活発だが、資源が乏しい日本にとっては自由な貿易こそが経済の生命線。友好国と関係を深める「フレンドショアリング」は米中対立で特に重要性を増した。EUと米国の双方が加わりGDPで世界の過半を占める拡大TPPは、その究極の基盤になりうる。

日本は米離脱で崩壊しかけたTPPを救い、世界の信頼を得た。TPPは日本のソフトパワーの源泉だ。展望なく米復帰を願い、中国を拒み続けるだけでは、その威光は色あせる。ここは日本も切迫感を持って行動したい。

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説

西村コメンテーターのご指摘に強く同意いたします。まずはアメリカに対してもこのTPPの優位性を粘り強く説明することかと思います。

一方で、雇用喪失だけでなく民主党の支持母体の一つである環境保護団体からも強い反発があるTPPはアメリカでは「憎まれ者」的存在。残念ながら現状ではTPP早期復帰はほぼ不可能なのかと思います。

議会に権限がある貿易交渉をすすめるためには、大統領はTPA(貿易促進法案、かつてのファストトラック)を議会で立法化してもらわないといけないのですが、そもそもバイデン政権は延長申請を議会にせず、昨年7月に失効しています(トランプ政権ですらTPA延長を議会に申請)。
2022年7月8日 11:58 』

インドの「インド太平洋海洋イニシアティヴ」

インドの「インド太平洋海洋イニシアティヴ」
2022-03-18 溜和敏(中京大学准教授)
https://www.jiia.or.jp/research-report/indo-pacific-fy2021-05.html

『「インド太平洋」研究会 FY2021-5号

「研究レポート」は、日本国際問題研究所に設置された研究会参加者により執筆され、研究会での発表内容や時事問題等について、タイムリーに発信するものです。「研究レポート」は、執筆者の見解を表明したものです。なお、各研究会は、「研究レポート」とは別途、研究テーマ全般についてとりまとめた「研究報告書」を公表する予定です。
はじめに

インドのナレーンドラ・モーディー(Narendra Modi)首相が2018年6月に「自由で開かれインクルーシヴなインド太平洋」政策を表明してから3年半が経過した。インドの対外政策関連の言説においてもすっかりインド太平洋は定着したが、具体的な政策動向は見えにくい。そこで本稿では、インドのインド太平洋政策の中核として位置付けられる「インド太平洋海洋イニシアティヴ(Indo-Pacific Oceans’ Initiative: IPOI)」の位置付けと展開について整理する1。
1.インド政府による「インド太平洋」の採用

本題に入るまえに、インド政府がインド太平洋を採用した経緯についてふりかえっておきたい。

年表:インド政府の「インド太平洋」政策
2014年11月 日印首脳会談、「インド太平洋の視点を付与」
2015年3月 「地域のすべての人のための安全保障と成長」指針発表
2015年10月 インド海軍戦略文書での採用
2017年末 インド政府、インド太平洋の使用開始
2018年6月 シャングリラ演説でインド太平洋政策発表
2019年4月 インド外務省「インド太平洋局」新設
2019年11月 東アジアサミットで「インド太平洋海洋イニシアティヴ」表明

インド外交の言説においてインド太平洋という言葉が用いられるようになったのは、日印関係の文脈においてであった。2014年11月、オーストラリア・メルボルンのG20サミットのサイドラインとして開催された日印首脳会談において、(日本側外務省のリリースによると)安倍晋三首相(当時)が「日印関係に『インド太平洋』地域の安定と発展に貢献するという視点を付与したい旨」を述べ、モーディー首相がこれに賛同した2。当初のインド外交におけるインド太平洋の使用は、日印関係の文脈にほぼ限られており3、例外的に2015年のインド海軍の戦略文書での言及は見られるが4、全面的な採用までにはしばらくのタイムラグがある。代わりに、モーディー政権の海洋政策の指針としては、2015年3月に発表された「地域のすべての人のための安全保障と成長(Security and Growth for All in the Region: SAGAR)」という概念があった。ここでの「地域」はインド太平洋ではなくインド洋地域を指している5。

その後、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下のアメリカ政府が「自由で開かれたインド太平洋」を採用してまもなく、2017年の末ごろからインド政府もインド太平洋を公式に用いはじめ、2018年6月にモーディー首相がアジア安全保障会議(いわゆるシャングリラ会合)でインド版のインド太平洋政策を発表した6。インド太平洋については以下のような定義を行っている。

インド太平洋は、自由で、開かれ、インクルーシヴな地域であり、ともに進歩と繁栄を追い求める我々すべてを包含するものである。そこには、この地理的範囲のすべての国と、範囲外の関係する諸国も含まれる。

It stands for a free, open, inclusive region, which embraces us all in a common pursuit of progress and prosperity. It includes all nations in this geography as also others beyond who have a stake in it.7

日本やアメリカと同様に「自由で開かれた」を謳いながらも、「インクルーシヴ」という部分で違いを示した。またその後続の文章は、関係国すべてに門戸を開くことを強調している。そうした文言は、当初のアメリカや日本のインド太平洋が中国に対抗する政策としての色彩が強かったのに対して、インドのインド太平洋政策は中国を拒むものではないことを示唆するものと理解された。ただし解釈には諸説があり、ここでの「インクルーシヴ」がことさらに中国への協調的姿勢を示唆するものではないという見方もある。
2.「インド太平洋海洋イニシアティヴ」とは

以降、インド政府内の言説で全面的にインド太平洋が用いられるようになり、2019年4月にはインド外務省内に「インド太平洋局(Indo-Pacific Division)」が新たに設置された8。そして同年11月の東アジアサミットにおいて、モーディー首相は以下のように述べ、インド太平洋の原則を取り組みへと転化させる政策として「インド太平洋海洋イニシアティヴ(以下、IPOI)」を提案した9。

この精神10のもと、ASEANのインド太平洋アウトルックや、発出される東アジアサミットの「持続可能性のためのパートナーシップ」声明の優先分野に沿い、インド太平洋の諸原則を共有する海洋環境を守るための取り組みへと転換するための協力を、私は提案したい。

In this spirit, in line with priority areas in ASEAN's Outlook on the Indo-Pacific, and the upcoming EAS statement for a Partnership on Sustainability, I propose a cooperative effort to translate principles for the Indo-Pacific into measures to secure our shared maritime environment.11

後続部分では進め方に言及した。

セクター別の作業は、1ヶ国あるいは2ヶ国が主導する。これにより、各国政府は、グローバルな諸課題への協調的な解決策を求める世論との関係を改善できるだろう。このイニシアティヴは真に開かれ、インクルーシヴで、協調的なものとなる。パートナー国が望むように、ステップ・バイ・ステップで制度的な基礎を発展させる。

Work in each sector could be led by one or two countries. This would help Governments align better with public opinion demanding cooperative solutions to global challenges. The initiative would be truly open, inclusive and cooperative. And it can develop institutional roots as partners wish, step-by-step.12

各イシューを主導する国を定めることや、インクルーシヴで着実な形で課題解決に向けた協力を行うという方針が確認できる。さらに後の部分では、オーストラリアが前向きな関心を示していること、ならびに他の数カ国が海洋安全保障と災害リスク削減の分野での協力に関心を示していることが明らかにされる13。

 この演説では、IPOIの内容は一部が示されただけであった。その後、IPOIに関する包括的な政策文書が用意されているとの話もあるが、発表は確認されていない14。しかし、インド外務省インド太平洋局の解説文書(2020年2月)などから、IPOIの7つの政策イシュー(「柱(pillar)」と呼ばれる)が明らかになっている(後述)15。
3.「インド太平洋海洋イニシアティヴ」の展開

以上で見てきたように、インドのIPOIとは、「自由で開かれインクルーシヴな(そしてルールに基づく)インド太平洋」を実現するための具体的な取り組みを、7つの柱それぞれに主導国を定め、それ以外を含む関係各国との協力を進めるための枠組みである。協力相手や主導国については、2021年6月のインド外務省サウラブ・クマール(Saurabh Kumar)東担当次官の発言などから、下記の通り明らかになっている16。

表:「インド太平洋海洋イニシアティヴ」の7つの柱と主導国(2021年6月時点)

1

海洋安全保障

maritime security

インド

2

海洋生態系

maritime ecology

オーストラリア

3

海洋資源

maritime resources

フランス、インドネシア

4

能力構築と資源共有

capacity building and resource sharing

5

災害リスクの削減と管理

disaster risk reduction and management

インド

6

科学技術・学術協力

science, technology and academic cooperation

7

貿易の連結性と海上輸送

trade connectivity and maritime transport

日本

(出所)Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Secretary (East)’s opening remarks at the India-Japan-Italy Trilateral Webinar on Indo-Pacific,” June 17, 2021 https://mea.gov.in/Speeches-Statements.htm?dtl/33924/secretary+easts+opening+remarks+at+the+indiajapanitaly+trilateral+webinar+on+indopacific+june+17+2021.

IPOIの発表以降、インドと各国との様々な合意のなかで言及されており、たとえば日印政府間の「海洋に関する対話」では、IPOI発表以降の第5回(2019年12月)と第6回(2021年9月)で、日本の「自由で開かれたインド太平洋」とインドのIPOIに基づく協力を謳っている17。また、2021年10月のASEANインド・サミットの共同声明でも、日印と同様に相互に政策を支持する形で、ASEAN側のインド太平洋アウトルックとインド側のIPOIでの協力を盛り込んでいる18。

筆者の調べた限りにおいて、唯一の具体的な進展が見られるのは、発表当初からIPOIに前向きな反応を示していたオーストラリアとの協力である。2020年6月、両国間の包括的・戦略的パートナーシップの締結に際し、インドのIPOIへの支援をオーストラリアが表明していた19。その後のオーストラリア政府の発表によると、オーストラリアは第2の柱である海洋生態系分野での協力で主導国となり、それ以外にも科学分野での協力やプラスチックごみなどによる海洋汚染の問題での協力が行われるという20。

そして、「豪印インド太平洋海洋イニシアティヴ・パートナーシップ(Australia-India Indo-Pacific Oceans Initiative Partnership)」という形で、IPOIに基づく施策が早くも実現している21。これは、端的に言うと、海洋分野での両国の研究やビジネス、政府間の協力に補助金を拠出する制度である22。具体的な協力内容として、出版に向けた共同研究、技術訓練、人的交流、産業間の協力などが例示されている。なお、2020年6月の包括的・戦略的パートナーシップに基づく他の協力として、サイバーや機微技術の分野でも同様の二国間補助金制度が創始されている23。

以上で言及してきたASEAN加盟国、日本、オーストラリアのほかに、インドは2021年までに、ニュージーランド24、フランス25、イギリス26との間で、IPOIをめぐる協力についての合意を発表している。
おわりに

インドのインド太平洋政策における具体的な海洋協力のプラットフォームとして動き出したIPOIは、現時点ではインドのインド太平洋政策の一連の動向のなかで「自由で開かれインクルーシヴ」な要素を担う枠組みとなっている。ただしインドのインド太平洋政策は、IPOIだけではなく、たとえば日米豪印4か国のいわゆるクワッドによる協力についてもインド太平洋に関連付けられているように、より幅の広いものである。つまりIPOIはインドのインド太平洋関連政策の一部でしかないが、公式にはその中核に位置付けられるため、IPOIの動向については今後も注目する意義があるだろう。

1 「インド太平洋海洋イニシアティヴ」に関する主な先行研究として以下を参照されたい。Premesha Saha, Abhishek Mishra, “The Indo-Pacific Oceans Initiative: Towards a Coherent Indo-Pacific Policy for India,” ORF Occasional Paper, No. 292, December 2020 https://www.orfonline.org/research/indo-pacific-oceans-initiative-towards-coherent-indo-pacific-policy-india/; Rahul Mishra, “Indo-Pacific Oceans’ Initiative: Providing Institutional Framework to the Indo-Pacific Region,” AIC Commentary, No. 20, August 2021 https://aei.um.edu.my/img/files/AIC%20commentary%20No%2020%20August%202021%20final.pdf. 以下、ウェブサイトはすべて2022年2月4日にアクセス確認。
2 外務省ウェブサイト「日印首脳会合」2014年11月14日https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page4_000808.html。ただしインド政府側のリリースでの言及は見つけられていない。
3 過去の日印関係における「インド太平洋」の動向の詳細については、筆者による下記の論考を参考にされたい。溜和敏「インドと日本の『インド太平洋』:2007年から2018年まで」田所昌幸編『素顔の現代インド』慶應義塾大学出版会、2021年、179-206ページ;Kazutoshi Tamari, “India-Japan Relations in Japan’s Notion of Indo-Pacific: Genesis, Difference and Convergence,” Srabani Roy Choudhury, ed., Japan and its Partners the Indo-Pacific: Engagements and Alignments, New Delhi: Routledge, forthcoming.
4 Indian Navy, Ensuring Secure Seas: Indian Maritime Security Strategy, October 2015 < https://www.indiannavy.nic.in/sites/default/files/Indian_Maritime_Security_Strategy_Document_25Jan16.pdf&gt;.
5 Website of Press Information Bureau, Government of India, “Text of the PM’s Remarks on the Commissioning of Coast Ship Barracuda,” March 12, 2015 https://pib.gov.in/newsite/printrelease.aspx?relid=116881.
6 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Prime Minister’s Keynote Address at Shangri La Dialogue,” June 1, 2018, https://www.mea.gov.in/Speeches-Statements.htm?dtl/29943/Prime+Ministers+Keynote+Address+at+Shangri+La+Dialogue+June+01+2018.
7 Ibid. 以下、引用部の翻訳は筆者による。
8 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Ministry of External Affairs, Indo-Pacific Division Briefs” February 7, 2020 https://mea.gov.in/Portal/ForeignRelation/Indo_Feb_07_2020.pdf. インド太平洋局は主にASEAN関連の多国間枠組みを担当している。各地域の国々との関係を所管する局は別にあり、インド太平洋局は日本外務省のアジア太平洋局のように地域全般を所管するものではない。
9 Website of Ministry of External Affairs, Government of India “Prime Minister’s Speech at the East Asia Summit,” November 04, 2019 https://www.mea.gov.in/Speeches-Statements.htm?dtl/32171/Prime_Ministers_Speech_at_the_East_Asia_Summit_04_November_2019.
10 引用者注:「自由で、開かれ、インクルーシヴで、透明で、ルールに基づき、平和で、繁栄したインド太平洋地域」という精神のこと。
11 “Prime Minister’s Speech at the East Asia Summit.”
12 Ibid.
13 Ibid.
14 2021年12月のインド外務省高官の声明によると、IPOIに関する正式な文書(The Vision Document)が検討されており、近く決定される予定であるという。Website of Ministry of External Affairs, Government of India “Valedictory Address by Secretary (East) at the 8th Indian Ocean Dialogue,” December 15, 2021 https://mea.gov.in/Speeches-Statements.htm?dtl/34659/valedictory+address+by+secretary+east+at+the+8th+indian+ocean+dialogue.
15 “Ministry of External Affairs, Indo-Pacific Division Briefs.”
16 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Secretary (East)’s opening remarks at the India-Japan-Italy Trilateral Webinar on Indo-Pacific,” June 17, 2021 https://mea.gov.in/Speeches-Statements.htm?dtl/33924/secretary+easts+opening+remarks+at+the+indiajapanitaly+trilateral+webinar+on+indopacific+june+17+2021. なお、それから半年以上経過しているが、その後に主導国の追加は確認されていない。
17 外務省ウェブサイト「第5回日・インド海洋に関する対話の開催(結果)」2019年12月27日 < https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page3_003019.html>;同「第6回日・インド海洋に関する対話の開催(結果)」2021年9月9日https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page24_001464.html。いずれも具体的な協力内容については書かれていない。
18 Website of Ministry of External Affairs, Government of India “ASEAN-India Joint Statement on Cooperation on the ASEAN Outlook on the Indo-Pacific for Peace, Stability, and Prosperity in the Region,” October 28, 2021 https://mea.gov.in/bilateral-documents.htm?dtl/34425/ASEANIndia+Joint+Statement+on+Cooperation+on+the+ASEAN+Outlook+on+the+IndoPacific+for+Peace+Stability+and+Prosperity+in+the+Region.
19 包括的・戦略的パートナーシップの全体文書とは別に、インド太平洋における二国間海洋協力の共同声明を発している。全体文書と個別文書の双方でIPOIにおける協力が言及されている。Website of Department of Foreign Affairs and Trade, Australian Government, “Joint Statement on a Comprehensive Strategic Partnership between Republic of India and Australia,” June 4, 2020 https://www.dfat.gov.au/geo/india/joint-statement-comprehensive-strategic-partnership-between-republic-india-and-australia; “Joint Declaration on a Shared Vision for Maritime Cooperation in the Indo-Pacific Between The Republic of India and the Government of Australia,” June 4, 2020 https://www.dfat.gov.au/geo/india/joint-declaration-shared-vision-maritime-cooperation-indo-pacific-between-republic-india-and-government-australia.
20 Website of Australian High Commission, New Delhi, “Australia-India Indo-Pacific Oceans Initiative Partnership: Grant Round 1,” February 24, 2021 https://india.highcommission.gov.au/ndli/AIIPOIP.html; “Australia-India Indo-Pacific Oceans Initiative Partnership: Grant Round 2,” April 19, 2021 https://india.highcommission.gov.au/ndli/AIIPOIP1.html.
21 Ibid.
22 第三国の参加も排除されていないが、印豪両国の機関等の参加は必須とされる。
23 Website of Australian High Commission, New Delhi, “Australia-India Cyber and Critical Technology Partnership: Grant Round 2” February 24, 2021 https://india.highcommission.gov.au/ndli/AICCTP.html.
24 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Bilateral meeting of External Affairs Minister with Winston Peters, Deputy Prime Minister and Foreign Minister of New Zealand,” February 26, 2020 https://mea.gov.in/press-releases.htm?dtl/32430/bilateral+meeting+of+external+affairs+minister+with+winston+peters+deputy+prime+minister+and+foreign+minister+of+new+zealand.
25 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “India-France-Australia Joint Statement on the occasion of the Trilateral Ministerial Dialogue,” May 4, 2021 https://mea.gov.in/bilateral-documents.htm?dtl/33845/indiafranceaustralia+joint+statement+on+the+occasion+of+the+trilateral+ministerial+dialogue+may+04+2021.
26 Website of Ministry of External Affairs, Government of India, “Roadmap 2030 for India-UK future relations launched during India-UK Virtual Summit,” May 4, 2021 https://mea.gov.in/bilateral-documents.htm?dtl/33838/roadmap+2030+for+indiauk+future+relations+launched+during+indiauk+virtual+summit+4+may+2021.

ベトナム、インドと防衛協定 基地を相互利用 対中警戒

ベトナム、インドと防衛協定 基地を相互利用 対中警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB06AGJ0W2A700C2000000/

『【ニューデリー=キラン・シャルマ】南シナ海の領有権を中国と争うベトナムが、インドとの防衛協力を強化する。両国は6月、兵器を含む軍の装備品の補修や補給で軍事基地を相互に利用する協定を結んだ。インド国防省によると、ベトナムが外国とこうした協定を結ぶのは初めて。インドも中国とは係争地を巡り対立する。対中国で利害が一致するベトナムとインドの接近が目立つ。

ベトナムとインドは包括的戦略パートナーシップを締結済み。2030年までに防衛協力を拡大する共同声明にも署名した。インドが提唱する「インド太平洋海洋イニシアチブ」とベトナムが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)が採択した「インド太平洋に関するASEANアウトルック」に沿った関係拡大にも取り組んでいく。

ベトナムとインドは共通の安全保障上の「脅威」だとみなす中国を警戒する。ベトナムは南シナ海を巡り、同国と対中国で共通の利害を持つ国々が集まる必要があると考えているようだ。

インドはヒマラヤの山岳地帯で中国との係争地を抱える。南シナ海ではインド国営の石油天然ガス公社(ONGC)が関連会社を通じて資源採掘を進め、中国の抗議をしばしば受けてきた。中国は南シナ海のほぼ全域で、事実上の主権である「管轄権」の保有を主張している。

インドのシン国防相は6月上旬、ベトナムを訪問した。その際、インドの融資で製造された12隻の高速巡視船を引き渡した。インドはベトナムの防衛力強化のため新たに5億ドル(約680億円)の融資枠を提供すると発表した。

シン氏はベトナムのファン・バン・ザン国防相と会談後、「両国の防衛・安保に関する密接な協力はインド太平洋地域の安定に欠かせない」とツイートした。

ベトナム国防省の声明によると、同国とインドはシン氏の訪問中、南シナ海における海上や上空飛行の安全確保などが重要だとの認識で一致した。さらに国連海洋法条約を含む国際法に基づく紛争の解決を支持した。

インドとベトナムが6月に結んだ後方支援の協定が発効すれば、双方の軍事基地への艦船、航空機、人員の手配が容易になる。食料、燃料、兵器の補給やメンテナンスも可能になる。インドは同様の協定を日本、米国などとも締結済みだ。

実際にインドが南シナ海の領有権問題に介入するかどうかは不透明だ。シンガポールのシンクタンクの専門家は「インドが南シナ海の安保の一端を担うことになるのか、この海域をどれほど重視しているのかはわからない」と説明した。

インドはモディ首相が就任した14年から、東南アジア諸国への関与に力を入れてきた。インドの大学の専門家によれば、ASEANに加盟するシンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンと軍事演習を実施してきた。この事実はASEAN諸国にとっても、中国に対抗するうえで重要だが「それだけでは十分でない」と、この専門家は話す。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Indo-Pacific/India-Vietnam-defense-ties-on-upswing-as-both-eye-China/?n_cid=DSBNNAR 』

米上院議員が台湾訪問 蔡総統と会談へ

米上院議員が台湾訪問 蔡総統と会談へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM077K20X00C22A7000000/

『【台北=龍元秀明】台湾の外交部(外務省)は7日、米共和党のリック・スコット上院議員が台湾入りしたと発表した。9日まで滞在し、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統らと会談する。台湾との統一に向けた圧力を強める中国を念頭に、安全保障や経済連携について議論する。外交部は同日「訪問を心から歓迎する」との声明を発表した。

スコット氏は米主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に台湾を含めるよう米政府に求める共同書簡に署名し、台湾支持の姿勢を示してきた。

米国からは4月に共和党のリンゼー・グラム氏、5月に民主党のタミー・ダックワース氏など、2022年だけで7人の上院議員が訪台した。』

中国、9月にデータ海外持ち出し規則を施行

中国、9月にデータ海外持ち出し規則を施行
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM07BHQ0X00C22A7000000/

『【北京=多部田俊輔】中国政府は7日、データの海外への持ち出しに関する規則「データ海外越境安全評価弁法」を9月1日に施行すると発表した。10万人以上の個人情報を持ち出す場合、国家の安全を損なう恐れがないかなどの審査を義務付けた。米国との対立を受け、国や企業の競争力を左右するデータの囲い込みを狙う。

当局による審査の対象となったのは、通信や金融、交通などの重要情報を扱うインフラ運営者や100万人以上の個人情報を扱う事業者、前年の1月1日から累計で10万人以上の個人情報を持ち出す事業者、1万人以上の指紋などの「センシティブ個人情報」を持ち出す事業者。

企業側はデータを持ち出す目的や安全に持ち出す仕組み、持ち出す国の法規などを当局に伝え、当局は漏洩などのリスクを審査する。中国とデータを巡って対立すれば、持ち出しに影響が出る恐れがある。

習近平(シー・ジンピン)指導部はデータ統制を強化しており、2017年にインターネット安全法(サイバーセキュリティー法)、21年にデータ安全法(データセキュリティー法)と個人情報保護法を次々と施行した。新たな規則はこれら「データ3法」に基づく。

データを巡っては、米テスラの車両が収集したデータが海外に持ち出される疑いがあるとして、人民解放軍がテスラ車の利用を制限している。中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)も、中国当局から情報流出などを懸念する声があがり、米国上場の廃止を決めた。』

中国、太陽光パネルの製造過程でシェア8割 IEA報告

中国、太陽光パネルの製造過程でシェア8割 IEA報告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR07DHH0X00C22A7000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】国際エネルギー機関(IEA)は7日、太陽光パネルの主要製造段階での中国のシェアが8割を超えていると分析した報告書を公表した。太陽光発電のサプライチェーン(供給網)に不均衡をもたらしているとして世界各地に生産を拡大し、多様化を進めるよう提言した。

主要素材のポリシリコンやウエハーについては今後数年で中国のシェアが95%になると予測した。例えば21年に中国はポリシリコンの世界の生産能力の79%を占め、その42%は新疆ウイグル自治区にある。

火災や自然災害が発生すれば、世界への供給が滞るほか、価格の上昇につながる可能性がある。中国と西側諸国の対立が深まれば、輸出が止まるリスクもある。

IEAのビロル事務局長は声明で「中国は太陽光発電のコスト引き下げに貢献した」と評価する一方、「供給網が地理的に集中しているのは各国政府が対処すべき潜在的な課題だ」と述べ、生産地の多様化の必要性を訴えた。

太陽光発電は急速に普及しており、足元では最も安い発電技術の一つだ。世界が温暖化ガスの排出の大幅な削減をめざすなか、2050年に地球の温暖化ガスの排出を実質ゼロにするには、太陽光の発電能力の増加量を30年までに21年の4倍以上にする必要がある。

太陽光パネルの生産の中心はこの10年で日米欧から中国に移った。報告書によると、中国は11年以降、欧州の10倍以上に当たる500億ドル(約6兆8000億円)を投資して、30万人の雇用を創出したという。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Business/Energy/China-s-solar-panel-supply-chain-domination-cause-for-worry-IEA?n_cid=DSBNNAR 

https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGR07DHH0X00C22A7000000&n_cid=DSPRM1AR08 』

中韓外相が初会談 「積極的な対話」で一致

中韓外相が初会談 「積極的な対話」で一致
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM07DUW0X00C22A7000000/

『【ソウル=甲原潤之介】韓国外務省は7日、朴振(パク・ジン)外相が訪問先のインドネシア・バリ島で中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と50分間会談したと発表した。中韓外相の会談は5月の韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後、初めて。外相間や外務次官級の対話を積極化すると合意した。

朴氏は6月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席などを念頭に、韓国が「自由と平和のための国際社会の連帯」に参加したと説明した。「韓中関係も普遍的価値と規範に基づき発展することを期待する」と伝えた。北朝鮮の核問題で中国に役割を発揮するよう求めた。

韓国側によると、王氏は韓国を「切り離せない重要な隣国」だと述べ、両国間の意思疎通の強化に意欲を示した。

両氏は、朴氏の早期訪中と王氏の2022年後半の訪韓に向け協力すると申し合わせた。

韓国は中国を明記する戦略概念を定めた6月のNATO首脳会議に、日本などと同様にパートナー国として参加した。対中姿勢を強める米欧と足並みをそろえる一方、北朝鮮対応などを踏まえ中国とも対話を継続する考えだ。

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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM07DUW0X00C22A7000000&n_cid=DSPRM1AR08 』