ロシア、「疲れ」狙い長期戦の構え 防衛研の長谷川氏

ロシア、「疲れ」狙い長期戦の構え 防衛研の長谷川氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0451B0U2A700C2000000/

『2022年7月4日 20:00

防衛省防衛研究所の長谷川雄之研究員の話

防衛研究所の長谷川雄之氏

ロシアはキーウ攻略に失敗し、東部に兵力を集める作戦に転換した後もルガンスク州の制圧に時間がかかった。隣のドネツク州でも一進一退の攻防が続くと予想される。ロシア軍の消耗が指摘されているとはいえ、火力で劣るウクライナ軍が大きく流れを変えられるかは同国への武器支援を米欧が高い水準で続けられるか次第となる。

プーチン政権は当初の短期制圧をにらんだ非合理的な戦術を改めて、長期戦でウクライナを追い詰める姿勢に切り替えている。時間とともに米欧の「ウクライナ支援疲れ」が深まると考えながら分断を図るだろう。エネルギーや食糧供給を材料に西側の世論も含めて揺さぶりをかけているのもその一環だ。

ロシアがどの段階で進軍を止めるかを予測するのは難しい。プーチン大統領が侵攻を強行した背景にはロシアに大国としての「特別な使命」があるとする歴史観や、政治的な遺産(レガシー)として歴史に名を残したい思惑があったと推察される。プーチン氏は10月に70歳を迎える。最高権力者として統治を続けるのに残された時間も意識しながら、米欧の結束やウクライナの政治体制がどれだけ持つかを見極めているだろう。』