ミャンマー、中国と一帯一路推進 政変後初の国際会議

ミャンマー、中国と一帯一路推進 政変後初の国際会議
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『【ヤンゴン=新田裕一】中国とメコン川流域5カ国は4日、国軍が全権を掌握したミャンマーの観光地バガンで経済協力を話し合う外相会合を開いた。クーデター以降、ミャンマーで閣僚級の国際会議が開かれたのは初めてで、国軍は「政権が認められた」とアピールする。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相との二国間会談では、広域経済圏構想「一帯一路」の推進などで一致した。

4日に開かれたのは「瀾滄江(らんそうこう)―メコン川協力(LMC)」の外相会合。東南アジア諸国連合(ASEAN)特使としてミャンマー訪問中のカンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相のほか、タイ、ラオス、ベトナムの外相も出席した。ゾーミントゥン国軍報道官は1日の記者会見で「(軍事政権のもとでの)国家主権が認められたということだ」と語った。

LMCは2015年、中国主導で設けられた枠組みで、東南アジア最長の河川であるメコン川流域のインフラ開発などを話し合う。瀾滄江はメコン川上流の中国名だ。

王氏は3日、ミャンマー国軍が外相に任命したワナマウンルウィン氏と個別会談した。中国の支援でインフラ整備を進める「中国・ミャンマー経済回廊」の建設を加速することや、両国間の送電網を接続させる計画を進めることなどで合意した。

王氏はプラク・ソコン氏とも会談し、ミャンマーの政治情勢について①ミャンマーの憲法と法律の枠内で政治的和解を促す②ミャンマーの国情に即した民主体制移行の道を探る③ASEANが内政不干渉の原則を堅持する――ことなどを求めた。

ミャンマーでは、中国との国境のシャン州から第2の都市マンダレーへの鉄道建設が計画されている。国軍当局は6月中旬、事業化に向けた手続きの一環で、環境への影響に関する意見募集を始めた。総事業費は89億ドル(約1兆2000億円)とされる。

中国の国営メディアは5月、雲南省大理市とミャンマーとの国境にある同省瑞麗市を結ぶ鉄道敷設で、難所だった6本のトンネルの掘削が完了したと伝えた。将来はミャンマー西部のインド洋沿岸部まで路線を延伸し、中国主導で整備する港湾と接続する構想だ。

ただ、ミャンマーでは国軍に対する民主派勢力の武力抵抗が続いており、中国が大規模なインフラ事業に着手できる状況ではない。ミャンマー戦略・政策研究所のナンルウィン氏は「事業実施に向けた調整は続けているものの、治安情勢や対中感情の悪化で、中国政府は慎重になっている」と指摘する。3日の二国間会談でも、大規模インフラ事業への言及はほとんどなかった。

中国の万宝鉱業が運営するミャンマー北西部ザガイン地域のレパダウン銅山周辺では、民主派勢力の複数の武装グループが国軍の守備隊への攻撃を繰り返している。万宝は6月下旬、「従業員が危険にさらされる」として攻撃を強く非難する声明を出した。

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