債務の罠に警戒を始めた太平洋諸国 : 机上空間

債務の罠に警戒を始めた太平洋諸国 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/29099071.html

『 オセアニアの絶海にある、人口が1万2千人程の国、ツバルをご存知だろうか。イギリスの植民地でしたが、独立した国で、立憲君主制の国家です。昔は、エリス島という名前で呼ばれていました。独立したとはいえ、イギリス連邦王国に与していて、プロテスタントが多い、イギリスの影響を多く受けた国です。

国土が複数の島に分かれている上、それぞれの島も離れていて、しかも海抜が低い為、地球温暖化にともなう海面上昇で、国土が喪失するのではないかと言われています。首都のある最大の島の面積も、日本の品川区と同じ程度で、人口が少ないので独自の経済が育たず、国際連合の最貧国リストにも掲載されています。実際、国連に加盟する時も、国単位で割当られるインターネットのトップレベル・ドメインの”.tv”(日本の.jpに相当する)をアメリカの会社に5000万ドルで売却して、この売却益で何とか国連加盟を果たしたという、なかなか経済が厳しい国です。

ツバルは、1979年から台湾と国交を結んで、大使館を置いている数少ない国なのですが、これに対して中国が経済援助と引き換えに、国交を断絶するように圧力をかけています。国土が沈むという自然現象に対して、南沙諸島に作った海上基地のような埋め立て技術と資金を提供して、水没を防いであげる代りに、台湾との国交を絶てという申し出ですね。2019年に、ツバル・ソロモン諸島・キリバスなど、この地域の島国に札束攻勢をかけ、実際ツバル以外は、援助と引き換えに台湾との国交を絶ったのですが、ツバルだけは、債務の罠を警戒して拒否しています。これは、ツバルの外務大臣が、口に出して拒否しているので、はっきり債務の罠を警戒して断っています。

そのツバルが、国連の国際会議に参加する代表団に、台湾の人間を入れるという裏技を使って、台湾を締め出そうとする中国に楯突くという、かなり面白い行動に出ました。取り方によっては、喧嘩を売っているようなものですが、あくまでもツバルの代表に台湾籍の人間が混じっているという体での参加です。

人口も国土も少なく、天然資源も無く、経済も小規模なので、中国から見たメリットは、政治的な票として利用するぐらいしかないからできる事かも知れません。しかし、領土の面積が自国の37万倍、人口が10万倍の国に対して、ここまで我を貫けるというのも、大したものだと思います。

これで、判るのは、中国の言い分を、そのまま受け取る国が少なくなってきたという事です。民間利用の施設と言って、援助で作った港や空港が、債務の罠で接収された後に、軍事基地化して、中国の飛び地の領土として使われたり、膨大な借金で国の経済が破綻した例を見ていれば、いくら大金を援助すると言っても、断るのも道理です。また、援助を受ける側も、自国の経済規模を顧みず、中国の言う甘言に乗って、身の丈に合わない大借金をする事が、国の将来をいかに歪めるか判ってきたという事です。

誰だって、今日より明日の暮らしが良くなる事を願いますが、条件付きの札束に手を出すのが賢明がどうかは、良く考えたほうが良いという事ですね。』