「VoLTE交換機」や「トラヒックの輻輳」の仕組みとは?設備障害は今後も起こる?!

「VoLTE交換機」や「トラヒックの輻輳」の仕組みとは?設備障害は今後も起こる?!
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『 7/2未明、KDDI社にて大規模な通信障害が発生しました。

7/3中には復旧作業を終了し、ネットワーク試験の検証完了の上完全復旧見込みとのことですが、個人の携帯電話サービスが影響を受けるとともに、一部銀行のATMが使えなくなったり、ヤマト運輸の宅配にも影響、貨物列車の遅延によりゆうパックの配送にも影響が出たりと、とても大きな混乱が起こっています。

KDDI社より、設備障害により「VoLTE交換機」にて「トラヒックの輻輳」が発生したとの発表がありました。

この「VoLTE交換機」と「トラヒックの輻輳」というワードを見て、どんなことが起こっているのか想像できた人はどのくらいいるのでしょうか?

今回は、「VoLTE交換機」と「トラヒックの輻輳」についてより詳しく解説していくとともに、今後の設備障害についても確認していきます。
目次

「VoLTE交換機」「トラヒックの輻輳」って何?
    VoLTE交換機って何?
    トラヒックの輻輳って何?
「VoLTE交換機」や「トラヒックの輻輳」を身近なもので言い換える
設備障害のパターンは?
    設備障害パターン① ハードウェア障害
    設備障害パターン② ソフトウェア障害
    設備障害パターン③ 不正アクセス・サイバー攻撃
設備障害は今後も起こる?

「VoLTE交換機」「トラヒックの輻輳」って何?
VoLTE交換機って何?

VoLTE交換機とは、音声通話データが届いたときに、「あ、このデータはVoLTEでの通話データだ」という認識をして適切なサーバに送る機器のことを言います。

少し詳しく言いますと、APNに「ims」が入っているデータを受ける端末といった意味になるのでしょうか。

※万が一誤りがありましたら、お問い合わせフォームよりご指摘いただければ至急確認し修正いたします。

では、そもそもVoLTEって何?って方もいらっしゃると思うのでこちらも解説します。

VoLTEとは、データ通信で使用される高速モバイル通信網(LTE)でパケット交換をして、音声通話も処理するという仕組みのことで、「Voice Over LTE」の略称です。日ごろスマホでサイト閲覧などをしている通信と同じところに通話のデータも乗ってくるといった意味になり、LINEやSkypeなどと同じようなIP電話と同じような仕組みになります。ただ、IP電話のデータよりもVoLTEのデータのほうが優遇されており、IP電話のデータとVoLTEのデータが同時に来たら、VoLTEを先に通すという決まりがあります。

VoLTEの技術がなかった3G回線の時代は、データ通信のネットワークと音声通信のネットワークに分かれてやりとりされていました。もっと詳しく言うと、音声は0と1で構成されるデータで音声専用のネットワーク、データは「パケット」と呼ばれるデータでデータ通信専用のネットワークを通っていたということになります。
トラヒックの輻輳って何?

トラヒックの輻輳(ふくそう)とは、トラヒックが多くなってしまいデータの渋滞が起こっているということを意味します。この場合、渋滞しているので1つ1つの処理に時間がかかり、通信の遅延や通信の停止が発生します。

では、個別に「トラヒック」「輻輳」についても確認していきましょう。
トラヒックについて

トラヒックとは、インターネットやLANなどのコンピュータなどの通信回線において、一定時間内にネットワーク上で転送されるデータ量のことを意味します。「トラフィック」と言い換えればお分かりになるでしょうか…?

たくさんの人が一斉にサイト閲覧などデータ通信を行うと、ネットワーク上を行き来するデータが急激に増えます。そう言った場合、「この時間は急激にトラヒックが増大した」ということができます。
輻輳(ふくそう)について

輻輳とは、さまざまな物が1箇所に集中する状態を指します。通信分野では、インターネット回線や電話回線にアクセスが集中することを輻輳と呼びます。インターネット回線や電話回線で輻輳が発生すると、通信速度が低下する、あるいは通信システムそのものがダウンするといった弊害が生じます。

よくあるのは、今回のような障害が発生した際に、「問い合わせ窓口の電話に問い合わせが殺到して電話が繋がりにくくなる」という状態がまさに「輻輳」というわけです。

ここまで、「VoLTE交換機」「トラヒックの輻輳」について解説してきました。なんとなくお分かりになりましたでしょうか?
「VoLTE交換機」や「トラヒックの輻輳」を身近なもので言い換える

では、「VoLTE交換機」や「トラヒックの輻輳」を身近なもので言い換えるとどのようになるでしょうか?

一般的に、データ通信が遅延する事象は、「高速道路」に言い換えることで理解度が深まります。今回の場合は高速道路に言い換えると以下のようになります。

高速道路:回線ネットワーク
VoLTE交換機:高速道路の料金所やインターチェンジ
トラヒック:自動車
輻輳:渋滞

今回は、いくつかある料金所が故障して1つしかない、または、インターチェンジ内で事故が起こって迂回を余儀なくされているので、車が集中して渋滞しているという状態ですね。少しでも理解しやすくなりましたでしょうか?理解していただけたら幸いです。
設備障害のパターンは?

今回のトラブルの原因について、KDDI社のリリースでは「設備障害」とだけ記載があります。

単に「設備障害」というワードだけでは、何が起こっているのか一般の人にはわかりませんよね。そこで、「設備障害」について様々な視点から確認していきましょう。
設備障害パターン① ハードウェア障害

設備障害のパターンの一つが、ハードウェア障害です。

電源が落ちた(入らない)、損傷・焼損などです。要は物理的に何かがおかしい状態です。

しかし、今回の場合は、ハードウェア障害ではないと筆者は予想します。

そう考える理由は以下です。

ハードウェア障害であれば、交換すれば修復するものである
ハードウェア障害に備え、冗長化(機器のミラー化・複数化)をしているはず
万が一の故障予測のため交換する機器を常に準備しているはず

上記理由プラス、丸1日以上経過しても修復していない状況を考慮すると、ハードウェア障害ではないと考えます。
設備障害パターン② ソフトウェア障害

ソフトウェア障害とは、例えば、その機器を制御しているソフトウェア(パソコンで言うとWindows)に不具合が生じてしまった、であるとか、技術者が機器の設定変更をしようとして誤った設定をしてしまい影響が多岐にわたってしまった、など、ハードウェアに故障はないが制御がおかしくなった状態です。

しかし、よくよく考えると、交換用の機器にも同じ設定をしているでしょうから、交換してしまえば不具合が起こる前の状態に戻るのではないか?ということを考えると、ソフトウェア障害でもないかもしれません。
設備障害パターン③ 不正アクセス・サイバー攻撃

不正アクセスやサイバー攻撃は最近よく耳にするワードですよね。

ハッカーと呼ばれる人たちが、企業のセキュリティの隙間から入り込んで障害を起こさせたりする行為です。

これですと可能性ありますね。

修復に時間がかかっている理由が「ハッカーの発信元の特定に時間がかかった」など、一理あるかもしれません。また、KDDI社は大規模なネットワークを持つ会社ですので、不正アクセスを受けたからと言って、全てのネットワークを遮断する訳にいかないでしょうから(影響が多大すぎる)切り分けに時間がかかっている、など。

いずれにせよ、障害復旧に向けて頑張っていただいている技術者の方々がいることを忘れてはなりませんね。
設備障害は今後も起こる?

近年では、2018年にはソフトバンクが5時間ほど障害が発生したほか、2021年にはドコモも大規模な障害を発生させており、総務省から重大事故として認定され厳重注意を受けてしまっています。

今回のKDDI社の場合、1日以上の障害のため総務省から間違いなく重大事故の認定を受けるでしょう。

現代は、携帯電話を1人で1台以上持つ時代になってきており、VoLTE交換機等のトラヒックも増加していますので、モバイルネットワークの障害・輻輳は今後も起こりうるでしょう。携帯キャリア各社は、障害が起こらないように最大限の注意を払っていると思いますが、それでも機器の故障等で予測ができないものあります。

また、我々使用者が携帯電話(スマートフォン)に依存しすぎているというのも、障害を発生させやすくしている原因かもしれません。

少々考えさせられるニュースでしたね。

利用者としては、早期の復旧を望むのみです。

(7/3 20時現在)
ご利用しづらい状況が継続し、深くお詫び申し上げます。

西日本は11時、東日本は17時半に復旧作業を終了しましたが、
作業終了後も、ネットワーク試験の検証中につき、
流量制御などの対処を講じているため、ご利用しづらい状況が継続しております。https://t.co/PmErkoIVqX
— au (@au_official) July 3, 2022

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