米で不法移民急増 無理に越境、死者も相次ぐ

米で不法移民急増 無理に越境、死者も相次ぐ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28ED60Y2A620C2000000/

 ※ コロナ直撃のせいなのか、あるいは、民主党政権であるうちに…、という「思惑」が働いているのか…。

 ※ 働いている「力学」の「要因」を、ざっと抽出してみる…。

  ・「生活苦」から脱出する、という中南米民側の事情
  ・安い労働力を利用したい、というアメリカ側の事情
  ・そういう移民が増加すると、雇用が重なって、失業につながるというアメリカ労働者側    の事情
  ・将来の「選挙民」拡大につなげたいという民主党の思惑
  ・それは、断固阻止したいという共和党の思惑

  大体、そんなものか…。

  これに、「あっせん業者」「仲介業者」の利害、取り締まる側の思惑(予算獲得や、組織の拡充)、「ワイロ」も飛び交ったりするんだろう…。

 ※ いずれにせよ「混沌」で、スッキリとした「解決」は、困難だ…。

『【メキシコシティ=清水孝輔】米国で不法移民が急増し、無理な越境による死亡事例が相次いでいる。米南部テキサス州で大型トレーラーの中や周辺で不法移民とみられる遺体が見つかった事件では、死者数の合計が53人に達した。バイデン政権は寛容な移民政策を掲げるものの、合法的な入国をしやすくする規制緩和は進まない。中南米から命懸けで米国をめざす不法移民の増加につながっている。

米税関・国境取締局(CBP)によると、米メキシコ国境で拘束された不法移民の数は5月に23万9416人と前年同月比で3割増えた。このうちメキシコと中米3カ国の出身者が半数を占める。多くの不法移民がブローカーの手を借りてメキシコを経由して米国に向かうが、移動中に事故や犯罪に巻き込まれる事例が後を絶たない。

テキサス州サンアントニオでは6月27日にトレーラーの中や周辺で大量の遺体が見つかり、生存者が病院に搬送された。地元当局によると、死者数は53人と当初の48人から増加した。メキシコ政府によると、死者のうちメキシコ人が少なくとも27人を占めていた。14人はホンジュラス、7人はグアテマラ出身だった。まだ国籍が明らかになっていない死者もいる。

メキシコ側でも米国をめざす移民が死亡する事例が相次ぐ。メキシコの国家移住庁(INM)によると同国内では1~5月合計で米国をめざしていた37人の遺体が見つかった。南部チアパス州では2021年12月、トレーラーが道路のカーブを曲がりきれずに横転し、乗っていた中米出身の移民ら55人が死亡、100人以上が負傷する事故が起きた。

不法移民が増加する背景には、バイデン政権下で停滞する移民政策がある。バイデン大統領は20年の大統領選で寛容な移民政策を進めると表明。22年4月には不法移民の即時送還措置を廃止すると発表した。同措置は「タイトル42」と呼ばれ、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的でトランプ前政権が導入していた。

だが移民政策の緩和は共和党との対立で遅れている。南部ルイジアナ州など24の州政府はタイトル42の廃止に反発して提訴し、トランプ前政権に指名を受けた同州の連邦地裁判事が5月20日に仮差し止め命令を出した。移民に厳しい政策が続く中、合法的な入国を見込めない中南米出身者が命懸けで不法越境をめざしている。

テキサス州のアボット知事は6月27日、不法移民の遺体発見を受け、「(移民に寛容な)バイデン政権の責任だ」と非難した。一方で11月に投票を控える同州知事選の民主党候補、ベト・オルーク元下院議員は「人身売買の代わりに、我が国の価値観と需要にあった合法な移民の受け入れを拡大すべきだ」と訴えた。

移民政策の一部は前進する兆しもある。米連邦最高裁は6月30日、移民規制「移民保護プロトコル(MPP)」を撤回するバイデン政権の決定を認める判断を下した。MPPは米国で難民申請した移民をメキシコ側に戻し、同国内で待機させる制度だ。移民への対応を厳しくする目的でトランプ前政権が導入していた。

バイデン大統領は就任直後の21年2月にMPPを撤回した。だがテキサス州の連邦地裁が21年8月、撤回は違法だとの判決を下した。米政府は連邦地裁の判決を受け、21年12月にMPPを再開した。最高裁の判断でバイデン政権は再びMPPを撤回できる可能性がある。

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