国の税収が過去最高、21年度は67兆円程度 法人税伸びる

国の税収が過去最高、21年度は67兆円程度 法人税伸びる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA30DSK0Q2A630C2000000/

 ※ マクロ経済的、財政的には、政府・日銀の「大勝利」だな…。

 ※ しかし、「経済主体」は、「企業」だけではない…。

 ※ 企業、家計、政府と3方面ある…。その間のバランスにも、目配りして欲しい…。
〔GDPの三面等価、需給ギャップの話し〕(※ 過去の投稿)
https://http476386114.com/2021/10/29/%E3%80%94gdp%E3%81%AE%E4%B8%89%E9%9D%A2%E7%AD%89%E4%BE%A1%E3%80%81%E9%9C%80%E7%B5%A6%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%81%97%E3%80%95/ 

『国の2021年度の税収が67兆円程度となり、過去最高を更新したことがわかった。これまでの最高だった20年度の60兆8216億円を1割上回る。新型コロナウイルス禍からの企業業績の回復で法人税収が伸びた。消費税や所得税も堅調だった。

21年度当初予算の時点では、57兆4480億円と見込んでいた。21年末に上方修正した63兆8800億円をさらに3兆円ほど上回った。税収は2年連続で過去最高を更新した。

コロナ禍からの回復が比較的早かった製造業に加え、非製造業も業績が持ち直した。外国為替市場で進行した円安が輸出企業の業績を押し上げたのも追い風となった。飲食や宿泊など一部の業種は低迷が続いたが、中小企業を中心にもともと赤字で法人税を納めていない事業者も多く、税収が減る要因になりにくかった面がある。

所得税は雇用環境の改善などで伸びた。消費税は個人消費の持ち直しのほか、年度後半の物価上昇で購入額が増えたことも税収を上振れさせたとみられる。

21年度の当初予算と補正予算を合わせた歳出規模は140兆円を超える。過去最高の税収でも賄えるのは半分に満たない。財政健全化には歳出の見直しも欠かせない。
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ひとこと解説

記事中にもある通り、円安は財政収支の改善にも効果を発揮します。
事実、内閣府の最新マクロ計量モデルの乗数に基づけば、10%の円安で2年後の財政収支/GDPが+0.25%ポイントも改善することになります。
インバウンド減少や部品不足などもあり、マクロモデル通りの効果までは出ないかもしれませんが、今年度はこれだけ円安・物価上昇が進んでいますので、米国経済の腰折れとかよほどのことがない限り、さらに税収が上振れする可能性が高いでしょう。
2022年7月1日 8:30 (2022年7月1日 9:57更新)

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鈴木亘
学習院大学経済学部 教授
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分析・考察

やはり、円安が輸出企業の利益をかなり押し上げ、日本経済にプラスに働いていることが、ここからも確認できる。マスコミは相変わらず、円安の被害を訴える中小企業や輸入業者の声ばかり拾って騒ぎ立てるが、声を出さずに静かに得をしている者がきちんといるのである。このようなエビデンスを元に、全体としての損得を論じなければならない。
ところで、予想外の税収が上がると、すぐに補正予算を組んでバラマキ還元するという悪しき習慣が近年、すっかり定着をしてしまった。景気が悪いときも、良いときもバラマキをするのでは、永遠に財政再建ができない。当初予算で計画していなかった予想外の税収は、国の借金返済に回すようにしてはどうか。
2022年7月1日 7:24

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ロッシェル・カップ
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長
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分析・考察

こんなに税金を集めていると聞くと、政府はそれを何に使うのかという疑問が浮かびます。日本の税負担はかなり高いので、その税金が何のために使われているのか、国民はもっと関心を持つべきですし、政府は明確な説明をする必要があります。「お金があるからこうしましょう」といった政府プロジェクトが多いようでありながら、必要とされているものには「お金がない」とも言っています。また、集められる税金が増えた分、何故消費税を引き下げられないのかとも思います。
2022年7月1日 9:19

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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別の視点

経済が低成長ななかで、税収が過去最高になったというのは、それだけ国民の税負担率が増えたということにほかなりません。つまり、
      2020年度   21年度
①国の税収 60兆8216億円  67兆円程度
②名目GDP 535兆5171億円 541兆8398億円
③税負担率 11.36% 12.36%程度
国(政府)に支払った分だけで、税の負担率(③=①÷②)は1年間で1%㌽も増えた勘定になります。②でみた名目成長率が1.2%なのに、①の国の税収が10%程度も増えてている。歳出の見直しを論じる際には、成長に資する使い道が不可欠です。
2022年7月1日 7:04 (2022年7月1日 8:12更新)

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

過去最高を1割も超えたとは、驚きました。
他方で、飲食、宿泊、ライブエンタメなどは21年も苦境続きでした。でも、「もともと赤字で法人税を納めていない事業者も多く、税収が減る要因にならなかった」には、何とかせねばと思う一方、ふしぎと読んで元気が湧いてくるような気もしました。
低い収益率と厳しい環境。それでも飲食店も旅行業もエンタメも、数千年間かわらずにあらゆる社会にあり続け、これほど人々に活力を与えています。それは、数年で急に伸びたような業種より、ある意味でずっと強靭な存在ということにも思えたのです。
税金以外の波及効果もあるよなあ、と記事を見ながら考えました。
2022年7月1日 7:45 (2022年7月1日 8:08更新)

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

21年度の国の税収が過去最高を更新しそうというのは、財政の先行きを考える上で、受けとめ方によっては拡張派、健全化派いずれの論拠にもなり得る、ある意味悩ましい話である。景気回復が不十分な中でも「過去最高の税収」が挙がるのなら財政支出を上積みする余力はあると、財政拡張派はみなすだろう。一方、それだけの税収が挙がってもなお、21年度の当初予算と補正予算を合わせた歳出規模140兆円を「過去最高の税収でも賄えるのは半分に満たない」(残りのほとんどは国の借金増加)というバランスを考えた場合、安易に歳出を上積みするのか望ましくないという財政健全化派の主張の根拠になる。参院選後の岸田政権の舵取りが注目される。
2022年7月1日 7:47 』