人体にブタの臓器移植、米当局が治験承認へ 現地報道

人体にブタの臓器移植、米当局が治験承認へ 現地報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01E170R00C22A7000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】米食品医薬品局(FDA)がブタの臓器を人に移植する臨床試験(治験)を承認する見通しとなった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が1日、関係者の取材として報じた。実現すれば、米国で深刻になっている臓器移植のドナー不足の解消につながる可能性が期待される。

治験の開始時期については明らかになっていない。当面はFDAが個別の案件ごとに審査する予定だ。治験が承認されればより多くの患者に移植できるようになるが、データ収集や監視基準は厳しくなる。すでにブタ臓器の移植手術を手がけた実績のある病院が対象となりそうだ。

ブタと人の臓器は似ているとされ、心臓や腎臓などの移植研究が進んでいる。今年1月には米メリーランド大学メディカルセンターが世界で初めて、ブタの心臓を人体に移植する手術に成功した。男性は手術の2カ月後に死亡したが、短期間であっても生存できるのが明らかになった事例として注目を浴びた。

手術を受けた男性は人間の心臓移植に不適格と判断され、他の治療の選択肢がなかった。このためFDAが研究段階にあるブタの心臓移植を緊急承認していた。移植した心臓にはブタ由来のウイルスの感染が見つかり、男性の死因については調査が継続中だ。

米国では臓器移植のドナー不足が深刻な問題となっている。米保健資源事業局によると、現在10万人以上の米国人が腎臓などの臓器移植を待っており、毎年6千人以上の患者が移植を受ける前に命を落としている。』