IMF、スリランカ支援へ協議継続

IMF、スリランカ支援へ協議継続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM306QT0Q2A630C2000000/

『【ニューデリー=花田亮輔】国際通貨基金(IMF)は30日、経済危機に直面するスリランカの支援に向けて同国と協議を継続していくと発表した。IMFの代表団は20日から30日までの日程でスリランカを訪れ、金融支援などを巡り政府関係者らと会談を重ねていた。スリランカは外貨不足により輸入品を中心とした生活必需品の不足が深刻で、対外債務の返済も滞っている。

IMFは30日の声明で「経済政策や改革について当局と建設的かつ生産的な議論を行った」と振り返ったが、今後の合意に向けた詳細な見通しは明かさなかった。

かねて貿易赤字を抱えていたスリランカは新型コロナウイルスの発生で、主な外貨獲得手段だった観光業が低迷した。5月末時点の外貨準備高は約19億㌦(約2600億円)で、2019年末(76億㌦)と比べて大幅に減少している。外貨不足により食料品や燃料などの輸入が滞り、物資の不足や高騰が深刻になっている。

スリランカ政府は27日には、ガソリンなど燃料の販売を約2週間停止すると発表した。医療など生活に不可欠な事業者への販売は続けるとしているが、国民生活への影響は大きい。燃料節約のため、通勤の自粛も呼びかけられた。ウクライナ危機も物価高騰に拍車をかけており、5月の消費者物価指数は前年同月比で45.3%上昇という記録的な水準となっていた。

経済運営に失敗したとして、これまで一族で政権の要職を担ってきたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領らに対する国民の不満が高まっている。抗議活動の広がりを受けて4月に、大統領の弟で財務相だったバシル・ラジャパクサ氏ら閣僚が一斉に辞任した。5月には兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏が首相を退き、野党からラニル・ウィクラマシンハ氏が首相に任命された。挙国一致を呼びかけるゴタバヤ氏は、大統領としての任期を全うする意向を示している。

スリランカの対外債務は21年末時点で500億㌦を超えており、同国財務省は4月に対外債務の支払いを一時停止する方針を表明していた。』