EUとニュージーランド、FTAで大筋合意

EUとニュージーランド、FTAで大筋合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR30ECO0Q2A630C2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)とニュージーランド(NZ)は30日、自由貿易協定(FTA)を結ぶことで大筋合意した。フォンデアライエン欧州委員長とNZのアーダーン首相がブリュッセルで会談して発表した。民主主義陣営の結束を示し、供給網(サプライチェーン)の強化にもつなげる。

フォンデアライエン氏は記者団に「双方の企業、農業従事者、消費者に利益がある」と表明。アーダーン氏は「質の高いFTAだ」と、関税の引き下げだけでなく、環境や人権も網羅した内容だと力説した。

EUの発表文によると、FTAが発効すれば、お互いの貿易量が30%増え、関税の削減でEU域内の企業は年1億4000万ユーロ(約200億円)の負担が減るという。

NZによると、発効すると、EU向け輸出品でキウイやワインなど農林水産品を中心に91%の関税が撤廃され、最終的には97%になる。

EUの統計では、EUとNZの輸出入を合わせたモノの貿易額は21年で78億ユーロ。サービス分野は20年で37億ユーロだった。NZにとってEUは3番目に大きな貿易相手だ。NZからEUへの主力輸出品は農産品で、EUからは工業製品だ。

EUとNZのFTA交渉は2018年に始まった。この時期に合意したのは2つの背景がある。一つは経済的な面で、新型コロナウイルス禍で供給網が途切れたのを教訓として、双方の経済的な結びつきを強めるためだ。

もう一つは地政学的な側面だ。民主主義陣営が中国やロシアとの対立を深めるなか、基本的な価値を共有するEUとNZが手を握り、結束を示す必要があると判断した。

発効には批准手続きが必要だ。EUにとってNZとの貿易額は大きくないが、同国からの農産品輸入が増えることに警戒感が強い加盟国もある。』