[FT]スイス情報機関「ロシアのスパイ増」 各国から追放

[FT]スイス情報機関「ロシアのスパイ増」 各国から追放
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB290OE0Z20C22A6000000/

 ※ 相変わらず、ヒュミント(ヒューミント)が中心なのか…。

『スイスの情報機関は、同国内でスパイ活動が「頻繁になっている」と報告した。永世中立国のスイスに、近隣の欧州各国を追放されたロシアのスパイが流れ込んでいる可能性を示唆した。

ジュネーブには国際機関が多く、外交官が集まる(12日、世界貿易機関=WTO=本部)=ロイター

スイス連邦情報機関(FIS)が27日に公表した非機密扱いの報告書は、外交官が集まる同国のジュネーブが欧州における各国の秘密活動の拠点になっており、「スパイ活動が活発で、さらに激しくなっている」と指摘した。

スイスはほかの西欧諸国と異なり、ロシアによるウクライナ侵攻に関連した外交官や工作員の国外追放に乗り出していない。

ジュネーブにはロシアの外交官らが数十人

スイスの首都ベルンに本部があるFISは、同国内に潜伏するロシアのスパイが「目立って多い」と報告した。そのうえで「ジュネーブにはロシアの外交官や領事として働く職員が数十人いると推定される」との見方を示した。

クリスチャン・デュセ長官が指導するFISのスパイ防止活動は、もっと規模の大きな欧州の他国の情報機関にも高く評価されている。FISは以前にも、スイスで活動するロシアの外交官の少なくとも4人に1人はスパイだと推定したことがある。

FISによれば、ジュネーブは国連の関連を含む多数の国際機関の本部があり、フランス国境に近く、検問を受けずにスイスからEU(欧州連合)加盟国に入れるため、スパイにとって、かなり使い勝手のよい都市だ。

報告書は、ジュネーブがスパイの「活動に理想的な環境」だと記した。

FISによれば、ジュネーブを拠点にするスパイの「多数」が、秘密情報の提供者のハンドラーだ。要するに、機微な情報を収集するため利害対象の組織に所属する人物を勧誘、利用、操作する訓練を受けたスパイだ。

1人のスパイに3~5人の情報提供者

1人のハンドラーは通常、3〜5人の秘密情報の提供者の協力を得ているという。FISは外国のスパイがスイスで情報提供者に接近する様子を「しばしば」特定し、監視できていると説明する。

報告書は「ジュネーブとその周辺では、スパイのほか、外国の情報機関と通じていると思われる人物も多数、居住あるいは勤務している」と、注意を促した。

民間の調査報道機関ベリングキャットは2019年、ジュネーブがロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の拠点の一つになっている可能性が高いと指摘した。GRUは18年、英国でロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏の暗殺未遂事件を起こした。

ジュネーブを拠点とするGRUの工作員は、化学兵器禁止機関(OPCW)や世界反ドーピング機関(WADA)の内部システムへの侵入を試みたサイバー攻撃との関連も指摘される。

FISは「大国間の激しい競争」によってスイスにおける頻繁なスパイ活動が続くと予想した。なかでも欧州における情報収集のシステムを立て直そうとしているロシアはFISが最も警戒する国の一つだ。

プーチン政権が2月に始めたウクライナ侵攻に反発し、欧州各国がこぞって計数百人のロシアのスパイを追放した。西側諸国におけるロシアのスパイ活動は大きな打撃を受けた。

スイスは法的手段を「最大限に」活用し、ロシアのスパイにとって、さらに都合のよい国になる事態を回避しなければならないと、FISは警告した。

By Sam Jones

(2022年6月27日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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