核合意再建交渉が再開 米国とイラン、カタールで協議

核合意再建交渉が再開 米国とイラン、カタールで協議
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『【ドバイ=福冨隼太郎】イラン核合意の再建を巡り、同国と米国の間接協議が28日、カタールのドーハでほぼ3カ月ぶりに開かれた。米国のバイデン政権はトランプ前政権が離脱を決めた合意への復帰を目指すが、イランとは主張に隔たりがある。バイデン大統領の中東歴訪を7月中旬に控え、落としどころが見いだせるかどうか、なお不透明だ。

国営イラン通信が同日、「イランと(仲介役の)欧州連合(EU)の担当者の協議が始まった」と伝えた。核合意はイランの核開発を抑制するための多国間合意だ。米国が2018年に離脱を表明した後、イランのほか、英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国の5カ国が合意にとどまっている。主に欧州側が間に立ち、イラン、米国の双方から話を聞き、相手に伝える形式だ。

イランは米国に対し、イラン産原油の輸出禁止をはじめとする制裁の即時停止を求めている。さらにイラン最高指導者のハメネイ師に直属する革命防衛隊に対するテロ組織指定の解除も要求している。米国はイランに対し、制裁停止よりも同国が合意の履行義務を果たすことが先だと主張する。革命防衛隊への制裁は核合意とは関係がないという立場も示している。

米国の合意離脱に反発し、イランは核合意の履行義務を逸脱する行為を繰り返している。国際原子力機関(IAEA)が5月にまとめた報告書によると、5月15日時点でイランが60%まで濃縮したウランの貯蔵量は2月時点に比べて3割増の推定43.1キログラムに達した。核合意で定めた濃縮度の上限を超過し、核兵器への転用が容易な90%に近づく。

英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のサナム・バキル氏は、間接協議再開の背景について「(イランと米国の)対立がエスカレートする可能性があり、話し合いが必要だと(双方の)関係者が考えたのは明らかだ」と指摘した。だが「大きな進展があるとは思えない」と語った。

間接協議は3月中旬を最後に中断していた。欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表が25日、テヘランを訪問してイランのアブドラヒアン外相と会談し、再開で一致した。アブドラヒアン氏は25日の記者会見で「イランにとって重要なのは(合意再建で)経済的利益を得ることだ」と言明した。

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