BBCは、ロシアに農場を占拠されたウクライナ人農場主200人に取材し、露軍がどのように収穫物を盗んでいるのかを調べ上げた。

BBCは、ロシアに農場を占拠されたウクライナ人農場主200人に取材し、露軍がどのように収穫物を盗んでいるのかを調べ上げた。
https://st2019.site/?p=19849

『Nick Beake, Maria Korenyuk and Reality Check team による2022-6-27記事「Tracking where Russia is taking Ukraine’s stolen grain」。

    BBCは、ロシアに農場を占拠されたウクライナ人農場主200人に取材し、露軍がどのように収穫物を盗んでいるのかを調べ上げた。

 農家のトラックの何割かには、盗難対策としてGPS発信機がついている。それで収奪した穀物の流れが分かる。

 クリミア半島中央部、鉄道分岐点にあるオクティヤブルスケ市が、穀物の枢要な中間貯蔵拠点になっていることが可視化された。そこにはサイロがある。
 そこに寄らずにトラックでケルチ海峡を渡ってクラスノダール方向へ向うトラックもある。

 港からロシア船へ積み込まれた収奪穀物類は、ケルチ海峡において、こんどは小型のバラ積み船に、小分けされる。そのさい、ロシア本土から積み込んできた穀物と混載するようにする。そしてトルコまたはシリアの港へ向う。

 この「混載」がトルコの港湾管理者にエクスキューズを与える。「ロシア産穀物をロシアの港で積み込んだ」という書類がちゃんと揃っているから、荷揚げを拒絶する理由は無い、というわけだ。

 黒海へ出る前後で密輸船はAISのスイッチを切る。この密輸船×9隻の船名は米国によって把握され、ウクライナ政府によって公表されている。
 商船のAIS情報は、ロイドのデータセンターにぜんぶ集められているので、BBCとしては取材しやすい。
 そのAISは黒海に少し乗り出したところから再びスイッチが入れられるのだが、そのさい、貨物船の吃水が増していることが分かる。つまりは、スイッチを切っている間に、瀬取りが行なわれたわけだ。

 国連のSOLASという海上安全規定では、海外貿易に従事する商船は、海賊に襲われたとき以外は常時、AISを切ってはならない。ロシア商船とシリア商船はラタキア港内でもAISを切っており、明白に国連条約に違反している。

 ロシアはなかなか巧妙で、穀物をタダ取りすれば、来年から農民たちは作付けしなくなると分かっている。だから、ギリギリ最低価格での売り渡しを迫る。そのさい「合法的に売り渡しました」という文書に署名させる。百姓は、生かさず殺さず、油を絞りきるようにする方法を熟知しているといえる。

 もちろんこうした占領者の行為は、ジュネーヴ国際条約違反であり、国際刑事法廷ICCの訴追対象である。』