中国、地方債の発行加速 6月インフラ資金調達で最大に

中国、地方債の発行加速 6月インフラ資金調達で最大に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24AW70U2A620C2000000/

『【北京=川手伊織】中国で地方債の発行が加速している。6月の発行額は過去最大を更新し、1兆5000億元(約30兆円)を超す見通しだ。習近平(シー・ジンピン)指導部がインフラ投資での景気の底上げを目的に、資金調達のための債券発行を地方政府に急がせているためだ。

中国メディアによると、26日までの発行額は1兆4126億元で、前年同月の1カ月分と比べて8割近く増えた。新型コロナウイルス禍から経済を早期に正常化させるために発行が急増した2020年5月の1兆3024億元をすでに上回り、最大を更新した。月内の発行予定分を合わせると、1兆5000億元を超す見通しだ。

地方債のうち、「専項債」と呼ぶインフラ債の発行が急増している。中国財政省によると、年初から6月16日までに計2兆5453億元を新規に発行した。21年同時期の3倍となった。

中国経済は、新型コロナの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で悪化した。国内の民間需要が縮んでいるなか、習指導部は、地方政府のインフラ投資を景気回復のけん引役と位置づける。

22年のインフラ債の発行枠は3兆6500億元ある。財政省は地方政府に対して、6月末までにほぼ全額を発行し、8月までに調達した資金を原則使い切るよう求めている。

インフラ投資の拡大が年後半の経済成長率を高める公算は大きい。それでも政府が22年通年の目標として掲げ続ける「5.5%前後」の成長は難しそうだ。伊藤忠総研の玉井芳野氏は「回復が本格化しても通年の成長率は4.3%にとどまる」と予測する。そのうえで目標達成に向けて「新型コロナ対策で20年に発行した特別国債の再発行に踏み切る可能性もある」と分析する。

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/China-sets-record-local-bond-issuance-in-June-to-spark-economy?n_cid=DSBNNAR 』