インド、5G導入へ入札 成長市場も投資負担重く

インド、5G導入へ入札 成長市場も投資負担重く
ASIA政策ナビ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24CS90U2A620C2000000/

『インドで高速通信規格「5G」の導入に向けた準備が進んでいる。政府は15日、5Gで使う周波数帯の入札を7月下旬に実施すると発表した。一部地域では年内にもサービス提供が可能になる見込みだというが、インフラ整備も含めて通信各社には重い負担となる。

インドでは5G対応のスマートフォンが販売されているが、サービス開始には至っていない。アシュウィニ・バイシュナウ通信相兼電子・情報技術相は最近、20~25都市で2022年中に5Gサービスが始まるとの見通しを示した。スウェーデンの通信機器大手エリクソンはインドの5Gサービス利用者は27年に5億人になると予測する。

地元通信業界では大手財閥リライアンス・インダストリーズ傘下のリライアンス・ジオ・インフォコムとバルティ・エアテル、ボーダフォン・アイデアの大手3社で、携帯契約者の9割程度を握っている。今回の入札にも3社が応じる見込みだが、政府が設定した最低入札価格は各社が要望していた水準を大きく上回っているという。

成長市場とはいえ、各社がどこまで大規模な投資に踏み切れるかは不透明だ。リライアンスの参入を機に始まった低価格競争は各社の経営に大きな打撃を与えている。

特に顧客減少が続くボーダフォンの苦戦が鮮明で、22年3月期の連結最終損益は2824億ルピー(約4870億円)の赤字。同社は1月、生き残りに向けてインド政府を筆頭株主に迎える方針を発表した。

政府は農地など特定の場所に限定した5Gの利用については、通信事業者以外の一般企業に周波数帯を直接割り当てる方針も示している。事業機会の縮小を懸念し、業界団体のインド携帯電話事業者協会(COAI)は反発している。5G市場の開拓を巡る官民の綱引きは今後も続きそうだ。

(ムンバイ=花田亮輔)』