G7、ロシア産の金を輸入禁止へ インフラ投融資81兆円

G7、ロシア産の金を輸入禁止へ インフラ投融資81兆円
米主導でインフラ投資枠組み発足
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『【エルマウ(独南部)=鳳山太成、竹内悠介】主要7カ国首脳会議(G7サミット)が26日午後(日本時間同日夜)に開幕した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの制裁を巡り、同国産金の輸入禁止で合意する。中国の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗するため、米国主導でインフラ投資の新たな枠組みを発足させた。

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G7サミットは26~28日の日程でドイツ南部のエルマウで開催され、最終日に首脳宣言を発表する見通しだ。ウクライナ支援、エネルギーや食料の価格高騰対策、ロシア産原油の価格に上限を設ける案なども話し合う。ドイツのショルツ首相は開幕後の声明で「景気減速や物価高、原材料の不足、供給網の遮断などの危機をすべての国が懸念している」と述べた。

米英両政府によると、G7首脳は28日に金の輸入禁止で正式に合意し、各国が必要な手続きを進める。2021年のロシアの金輸出は126億ポンド(約2兆1000億円)で、民間調査会社調べで30兆円超だったエネルギーに次ぐ主力輸出品だ。米政府高官は26日、記者団に「ロシアを孤立させ、世界経済から切り離す」と述べ、戦費を賄うための収入源を断つ狙いを強調した。

米地質調査所(USGS)によると、21年の金生産のうちロシアは世界全体の10%を占め、中国、オーストラリアに次いで多い。商品市場を抱える米国や英国は民間企業が既にロシア産金の輸入を絞ってきたが、G7として明確に禁じる狙いがある。

マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「ロシアの金生産量は突出して大きいわけではない。原油やダイヤモンドなどに比べて金は産出国に偏りがなく、ニューヨークの金先物相場への影響は少ない」と語る。

バイデン米大統領は26日、「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の発足を表明した。①気候変動②情報通信③男女格差撤廃④医療――の4分野で低・中所得国のインフラ整備を後押しする。

G7全体で27年までに6000億ドル(約81兆円)の投融資をめざす。米国はこのうち2000億ドルを担う。岸田文雄首相は日本として650億ドル(約8兆7900億円)以上の拠出を目指す考えを表明した。

政府投資を呼び水に企業の投資を引き出す官民パートナーシップを想定する。アジアやアフリカでの海底ケーブルの整備、ワクチン工場などの建設を具体例に挙げる。G7首脳は質の高いインフラ投資を推進すると一致した。

岸田首相は中国を念頭に「経済的威圧などについてG7が中核となり明確な立場を示すべきだ」と強調した。インフラ投資や経済安全保障を巡る連携強化も呼びかけた。

中国は一帯一路でアジアやアフリカなどへの投資を拡大し、緊密な経済関係をテコに政治的な結びつきも強めている。投資先はG7サミットに今回招待されたインドネシアのほか、パキスタンやカンボジアなどアジアの国が金額で上位を占める。米国は中国寄りだったり、対ロシア制裁に距離を置いたりする国をつなぎ留めたい考えだ。

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